間違いだらけのネットワーク作り(553)2008/09/06
「ユーザー不在で進むIPv6問題の検討」

 7月末の研究会旅行に続き、夏休みの第二弾として今週水曜日から今日まで4日間、沖縄へ家族5人で旅行しました。 つい、1時間ほど前に自宅に帰ったと ころです。  沖縄は10数年ぶりでした。 家族全員で旅行するのは2年ぶりです。  晴れ男なので今回の旅行も4日間とも快晴で、日差しは夏の強さがあ りました。  天気がいいので海の青も、木々の緑や色彩豊かな花もきれいで、それだけで満足感がありました。  沖縄周辺はずっと高気圧圏内に入っている ようで、本州の不安定な異常気象とは無縁のようです。 

 いろいろ面白かったですが、7月の研究会旅行で備前焼をしたのにつづいて、沖縄ではガラス工房でトンボ玉づくりをしました。  5人、思い思いのデザイ ンでケータイ・ストラップ用のトンボ玉を作ったのですが、私が一番スジが悪く、さんざんからかわれました。  先生の言うことをまったく聞いてないのだそ うです。 とはいうものの、海の青と、雲の白を入れた作品を無事作ることが出来ました。 やはり、簡単なモノでも、モノ作りは楽しいものです。

「ユーザー不在で進むIPv6問題の検討」

 先週の記事でIPv4が枯渇するので、IPv6が必要になる。 しかし、NGNのv6には問題があるということを書きました。  9月1日号の日経コ ミュニケーション(P.15)には「難航するIPv6マルチプレフィックス問題」というニュース記事が載っていました。

 NTT東西とJAIPA(日本インターネットプロバイダー協議会)が解決方法を検討しており、秋以降に結論が出るとのこと。 しかし、この記事を読むと ユーザー不在の議論がされており、腹立たしくなります。  先週書いたNGNのv6の問題を再掲します。 日経コミュニケーションはこの問題のことを「マ ルチプレフィックス問題」と呼んでいます。

(再掲)IPv6のマルチプレフィックス問題
 ユーザーがv6インターネットに接続されると、今度はNTTのNGNサービスであるフレッツ光ネクストが問題になります。  フレッツ光 ネクストはv6 を使っています。  v6のアドレスはネットワークごとに固有のプレフィックスとユーザー固有部から構成されています。  v6インターネットとフレッツ 光ネクストの光電話等のサービスを併用しているユーザー宅のパソコンは、v6インターネットから割り当てられたAというプレフィックスを持つv6アドレス と、フレッツ光ネクストのプレフィックスであるBを割り当てられたv6アドレスの、2つのv6アドレスを持つことになります。

 このパソコンがインターネット上のサーバに対して、自身の送信元をNGNから割り当てられたプレフィックスBのIPアドレスを設定したパケットを送信す ると、サーバは応答パケットの送信先にプレフィックスBのアドレスを設定して送信することになります。 しかし、NGNはインターネットと物理的に接続さ れてないので、インターネット上のルーターにはプレフィックスBの経路はなく、送信出来ません。  また、パソコンはプレフィックスがAでも、Bでもない 宛先IPアドレスのパケットをNGN側に送信すればいいのか、インターネット側に送信すればいいのかも判断がつきません。

NTTやISPに押しつけられたグローバルIPアドレスを企業内で使いたがるユー ザーなどいるのか?

 日経コミュニケーションの記事にはNTTとJAIPAが検討しているトンネル方式(トンネル終端装置をISPが持つか、NTTが持つかで二通りある) と、ネイティブ方式(インターネットにNGNを接続して、NTTのv6アドレスをユーザーのLANを含め、すべての通信で使用する。 つまりNGNはISPになる)が紹介されていま す。  トンネル方式ではLAN内でもISPから割り当てられたプレフィックスを持つv6アドレスを使います。

 どっちの方式を取ろうが、ユーザーは今までのようにプライベートアドレスを使って、主体的に企業ネットワークのアドレス体系を決めてIPネットワークの 設計をすることは出来なくなります。 そんなこと、どこの企業が受け入れるのでしょうか?  今企業内で使っているv4のプライベートアドレスは枯渇の心 配などありません。  それをわざわざv6のグローバルアドレスに付け替えるなど、何のメリットもないし、逆にセキュリティが脆弱になります。 企業内のサーバのv4プライベートアドレスが外部に知られても、それはインタ−ネットではルーティングされないアドレスなので悪用される恐れはほとん どありませんでした。 しかし、NGNやISPのv6アドレスはグローバル・アドレスですから、一旦外部に知られると世界中どこからでもアクセスできるよ うになります。

 NTTとISPで勝手に議論するのではなく、ユーザーの意見が反映される検討をして欲しいものです。 企業のv4プライベート・アドレスを使ったネットワークの在り方も含めて検討すべきです。
 

ホームページへ