間違いだらけのネットワーク作り(548)2008/08/02
記事評「管理・運用、私のアイデア大賞」

  先週の土日は今年で11年目となる夏の研究会旅行でした。  両日とも好天で、35度という猛烈な暑さでした。  岡山県庁にお勤めの研究会員Oさん にプラン作りから、見学の予約、当日のクルマ出しなど、さんざんお世話になりました。  東京から5人、名古屋、京都、松山、広島、岡山、大阪から各1 人、合計11人が参加。 一日目は日本三名園の一つ後楽園と竹久夢二美術館、長船刀剣博物館を見学。 後楽園も刀剣博物館もガイドさんがとても熱心で、気 持ちよく見学できました。 牛窓の前島という島に宿泊。 タイ、ヒラメなどの刺身、メバルの煮付けなど、瀬戸内の新鮮な魚を堪能しました。  

  二日目の午前中は今回のメインである備前焼の体験をしました。  皆、粘土にさわるのは小学校の工作以来で、先生に教えてもらいながら、2時間、文字 通り一心不乱になって土と格闘しました。 それぞれ湯呑やビールジョッキなど、2作品ずつ作りました。  焼成は登り窯と、電気窯があり、料金が違いま す。  指導してくれた先生が持っている登り窯は年2回しか焚かないそうです。 1回に約2500の作品を焼くとのこと。  我々の作品も登り窯で一緒に 焼いてもらうことにしました。  今度窯をたくのは11月なので、作品が手元に届くのはクリスマス前になるそうです。  夏の思い出がクリスマスに届くな んて、なかなかいいでしょう。  ちなみに電気窯は頻繁に焼くので早く送ってもらうことが出来ます。

  午後は旧岡山藩の庶民のための藩校であった、閑谷学校を見学。  17世紀に建てられた講堂(国宝)をはじめ、山峡とは思えない広い敷地に立派な建造 物が残っており、学ぶことの貴さと、ありがたさをそこに居るだけで感じさせる学校でした。  平成15年まで現役の高校として使われていたそうです。

  備前焼と閑谷学校については8月のITproのコラムで写真入りで紹介します。

記事評「管理・運用、私のアイデア大賞」

  久しぶりに日経コミュニケーションか、日経NETWORKの記事評を書こうかと最新号を見たのですが、最近は本当に小粒な記事ばかりになりましたね。   別に日経コミュニケーションや日経NETWORKが悪いわけではなく、ネットワークの世界に目玉となる話題がない、ということでしょう。 目玉となる テーマを作らなきゃいけませんね。

  でも、小粒であることも面白いものです。  全国のユーザーがネットワークの運用・管理で工夫を凝らしたアイデアを、日経NETWORKが特集してい ました。  日経コンピュータのIT Japan Awardはちょっと権威主義的ですが、NETWORKのアイデア大賞は草の根的で、現場で頑張ってい る人の仕事に対する誇りや楽しみが伝わってくるようで、いいですね。 ただ、IT Japan Awardも、アイデア大賞も、同じ巨大電器メーカーが受 賞している、というのが何だかなあ、です。  偶然ではあるのでしょうが、現場を支えている技術者にスポットライトをあてるなら、巨大企業の事例じゃない 方がより多くの人の共感が得られたのではないでしょうか。

  私が一番興味を引かれたのは本社と拠点間の2つの回線の切り替えを、パソコンのプロシキ設定を切り替えて実現している事例です。  広域イーサネット とインターネットVPNを使っているのですが、基幹系のトラフィックは広域イーサネットを、インターネットアクセスはインターネットVPNを流れるように しています。  基幹系にアクセスするプロキシとインターネット・アクセスのプロキシを分け、JavaScriptで書いたWindowsパソコンのプロ シキ設定ツールで、ブラウザがアクセスするURLによって基幹系なら基幹系のプロキシ、インターネットならそのプロキシを使うように設定しています。   拠点側ルータはプロキシのIPアドレスを見て、基幹系なら広域イーサ、それ以外はインターネットVPNに振り分けます。  本社のルータは拠点向けパケッ トを送信元アドレス(プロキシのアドレス)を見て、振り分けています。

  アプリケーションによって、PCが使うプロキシをダイナミックに切り替え、プロキシのIPアドレスを見てルータが振り分ける、というユニークな「ルー ティング」です。 自分が持っているパソコンの知識やネットワークの知識を総動員して、やりたいことを実現するのはすばらしいことですね。  こんな面白 いやり方があるのかと思いました。  ただ、プロキシの切り替えというアプリケーション・レイヤの仕組みと、ソース・ルーティングというネットワーク・レ イヤの機能を組み合わせてルーティングするのは、美しいとは思いませんし、拡張性や運用性がいいとも思いません。

  この事例ではせっかくプロキシを分けたのに、IPアドレス(ホストアドレス)は別にしてもセグメント(ネットワーク・アドレス)は同じにしています。   セグメントも別にすればソースルーティングを使わず、ふつうのIPルーティングの工夫だけで振り分けが出来ます。  ルーティングというネットワーク の機能はネットワーク・レイヤで完結させた方がすっきりします。  私はトラフィックの種類によってトラフィックが流れるルートを変えるルーティングを 「差別化ルーティング」と呼んでおり、積水化学さんはじめ多くのネットワークで使っています。 

  他には、狭いスキマにケーブルを通すための道具を100円ショップで買った伸縮する指し棒を使って作ったり、ケーブル落下防止グッズを牛乳瓶のフタで 作った例も紹介されていました。  ネットワークの仕事が好きでないと、こんなアイデアは浮かばないでしょうね。 

  それにしても、現場のアイデアのコンテスト、というのは面白いので、100号記念ということではなく毎年やって欲しいですね。

 
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