間違いだらけのネットワーク作り(560)2008/10/25
「企業にとってフェムトセルはメリットがあるか?」

 先週の金曜日に有明ワシントンホテルで行った講演のアンケート結果が届きました。  いつもどおりハイスコアです。  自由記入のコメントもいただいて います。  いくつかご紹介します。 所属や氏名は分かりませんが、コメントを書いていただいた方、ありがとうございました。 勝手に引用してすみませ ん。
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・松田さんの講演を聞くのは今回で2回目になりますが、お話しを聞くと仕事に
対するモチベーションが上がります。私は通信事業者に勤務していますので、
完全なオープンなものを作り上げることは難しいですが、その制約の中でもよ
り良い提案と実際の構築をしたいと意欲がわいてきます。

・とてもおもしろかったです。畑違いの部署から2ヵ月前に転属になり、何も分
からないまま、上司や同僚について勉強しておりましたが、まったく反対のご
意見やお話しで、すごく新鮮でかつ視野も広がった様な気がします。

・新しい技術、新しい情報の入手というより、いろいろと考えさせられるセミ
ナーでした。今回のセミナーで得た事は、今後、ネットワーク以外の部分でも
生かしていけると思います。特定企業、ベンダーにかたよらない内容はもちろ
んよかったです。

・ブランドなど1つのことにこだわらず、実利的にマルチオプションでアイディ
アを出し、顧客のメリットを実現する姿勢が大変勉強になりました。
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 私の話を聞くとモチベーションが上がる、というのはうれしいことです。 何故なのか、ご本人に具体的に聞いてみたいです。  同様に「今回のセミナーで 得た事は、今後、ネットワーク以外の部分でも生かしていける」と書いてくださっていますが、何を得たのか、聞いてみたいですね。  モチベーションが上が る理由も、ネットワーク以外にも生かせる理由も、技術なんかとはまったく関係ない次元の理由なのでしょうね。  こういうコメントを貰うと、私も「さら に」元気がわいて来ます。  ありがとうございました。

「企業にとってフェムトセルはメリットがあるか?」

 
今週、総務省からフェムトセルのガ イドラインが出たというニュースがありました。  たったの6ページ。  読む気も起らないつまらない内容です。  昨年の秋ごろは私もフェムト セルに興味を持っていたのですが、今は興味ありません。  企業にとって、メリットが少ないと思っているからです。

 フェムトセルはソフトバンクが力を入れているのですが、商用化は当初のアナウンスではこの秋だったものが、色々あって来年になったようです。  総務省 のガイドラインの冒頭にも書いているようにフェムトセルは高層ビルや地下など、携帯の電波が届かない不感エリアをなくすことが第一の目的です。 あとは携 帯のアクセス網を使わず、ADSLや光のブロードバンド網を使って電話をかけるため、通話料が安価になると期待されています。  これが2つめの目的。   3つ目はデータ通信が速くなること。  フェムトセルのアンテナは少数のユーザで使うこと、アンテナから先が携帯網ではなく、ブロードバンド網からイン ターネットに抜けるため、速くなるとされています。

 この3つの目的が企業にあてはまるか考えてみましょう。

@不感エリアの解消は大企業には関係ない。 なぜなら、携帯事業者はタダで大企業の ビルにふつうの基地局を設置しているから。
 個人や中小企業はともかく、大企業の本社のような高層ビルには携帯事業者は競って基地局を設置しています。 もちろん、自社の携帯を使ってもらうためで す。  ただで立派な基地局を設置してくれるのに、自分でフェムトセルを買って付ける必要などありません。

A通話が安くなっても関係ない。 しょせん、携帯で電話をするのは1日3分。
 
社用携帯を同一の携帯事業者に統一すれば、社内の通話は無料に出来ます。 別に無料にしなくても、携帯は平均1日3分しか通話に使われて いません。 3分の料金が多少安くなっても、大したコスト削減にはなりません。

Bケータイのデータ通信速度が速くなる。 意味なし。 オフィスでは眼の前に立派な パソコンがあるので、誰もケータイでネットを使ったりしない。 

 ということで、フェムトセルおよびそれと似たようなものであるデュアルモード携帯(無線LANで通話やデータ通信が出来る携帯端末)は企業にとってメ リットはありません。


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