間違いだらけのネットワーク作り(579)2009/03/07
記事評「企業ネットのIPv6移行」(日経NETWORK2009年 3月号)

 今日は午後3時から次男のオーケストラの卒業公演があるため、ちょっとあわただしくこのコラムを書いています。  4月4日の京都研究会ま で1か月ほどになりましたが、すでに40人近い人から申込があり、25周年記念にふさわしいにぎやかな会になりそうです。  会員でない、一般の方からも 申し込みをいただいています。
 
 明治記念館での講演、3 月12日講演「常識を捨てて考えるIT基盤と企業ネットワーク」は来週に迫りました。  NGNの サービスである、ビジネスイーサワイド、フレッツ・VPNワイドなどについても勉強が進んだので、「NGNはフレッツ+α」などという抽象的なことではな く、「こんな使い方をするとお得です」という話をしたいと思います。  目玉は繰り返しになりますが、有償版Gmail、Exchange、OSSベース のメールの比較、そして「大館市役所IP電話のコスト検証」です。  大館市役所の構成そのものの詳細は分かりませんが、モデルを想定して電話機500台 規模のIP電話システムを、IP−PBXで構築した場合と、Asteriskで構築した場合を同じ条件で正確にコスト比較します。  その上で、ユーザー はコスト以外のことも含め、どう考えてIP電話システムを選択すべきか意見を述べます。  

記事評「企業ネットのIPv6移行」(日経NETWORK2009年 3月号)

 
IPv4アドレスが枯渇する、ということでネット業界は盛り上げを図ろうとしています。  アドレス枯渇の話は10年以上前から、「あと 2、3年で枯渇する」などと、3〜4年おきに言われ、でも予言どおりには枯渇しないで現在に至っています。  ちなみに私がv6の本を買ったのが1997 年です。 たぶんこの頃に最初の枯渇さわぎがあったのです。 枯渇問題が話題になると登場する人物も同じで、またかい、という感じです。  今度は本当な のでしょうか?

 まあ、本当かも知れないのでv6のことを改めて勉強しようと思っていたら、日経NETWORKが特集を書いてくれました。  この雑誌は私のように企画 と基本設計を主とする人間にとって、浅すぎもせず、深すぎもしない、ちょうどいいレベルで解説してくれるので重宝です。 Webと違って、電車の中で読め るのもいいですね。

 しかし、この特集は肝心なことが書いてないのが欠点です。  「どうする?どうなる? 企業ネットのIPv6移行」というお題がよくないですね。   「どうして? どうする? 企業ネットのIPv6移行」が正しいお題です。  同じことを繰り返し巻き返し、講演で話したり、コラムや書籍に書いています が、v6に限らず、すべては「目的」の明確化から始めるべきです。

 どうすればv6を導入できるか、その結果どうなるか、なんてどうでもいいです。  「何故、企業ネットにv6を導入しなければならないのか?」、「導入 するとどんなメリットがあるのか?」という目的から説明して欲しいですね。  アドレスの枯渇とはグローバルアドレスの枯渇です。  グローバルアドレス は「イントラネット外」つまり、「プライベートアドレス空間外」と通信するために必要なものであり、イントラネット内の通信には不要です。

 イントラネット内のPCがv6インターネット上のWebを参照するには別にイントラネット内をv6にしなくても、NATでv6とプライベートv4アドレ スの変換をすればいいだけです。  外部に公開するWebはv4インターネットとv6インターネット両方に見せるには両方のグローバルアドレスを持つ必 要があります。 でも、それはイントラネット外にさらすサーバだけでいいことで、内部で使う機器にv6アドレスをふる必要などありません。 

 私の理解には間違いがあるのかも知れませんが、イントラネット内部のアドレスをv6にするメリット、必要性があるなら、それをちゃんと書いて欲しいもの です。 「どうして?」が肝心です。
v6の仕組みそのものの解説はいつもどおり分かりやすくて良かったです。


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