間違いだらけのネットワーク作り(601)2009/08/15
記事評「脱・ガラパ ゴスの処方箋」

 
夏の甲子園に母校、愛媛県立西条高校が出場 しています。 1回戦を勝ち、明日2回戦を大分の明豊高校と戦います。 少し前に高校のクラス、S50年卒理数科の人たちにメールで暑中見舞いを出しまし た。 2005年のクラス会の名簿(紙でしか配布されず)にあったアドレスを、暇にまかせてパソコンに入力してあるのです。 年賀の挨拶と暑中見舞いは BCCで、一斉送信しています。 

 今回、面白かったのはI君が高校野球1回戦の観戦記を書いて、「これを皆に配信してくれ」と言ってきたことです。  そこで、「アドレスをCCにさらす ので、メッセージを全員に送りたい人は使って」と書いて転送しました。  そのとたん、ここ10数年クラス会に来ていないS君から近況報告と、1回戦の感 想が送られてきました。 メールのおかげでめったに会えない同級生の様子が分かりました。 2回戦が終わったら、また感想メールが飛び交うでしょう。  


記事評「脱・ガラパゴスの処方 箋」(日経コミュニケーション 8月15日号)


 
さて、盆休みの最中の土曜日に、何を書こう かと考えていると机の上にまだ読んでいない日経コミュニケーションがありました。 「脱・ガラパゴス」という特集が夏休みに読むにはちょうどいいテーマと 思えたので、パラパラと読んでみました。 20人の識者のインタビューを一人1ページくらいにまとめて羅列してあります。

 表題に「自信を持て」とか、「野心を持て」など精神論的な言葉が入っているのは読み飛ばし、具体的で有用そうなものはきちんと読みました。 全体にガラ パゴスの典型とされるケータイを題材に話している人が多いです。 さまざまな提言がなされていますが、一番有効なのは「日本は標準化に力を入れよ」という 提案だと思いました。 それと、事業の心構えとして「先ず日本で成功してから世界へ出よう」ではなく、最初から世界に広げることを目指して技術や製品を開 発すること。

 せっかく世界に先んじて優れた技術を開発しても、それが世界標準にならなければ開発投資を回収することすら難しくなります。 ケータイの世界はつい最近 まで真逆の戦略で、ミドルウェアからアプリケーションまで日本独自どころか、ケータイ事業者ごとに独自でやって来ました。 iPhoneやAndroid という標準プラットフォームを日本のケータイ事業者が採用したことはいいことなのですが、他人が作ったものですから大儲けすることは出来ません。 日本発 のソフトウェアや技術が標準化され、広まって欲しいですね。 

 日本が標準化活動に弱く、どうにもならない国なのか、というとそんなことはない、と証明するドキュメンタリーが1週間前にNHKで放送されました。 東 京電力を中心とする日本の電力業界が30年かけて開発した超高圧電力伝送技術の標準化競争をドイツと争って勝つまでを、国際会議での辛辣なやりとりや、標 準化の投票をする各国の委員への働きかけなどを通じて、生々しく描いた番組でした。 日本は1100Vでの伝送技術を提案したのに対し、ドイツは 1200Vで対抗したのです。 ドイツは標準化大国で歴史的に国際標準化に力を入れているそうです。 それは標準を取ることが市場で勝つことにつながると 知っているからです。 A4、B4と言った紙のサイズ、ボルトやネジの形状など、いたるところに「ドイツ製」標準があるそうです。 

 事前の票読みでは日本の案が通るかどうかは微妙でした。 決め手となったのは日本が中国を味方につけたことです。 中国は広大な国土に電力を効率的に伝 送するため、日本の新技術の採用を決め、すでに試運転を始めていました。  標準化を議論する国際会議で、予定にはなかった中国によるトライアル設備のプ レゼンを入れることに成功し、流れが変わりました。 投票の結果は決められた日時にネットへ公開されます。 その瞬間、日本のメンバーは北京空港にいまし た。 空港のベンチでパソコンの画面に表示された投票結果を見ると、強行に反対していたドイツまでが日本案に賛成していたのです。 それは、広大なマー ケットである中国を敵に回したのでは、中国でのビジネスを失うと考えたすばやいドイツの戦略転換でした。

 標準化とは技術だけの働きではダメなのですね。 技術開発、市場を獲得する活動、国際会議でのしたたかな駆け引き、の3つが必要なのです。 中でも、市 場の獲得は重要です。 お隣の国を大事にしなきゃいけませんね。 この3つはそのまま、脱・ガラパゴスの処方箋ではないでしょうか。

 日経コミュニケーションの記事評のつもりが、NHKの番組評の方が長くなりました。

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2.場所   明治記念館
3.セミナー・テーマ
「ネットワーク・レボリューション−企業ネットを盛り上げる」(仮題)  講師:情報化研究会主宰  松田 次博
4.会費等
  未定です。
5.申し込み受付  8月末からの予定です。

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