間違いだらけのネットワーク作り(543)2008/06/28
「NICT見学記」

  今週は月曜日に大阪に出張し、研究会の人たちと焼肉を山ほど食べました。  こう書くとまるで焼肉を食べることが出張の目的のようですね。  2週間ほど 前に神楽坂であっさり系の韓国薬膳料理を食べたのですが、今度は不健康でもいいからアブラののったカルビや、脂肪がしたたり落ちるホルモンを食べてやろう と心に決めて いたのです。  それにしても、研究会のAさんは日本酒を飲むこと飲むこと、一人で冷酒のビンを次々と空にして平然としていました。  もっと肉を食べ りゃ いいのに、とあきれて見ていました。  焼き肉屋に3時間以上居座る客というのもめずらしいでしょうね。 面白かったです。

「NICT見学記」

 27日金曜日にNICT、独立行政法人情報通信研究機構を見学し ました。 情報化研究会の創立以来のメンバーである稲田さんが理事をつとめており、招いてくれたのです。 光パケットルータ、インターネットのインシデン ト対策、自動翻訳の3つのプレゼンをしてもらいました。

 NICTの第一印象は静かだなあ、ということ。  プレゼンをしてもらった場所以外、廊下を歩いている人はおらず、部屋から廊下へ音がもれることもな い。  研究者は部屋の中で静かに研究に没頭しているのでしょうね。  

 光パケットルータは光ファイバからルータに入力されたパケットを電気信号に変換せず、光のままで次に送出すべきポート(光ファイバ)を決め、ルーティン グするものです。  現在のルータは光信号を電気信号に変換し、メモリにバッファしてルーティング処理をするため処理が遅く、速度に限界があります。   ポートあたり 10Gb/sの能力しかなく、電子的処理を使う限り大きな飛躍は望めないそうです。  ところが光ファイバの伝送技術は進んでおり、1Tb/s(Gの千 倍) が可能になっています。   これを生かすには光−電子変換を伴わない光パケットルータで、ルータの能力を飛躍的に向上させる必要があるということです。  また、電子的処理を行うルータは膨大な電力を消費し、熱を発生させます。  現在キャリア等が使っている大型ルータは一般家庭200軒分の電力を消費す るそうです。  光パケットルータでは消費電力が劇的に削減されるそうです。 

 インシデントとはコンピュータセキュリティに関係する人為的事象で、意図的および偶発的なもの (その疑いがある場合) を意味します。例えば、サーバプログラムの不正使用、サービス妨害行為 (DoS 攻撃) 、データの破壊・改ざん、意図しない情報の開示や、さらにそれらに至るための行為 (スキャン行為など)のことだそうです。 NICTのnicter(Network Incident analysis Center for Tactical Emergency Response)プロジェクトでは、 サイバー空間上で発生する各種攻撃に対する事前対策、インシデント対応、事後対策に関わる総合技術の研究開発に取り組んでいるそうです。  具体的には、広域モニタリングシステムを整備するとともに、 ネットワークに脅威を与えるウィルスの検体収集機構の研究開発、およびネットワークトラフィックログの高度分析、不正発生源の追跡技術 などの実用化を目指しているとのこと。  現在、国内で12万のモニタリングIPアドレスが登録されており、マルウェアが発生させる不正なパケットがどこ から日本に流入し、流出しているか、そのパケットのポート番号やIPアドレスなどの情報が、リアルタイムにディスプレイに表示される仕組みを見せてもらい ました。 パケットはミサイルのような形をしており、拡大表示するとポート番号などが読み取れます。  日本に外国からミサイルが次々と撃ち込まれている ように見えるのがリアルで面白かったです。

 自動翻訳は仕組みは複雑なのでしょうが、出来ることは単純で分かりやすいので、一番楽しめました。  小型のWindowsPCを使った自動翻訳のデモ では「私は松田です」と言うと、正確に中国語に翻訳し、発音されました。  自動翻訳では日本語と他言語の文の対を大量に集めた対訳コーパスという言語資 源が重要だそうです。  いかにたくさんの言葉を集めるかが、正確な翻訳が出来るカギになります。 ちなみに、「今日はNICTに見学に来ました」と言う と、認識に失敗し、NICTを正しく認識できませんでした。  固有名詞であるNICTが登録されてないからです。  ちなみに日本語の中国語への翻訳は 音声認識→日本語の文章→中国語の文章→中国語の発音というステップで行われます。 「NICT」は日本語化する時点で間違えました。
 IM(インスタント・メッセージング)に自動翻訳を組み合わせたシステムは、すでに実用段階だなと感じました。 日本語とハングル語のチャットをリアル にやって見せてくれたのですが、ほぼ完璧に翻訳され、遅延もありません。  気が利いていると思ったのはハングル語化した文を、ハングルからもう一度日本 語に戻して「この翻訳で間違いないか」リアルタイムに確認できるようになっていることです。  この自動翻訳IMを使い慣れてくると、機械が正しく認識し やすい 日本語を書くようになるそうです。 その第一のポイントは主語を省略しないことだそうです。

 「そうです」ばかりの文章になりました。 見学なのだから、当然ですね。


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