間違いだらけのネットワーク作り(616)2009/12/05
「NGNの今」

 
先週はめずらしく、このコラムを休載しました。 ここ何年か、秋は京都か奈良へ紅葉狩に行くのが恒例になっており、今年は奈良へ行くつも りでした。  ところが、ANAが10月に就航させた羽田−北京線を使った二泊三日の北京ツアーの方が、奈良へ一泊二日で行くより安いことをたまたま発見 し、こっちにしよう、となったのです。  食事もぜんぶ付いており、ホテルは5つ星で45平方メートルのツイン、専用バスに乗っているだけで5か所の世界 遺産が見学できる、という内容です。  あんまり安いので、何か難点があるのでは、と思っていたのですが、快適でした。  一番恐れていた寒さも大したこ とはなく、山の上だから寒いだろうと完全武装していた万里の長城は風もなく好天で、きつい坂を登るので暑くなりました。  ANAは往きは搭乗率40%く らい、帰りは70%くらいでした。  中国人CAが若くて感じが良かったです。 不思議だったのは中国人CAは日本語が出来るのに、日本人CAとの会話が 英語だったこと。  日本人CAは若くありません。

 30日に掲載されたITproのコラム、「想定 外の目的が革新をもたらす」のランキングはこんな感じでした。 

     


「NGNの今」

 
3日木曜日に大阪で講演しました。  NEC関西ユーザ会主催のセミナーで、幹事会社の人が私を講師に推薦してくれたのです。    「Gmailはいらない!」を副題にしたいつも通りの漫談を90分しました。  私の話に免疫がない関西の人たちの反応はどうだったかと心配しましたが、 アンケートを見ると半数近い人が「大変満足」と回答し、「満足」を加えると約90%という結果でした。  私の講演に続いて、NEC企業ネットワークソ リューション事業本部エグゼクティブ・エキスパートの今井恵一さんが「NGN商用サービスの現状と課題」と題して1時間講演しました。  私と違ってきち んとした講演です。  久しぶりにNGNのことを思い出し、なつかしく感じました。  現在のNGNのことや今後について分かりやすく講演してくれたおか げで、NGNについて頭の中の整理が出来ました。  今井さんの講演から2枚のスライドを引用させてもらい、コメントします。




*これは本当になつかしい図です。 2006年から2007年くらいにかけて、これと同じような図を講演でよく使っていました。  「なつかしい」という 感覚がNGNの現状のダメさ加減を表しています。 すっかり話題にならなくなっているから、なつかしいのです。  今井さんの「NGNとは階層構造と APLのオープン化」という定義はすっきりしていていいですね。



 
*今井さんの現在のNGNに対する評価は「かなり期待外れ」です。  新サービス、とりわけ法人向けのサービスがなかなか出て来ない。   法人で今すぐ使える用途としてはTV会議用インフラとしての活用と、VPN、広域イーサを挙げています。   テレビ会議はハイビジョンクラスが可能です が、現状では映像と音声のみで、資料共有は出来ません。  NGNのセッションの上でデータ通信が出来ないからです。 ただ、近いうちにSIPのメディア タイプとしてApplicationが使えるようになりそうだということです。     フレッツVPNワイドやビジネスイーサは今井さんの定義では NGNではありません。 SIPも使わなければ、QoSもないからです。  NTT東西が自社のNGNサービスに分類しているだけです。  ただ、適する 用途はあるので、使えばいいでしょう。

*これからのNGNに対する期待としては新たなWANサービスとして従量制課金の帯域確保型データ通信サービスとか、サービスプラットフォームの充実を挙 げていました。 

*さて、私の意見です。  私はNGNはコンシューマーより、法人分野の方が早く普及するし、そうなるべくサービスを開発すべきだと思っています。  理 由は簡単で、コンシューマーがNGNを使うにはNGNならではのサービスにメリットがなければいけません。  しかし、サービスプロバイダーやコンテンツ プロバイダーの動きは活発ではありません。  それはNGNユーザがわずか127万しかいないからです。  NGNがサービスプロバイダーやコンテンツ・ プロバイダーにとって魅力的であるには、ケータイの1億ユーザは無理にしても、フレッツの1200万くらいは欲しいでしょう。  魅力的なサービスがない からNGNユーザが増えない、ユーザが少ないからサービスの提供が進まない。  にわとりとタマゴの論理ですが、NGNがコンシューマーで立ち上がるには 時間がかかるでしょう。

法人は別です。  自社ネットワークにNGN回線を利用することで、より高速、経済的、高品質になるなら、ユーザ数に関係なく、自社単独でメリットが得ら れます。  テレビ会議も、高品質電話も、自社内であれば同じNGNインタフェースの端末が使えるので、すぐメリットが得られます。  NTT東西には法 人向けサービスにもっと眼を向けて欲しいものです。

*ここに書いてあ ることで質問、ご意見などありましたら下記メールへお知らせください。

   tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp

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