間違いだらけのネットワーク作り(588)2009/05/16
「なつかしいFDDI

 今週、あるお客様とのメールのやりとりの中で、水村 美苗さんが次々本を出しているけど読みましたか、と用件の後に書いてありました。  この方は私よりはるかに読書家なのですが、本の好みがよく似ているの です。  水村 美苗さんは「日本語が亡びる時」という昨秋発行されたベストセラーの作者です。  最近、「日本語」がつく本を一気に2冊出しており、行きつけの書店にも 並べて積まれていました。  私は日本語の本には興味がなく、この人の本も一冊も買っていません。  この点はメールをくれた人と好みが違うようです。   自分が好きな文体ははっきりしているので、気に入った作者の本は読みますが、日本語それ自体は道具ですから、道具について書かれたものにさほど面白さは 感じません。  道具は使うものです。  自分で文章を書いたり、講演したりする方がはるかに楽しいですね。

 でも、仕事のメールの中で、こういう質問を書いてもらうと嬉しいものです。 
 

 「な つかしいFDDI

  今週訪問したお客様との会話で一番驚いたの は、まだFDDIを使っている拠点があったことです。  もちろん、ごく一部で使っているだけですが、しっかり現役なのです。 FDDIはFiber- Distributed Data Interfaceの略称で、光ファイバーを用いたリング構成のLANです。  最大速度100Mb/s、最大延長 が200km、最大端末数は500台。  1987年にANSIが標準化しています。  1990年頃には当時10MだったEthernetやトークンリ ング(IBM独自のLAN)より高速なLANとして、複数のEtherneやトークンリングをつなぐ基幹LANとして使われていました。 しかし、 Ethernetは100Mが当たり前になり、GEthernetや10GEthernetさえ安価に使えるようになったこと、インタフェースが Ethernetほど汎用的でないことから使われなくなりました。

 もう20年以上前の技術なのに、よく保守が出来るものだと感心しました。 と同時に古い技術であっても「用が足りていれば」変える必要はない、とあらた めて思いました。  PBXも電話が使えればいいだけならレガシーのままでよく、更改する時期が来てもレガシーからレガシーに更改すればいいのであって、 わざわざIP電話にする必要はありません。  
 
 
 古くなるとメンテナンスコストは高くなるし、そもそも交換用の製品が入手出来なくなるので、FDDIは近いうちに更改が必要です。  
ただ、レガシーPBXと違って製品がもう販売されてないのでFDDIからFDDIへの更改は不可能です。

 ネットワーク機器というのは意外と長寿命で、大昔の電話局用交換機、ステップ・バイ・ステップは約40年、 クロスバースイッチは約30年だったそうです。 それが電子交換機になり、IPになってかなり短くなっているとのこと。 技術進歩は機器の寿命を延ばすの かと思いきや、ガチャガチャと機械的に動いていた交換機の方が長寿命で、電子化・IP化されたものの方が短いというのは面白いですね。  

 そう言えば、1964年に登場した新幹線のひかり1系はつい最近まで営業運転していました。   しかし、1999年の500系はもうすぐ引退します。  35年使われた1系の3分の1以下の寿命です。  高度で複雑な技術を使えば使うほど、寿命が短 くなるのはネットワーク機器に限らないことのようです。

*ここに書いてあることで質問、ご意見などありましたら下記メールへお知らせください。
   tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


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