間違いだらけのネットワーク作り(582)2009/03/28
大館市役所IP電話についてのコラムへの反応」

 
今週は寒のもどりで寒かったですね。 東京は今日も気温が10度ちょっとまでしか上がらないようです。 しかし、この花冷えのおかげで桜 は入学式や入社式、そして京都研究会のころまで保ってくれそうです。  その京都研究会は現時点で 61名参加となっています。  これまでの京都研究会の最多記録40名を大幅に上回りました。  日経コミュニケーションやITproの編集をしている人 も2名参加します。  研究会の様子がITproの記事になったりすると楽しいですね。  講演資料の印刷等の関係があるので、京都研究会の申し込みは 30日(月)で打ち切らせていただきます。 

 23日月曜日にITproの新しいコラム、「本当はそれほど安 くないAsteriskによるIP電話」が掲載されました。  かなりアクセスは多かったようです。

      


「大館市役所IP電話についてのコラムへの反応」

 「本 当はそれほど安 くないAsteriskによるIP電話」には読者のコメントが4つ書き込まれ、コメントに対するコメントもありました。  関心を持ってもらえる のはいいことです。 ここで一つ一つのコメントに賛成意見を述べたり、反対意見を述べるつもりはありませんが、私が言いたいことを2つのポイントにまとめ ておきます。

@ユーザーが正しい判断が出来る情報を記事にすべきだ

 大館市の事例で重要なのはユーザーが業者のいいなりにならず要件に合ったものを自分で選択したことだ、といった意見がありました。  そんなことは当た り前のことで、「ユーザーはベンダーの奴隷にならず、ブランドや流行にまどわされず、主体的に製品やサービスを選択すべきだ。  そのために、設計はオー プン指向であるべきだ。」というのは私の長年のポリシーです。 それを実行した大館市役所の方々は立派です。  しかし、「見積 もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること」という記事は、「ユーザーが正しい選択をする情報」になっていないので す。  この記事に書いてあることをユーザーが鵜呑みにすると、プロが提案するIP電話よりアマチュアが作るAsteriskを使ったIP電話の方が桁違 いに安い、と思いこんでしまいます。  とんでもない間違った選択をさせてしまうかも知れないのです。  

 2億円のうち半分近くが回線料金であり、しかも超長期間の料金を合算していること。 2億円は音声用LANを新設する前提になっているが、820万円は データ系LANに相乗りさせること。 2億円と820万円の金額差の大部分は見積もり条件の違いに起因しており、公平な土俵の上での比較ではないのです。   そこで、私のコラムでは単純なモデル(電話機台数は大館市と同じ500台)で条件を合わせて比較したのです。 

  アマが安い電話機を選択すれば、IP電話機は同じ価格ではなくIP−PBXは高く、Asteriskは安くていいのではないか、という意見もありまし た。  プロのIP電話機も価格は交渉しだいで安くなるので、差をつけることに意味はありません。 大手メーカーでも立派な多機能電話機を安く提供する ケースがあります。  ちなみに、大館市役所が採用したACTCommunicationsのIP電話機は現在、1900円くらいだそうです。  ACT 社が昨年末に倒産したので、投げ売り状態なのです。  かといって、比較表の上で1900円を使うことは「ユーザーに正しい判断材料」を提供することにな るでしょうか?  代替品も、増設用も入手できなくなった在庫処分品の価格など比較対象にすべきじゃありません。

Aプロの誇りを大切にすべきだ

 プロとアマの違いは何でしょうか。  いろいろな定義があると思います。  しかし、一番大きな違いはプロは自分の仕事に誇りを持っていることだと思い ます。  私が「見積もり2億円のIP電話を820万円で」という記事を読んで、すぐ大館市役所の人に電話をしたのはプロの誇りが傷つけられたと感じたか らです。  プロに頼むと2億円もかかるのが、素人が作ると820万円。  見積もり条件の違いが書いてないので、まるでプロがボッタクリをしているよう に読めます。  私自身が大館市役所に提案したわけではないですが、私もプロの一人なのでムッとしたのです。  

 とはいうものの、大館市の事例がどんどん話題になって、沈滞気味のIP電話への関心が高まることはおおいに歓迎です。 ですから、少ししつこいですが、 今週もここに取り上げました。 ご意見は歓迎しますので、どんどん下記メールまでお寄せください。
 

*ここに書いてあることで質問、ご意見などありましたら下記メールへお知らせください。
   tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


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