間違いだらけのネットワーク作り(545)2008/07/12
「iPhoneショック」

 先週、「岡本太郎と太陽の塔」について書いたところ、HPをアップロードして2時間もしないうちに情報化研究会のIさんから「岡本太郎の本で『今日の芸 術』というのが光文社文庫にあるので読んでください。 自分は高校生のときに読んでとても感動しました」という趣旨のメールをもらいました。  岡本太郎 さんのファンは意外にいるのですね。  反応の早さにビックリし、さっそく買いました。 たしかにこの本の第1章「なぜ、芸術があるのか」というのは冒頭 から訴えてくるところがあります。 

 「すべての人が現在、瞬間瞬間の生きがい、自信を持たなければいけない、そのよろこびが芸術であり、表現されたものが芸術作品なのです。」
 「自分自身に充実する。 −電気冷蔵庫を置いたり自家用車をもって、生活が楽になる。 そんないわば、外からの条件ばかりが自分を豊かにするのではあり ません。 他の条件によってひきまわされるのではなく、自分自身の生き方、その力をつかむことです。 それは、自分が創り出すことであり、言いかえれば、 自分自身を創ることだといってもいいのです。(中略)
  私はそこに、芸術の意味があると思うのです。」

  芸術とはなんだろう、なんて考えたこともなかったですが、ある人にとっては仕事そのものが芸術であり、ある人にはブログが芸術であり、ある人にはス ポーツが芸術になる、ということなのかも知れません。  できれば、芸術を形が残る「作品」にしたいものですね。  私は今までに書いた6冊の本も、この HPも、芸術作品の一種だと思いました。

「iPhoneショック」
 
 7月11日、ソフトバンクがiPhoneを発売しました。 演出のうまさというのでしょうか、ソフトバンクの表参道店だけを朝7時からの発売とし、他は 午後から。 表参道には2、3日前からの徹夜組もふくめ、当日午前7時には行列が1500人に達して「受付終了」のカンバンが出たそうです。  テレビの ニュースでも、Webでも、はては「王様のブランチ」といったバラエティー番組でも紹介され、まさにiPhoneショックの様相です。

 王様のブランチでiPhoneを見たうちの嫁さんは「すごいわねえ、欲しい」と言っていました。  GPSで今いる場所の地図を表示し、「イタリアン」 と入力するとその周辺の店が表示され、それをタッチすると電話番号や住所が表示される。 マニュアルレスで直観的に使える軽快な操作感。  50代のおば さんでも使ってみたくなるのですから、iPhoneのexperience(経験価値)は大したものです。 経験価値というのは商品の機能から直接得られ る効用ではなく、使うことで感じる心地よさ、満足感です。  

 Appleは携帯事業者、端末メーカー、ソフトベンダーの関係を大きく変えました。  これまでは携帯通信網というインフラから、端末、アプリケーショ ンまですべて携帯事業者が垂直統合モデルで牛耳っていました。  しかし、iPhoneショックで携帯事業者は単なるインフラ業者になり、端末メーカーで あるAppleは単なるメーカーではなくアプリケーションやコンテンツを広くデリバリーするための「プラットフォーム・プロバイダー」とでも言うべきもの になりました。  プラットフォーム上で自分の開発したアプリケーションを販売するソフトベンダーはAppleに使用料の一部を支払い、携帯事業者も iPhoneやプラットフォーム上で提供するサービスに対してAppleに上納金を払うことになります。  これまでとの違いはプラットフォームがオープ ンなので、誰でもアプリケーションやコンテンツサービスが出来ること。

 オープンになったのはいいのですが、支配者が携帯事業者からAppleに代わっただけで、サービスやコンテンツの事業者の利益はAppleのプラット フォームの料金次第で大きく左右されます。 Appleが支配的にならないためには、同じくらいの魅力があるプラットフォームが登場して競争が生まれなけ ればいけませんね。 さあ、それはGoogleになるのでしょうか、それともマイクロソフトでしょうか、通信事業者が頑張って巻き返すのでしょうか。

 私はAppleもiPhoneも大好きで、iPodTouchはいち早く使い始めたのですが、Appleがあまりに支配的になりすぎるのも困ったものだ なあと思っています。 それと、高かったiPodTouchを下取りして欲しいです。 


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