間違いだらけのネットワーク作り(634)2010/04/10
「プラスチック光ファイバ」

 先週の京都研究会は41人が参加し、その後の懇親会、二次会も含め楽しく過ごしました。  11回目の京都 研究会ですが、参加者のうち10人くらいは1回目から来ている常連です。  一方で長く情報化研究会の会員でありながら、今回初めて私と会った人もいま す。 Nさんもその一人で、研究会の後、こんなメールをくれました。

「先日は,京都研究会に参加し,とても勉強になりました。お礼が遅くなりまして申し訳ありません。

とりわけ,松田さんの講演は,とても勉強になりましたし,楽しかったです。 日経BYTE の最初の連載からずっと読んでいるのに今まで講演を聴く機会に恵まれませんでしたので,
聴き手を引きつけるプレゼン手法について考えさせられました。」

 日経バイトの最初の連載、とは「間違いだらけ」のコラムのことです。 最初は2002年7月ですから、8年近く私のコラムを読んでくれていることになり ます。 実はNさんは裁判官です。 まだ20代なのですが、IT業界で働きながら司法試験の勉強をし、司法修習を経て今年任官したばかりだそうです。   法律とまったく関係のない仕事をしながら司法試験に合格するとは、能力も努力もすごいものです。 

 京都研究会の様子はコラムにまとめました。  既に原稿を編集部に提出しており、日経コミュニケーション5月1日号に掲載され、5月24日には ITproに掲載されます。  日経コミュニケーションでは1ページしかスペースがないので、私の講演だけまとめています。  ITproはこれまでと同 じスペースがあるため、総務省の稲田さんやageetのマルクスさんの講演も取り上げています。  
 
「プ ラスチック光ファイバ」

 お客様からの紹介で、慶応義塾大学理工学部物理情報工学科の小池康博教授を訪問しました。  私はこの機会まで存じ上げなかったのですが、プラスチック 光ファイバ(POF)の研究で有名な方でノーベル賞にもっとも近い日本人科学者の一人だそうです。  NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出 演したことがあるそうです。  まだ54歳の若さなのですが、2年前に紫綬褒章を受章しています。  訪問の目的はプラスチック光ファイバが企業ネット ワークで使えるものかどうか、教えを乞うことでした。

 「光ファイバの専門家ではないので、企業にとってどんなメリットがあるのか、それだけ教えてください。  ガラスのファイバと比較して曲げに強く、扱い 易いというのは知っていますが、速度はどれくらい出て、距離はどの程度伸びるのでしょう。  コストは?」といつもどおり、単刀直入に質問しました。   こんな質問にストレートには答えて貰えず、教授の開発したPOFの優れた点を難しいグラフや、デモをおさめたビデオなど見せながら説明してくれました。

 教授と共同開発をしている旭硝子が3月に新製品を発表したばかりで、その製品の仕様が現時点のPOFの実用上の最先端と言えるようです。 下のスライドはhttp://www.lucina.jp/fontex/pdf/Tecnhical.pdfか ら引用させて貰いました。


  マーケットとして最も有望視されているのは企業利用ではなく、家庭におけるAV機器間の高速接続だそうで す。  HDMIなどのケーブルはとても高価で、しかも径が太く扱いにくいものです。 これがPOFでより高速に、扱いやすく、安価になれば大きな需要が 期待できます。


  私はLANで使えないかと期待したのですが、距離が100メートルでは厳しいですね。 DCにおけるラック内機器接続やラック間接続なら十分ですが、 フロア間や基幹部分で使うには距離が足りません。  あと最後まで、価格の話は同席しているビジネスサイドの人からも出ませんでした。  HDMIの価格 をベースに考えられるとかなり高いものになり、DCでの利用も無理でしょう。 旭硝子は製品価格をまだ発表していません。  7月の出荷開始までにはアナ ウンスされるでしょう。

  小池教授は研究者らしい爽やかな方でした。  爽やか、というのは物欲や金銭欲がまったく感じられないと いうことです。 帰り際にノーベル賞を受賞されたら自慢できるので、とケータイで2ショットの写真を撮らせてもらいました。  すると、同行した他の人も 次々と撮影。 先生、すみません、ミーハーばかりで。 


*ここに書いてあ ることで質問、ご意見などありましたら下記メールへお知らせください。 
  tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


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