間違いだらけのネットワーク作り(567)2008/12/13
「固定通信向けワイヤレス・ブロードバンドとSLA」

  年末年始の挨拶はとくに具体的な目的があって訪問するものではないのですが、とりとめのない会話の中に面白いヒントがあったりするので楽しいもので す。 しかし、今年は大不況に入ってしまったこともあり、例年ほど話は盛り上がりません。  不況であっても成り立つ案件というのは誰が考えても目的は一 つしか成立しません。  それでなくてもネットワーク業界の売上は年々微減ですが、この不況で、「減少」あるいは「激減」ということになるかも知れません ね。 

  世の中が不況だろうが、好況だろうが、毎年春には桜がきれいに咲きます。 春、と言えば京都研究会をする、と決めています。 来年はちょうど10回目 の京都研究会であり、情報化研究会を1984年に始めて25年の節目になるので盛大にやりたいと思っています。  4月の第一土曜日が決まった開催日なの で、来年は4月4日です。  京都の桜が見ごろであるため、このタイミングにしてあるのです。  毎年全国から40人くらいが参加してくれているのです が、来年はもっと多くの方に来てもらえるような内容にしたいと今から企画しています。

  参加の可能性がある方は今からホテルを予約することをおすすめします。 この時期でもほとんど予約が入らないとは思いますが。 私は常連のメンバーの ためにすでに10室確保しています。 京都研究会の頃には今持っているアイデアをもっとブラッシュアップし、新しいアイデアも作りだして「不況に勝てる」 ようにしたいものだと思っています。

 
「固定通信向けワイヤレス・ブロードバンドとSLA」

  
昨年、清水寺でのイー・モバイル体験をきっかけに「ワイヤレス・ルータ」を開発し、販売を始めてほぼ1年が経ちました。  ITpro で紹介したネットワークも稼働し、爆発的とは言わないまでも、着実に実績は増えています。

  ワイヤレス・ブロードバンド(以下、WB)を固定通信で使うのが私の提案の特徴です。  小規模な拠点のメイン回線として、中大規模拠点のバックアッ プ回線として光ファイバーの代わりに使いましょうということです。 WBが光ファイバーと大きく違うのは電波状態が刻々と変化し、得られる帯域も変動する し、時には通信断が発生するという「不確実性」です。 この不確実性を削減し、サービスとしてユーザーに保証しないと固定通信としては実用になりません。

  モバイルで使う場合、不確実性は問題になりません。  あちこち移動して使うので、電波が届かない場所では使えないし、遅いところでは遅い、でユー ザーは納得しているからです。 しかし、ワイヤレス・ルータにデータ通信カードを装着して固定通信で使う場合、不確実性を極小化しないと実用になりませ ん。  いつも同じ場所で使うからです。  「電波が届かないんじゃしょうがない」と許してはもらえないのです。

  ですから、固定通信WBを提案する時にはケータイ事業者さんに協力してもらって、設置場所の電波状況を事業者の持っている基地局の配置を管理している 3次元地図データベースで調べてもらい、受信状態の良さそうな拠点だけを固定WBの対象にします。  この事前調査でOKと見込んだ拠点でも、実際に設置 して見るとNGであることがあります。 しかし、NG率はごく低いということも分かりました。  率自体、私の頭の中にあるのですが、ここには書けませ ん。

  受信状態がいいところで固定通信に使う場合でも、ユーザーに安心して使ってもらうにはSLA(Service Level Agreement)が不 可欠です。  SLAは光ファイバーベースの回線と同様、稼働率を保証します。  光ファイバーを使った広域イーサネットの基幹部分などでは99.99% などというSLAが設定されています。  では固定通信WBでSLAはどの程度が適切か?  

  キャリアの中にはIP−VPNのバックアップ回線としてWBをサービスとして提供しているところがあります。 ところが、一切、SLAがありません。   WB回線の稼働率に関する保証もなければ、WBの状態が悪くてバックアップ出来なくても何の補償もないのです。 これでは使われないですね。

  私のところではSLAとして稼働率を保証するため、24時間、1分間隔でWB回線の状態監視をしています。  実績として、予想以上に高い稼働率が得 られています。 SLAを付与することで、固定通信でのWB利用はもっと普及するでしょう。  
 
 

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