間違いだらけのネットワーク作り(547)2008/07/26
「Notesは進むのも、退くのも地獄?」

 明日土曜日は、研究会旅行で朝早く岡山へ出かけるため、金曜日にこのページを書いています。  岡山の目玉は備前焼の体験です。  平安時代以来、 1000年を超える伝統を持つ備前焼ですが、もともとは割れ難い瓶(かめ)や鉢(はち)などの実用品として重宝されたそうです。 それが安土・桃山時代に 茶道の隆盛とともに茶器として珍重されるようになり、最盛期を迎えました。  江戸時代には茶道の衰えとともに実用品主体にもどり、その時代が長く続いた のですが、昭和に入って桃山回帰の芸術性を高めた作品が作られて第二の最盛期に入ったそうです。

 ふだんしているネットワークという仕事は技術が激しく変化するし、その形は眼に見えないものです。 焼き物は1000年、基本的な製法や様式を変えてい ない、「変わらない」ところに価値があります。  形を持っています。 ふだんの仕事と対極にある経験をするのは楽しみです。

 22日(月)にITproに掲載された「あな た、また『目 的』を忘れていませんか?」はかなり好評だったようです。 ITproWatcherのランキングで1位になるのは難しくないのですが、 ITpro全体でベスト10に入るのはけっこう大変なのです。  

    


「Notesは進むのも、退くのも地獄?」

 コンバインド・コミュニケーションの中核として、積水化学さんがグループ2万人で使っているオープンソース・ベースのメール/グループウェアを推進して いるのですが、これを講演などで話すと必ずNotesのユーザから引き合いが来ます。  実際、Notesからの移行を手がけさせていただいている企業も あります。 Notesを使って開発されたアプリケーションが少なければ移行は簡単なのですが、「コクヨの Notes移行」でも書いたとおりエンドユーザ・コンピューティングで開発されたアプリが多いとNotesから他のツールに移行するのはとても大 変だそうです。

 「そうです」と伝聞になるのは、まだ大変なケースを経験していないからです。  Notesから別のものへ移行したいというニーズが多いので、それがビ ジネスとして魅力的なものかどうか見極めるため、Notesからの移行を実際にやったSIerや、提案したけども実現しなかったSIerからヒアリングし ました。

 現在までに分かったのは、Notesユーザにとっても、SIerにとってもNotesDB(アプリと呼ばす、DBと呼ばれることが多いです)が数千もあ るようなケースでは、リスクがとても大きいということです。 かといって、Notesを使い続ければいいかというと、そうでもなさそうで、バージョンが古 くなるとサポートされないのでバグフィックス出来なくなるのですが、最新バージョンに上げるにはライセンス費用が高いだけでなく、DBを移行するにも手間 とコストが膨大にかかるというのです。

 Notesユーザは進む(Notesのバージョンを上げて使い続ける)のも、退くのも地獄じゃないか? というのがこれまでのヒアリングの感想です。  何故、こんなどっちにころんでもユーザが嬉しくない世界が出来上がったのでしょうね?

 とはいえ、Notesの高いライセンスや維持費用を何とかしたい、内部統制強化のために申請・承認といったワークフローをエンドユーザに好き勝手に作ら せたくない、といった企業のニーズを企業にもSIerにもリスクのない方法で解決できれば、大きなビジネスになるでしょう。

 ということで、今しばらく研究を続けたいと思っています。


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