間違いだらけのネットワーク作り(541)2008/06/14
「ソフトバンクのiPhoneのインパクトは?」

 10日火曜日に都内某社でミニ講演会をしました。  ここで講演するのは昨年2月に続いて2回目です。  ふだんの講演やプレゼンと違うのは社員の教養 セミナーという位置づけで、40人ほどの受講者は皆さんITとは縁もゆかりもない人たちばかりという点です。  講演に招待してくれたのは情報化研究会の 会員であるNさんです。  講演のテーマは5月14日の日経BP社主催のセミナーと同じ、「テレコミュニケーションからリッチコミュニケーションへ」で、 30枚のスライドもそこからの抜粋です。  ITに縁のない人には分からない専門用語ばかりのスライドなのに、講演が成り立つのか?  

 講演時間は50分、講演開始は17時45分でした。  「今日は暑いので、仕事が終わった後に私の話を聴くより早くビールでも飲みに行った方がいいに決 まっています。  後悔するのは目に見えています。 しかし、皆さんの後悔が少なくなるように、面白い話をしたいと思います」 ということで、ピッタリ 50分話をし、何度も皆さんを笑わせ、講演を終わりました。  受講者の中で一番若い女性が、部屋を出て行く時に私の方を向いて「とても面白かったです。  ありがとうございました。」とお辞儀をしてくれました。 

 私の講演は時間超過することが多いのですが、この日はぴったりの時間で終わりました。  これは当然で、今日はこれだけの内容を話そうと決めておらず、 時間が来たら止めようと決めていたからです。 仕事が終わって、疲れている皆さんにとって講演が長引くことほどいやなことはありません。  スライドをぜ んぶ説明しよう、などという気は最初からないのです。  スライドは理解できる部分しか説明しない、スライドにない面白い話をする。 結局、用意したスラ イドの半分も使いませんでした。

 ポイントは「NGNよりワイヤレス・ブロードバンドの方がよっぽど面白い」、「ワイヤレス・ブロードバンドで4次元ポケットが出来るので、大事な家族の 思い出のつまった写真やビデオはそこに預けましょう」、「内閣府の調査だと女子高生は1日122分もケータイをインターネットに接続しています。 いった い、何に使っていると思います?」といった、皆さんがヘエーと思うことを話しました。 

 6月16日(月)、ITproに新しいコラムが掲載されます。 「Notesをオー プンソース・ベースのグループウェアで更改−京葉ガスのコンバインド・コミュニケーション」というテーマです。 6月1日にワイヤレス・ルーター を使ったWANが京葉ガスさんで始動しました。   この上で、コンバインド・コミュニケーションが構築されます。   これから、どんどん、同様の事例が増えるでしょう。 ぜひ、お読みください。

ドコモでなく、ソフトバンクを選んだジョブス

 
講演をした10日、アメリカではアップル社の開発者会議があり、日本を含む22ヵ国で3G iPhoneを発売することをジョブスCEOが発表 しました。  昨年来、日本ではドコモとソフトバンクがiPhoneの争奪戦をしていたのですが、ジョブス氏はソフトバンクを選んだのです。  なぜ、ド コモではなくソフトバンクを選んだのか、その内幕は小説より面白いでしょうね。  普通に考えれば、ソフトバンクよりはるかに多いユーザーを持つドコモを 選ぶはずです。  

 負け続け状態のドコモにとってiPhoneを獲得するのは実利以上に、負け組のイメージを払拭する大きなチャンスだったと思うのですが、 よほど法外な 受け入れがたい条件をアップルから突き付けられたのでしょうか?  それともアップルに対する提案内容がソフトバンクの方が優れていたのでしょうか?  

 たぶん、ソフトバンクの提案内容が優れていたのではないか、と思います。  ソフトバンクはとにかく面白い。   NTT、KDDI、ソフトバンクの ホームページで事業報告書を比較してみてください。  他の2社と比較して、ソフトバンクのそれはプレゼン資料として面白いアイデアが詰まっていて、分か りやすい。   ネットワークサービスを事業目的とするのでなく、コンテンツやアプリケーション、金融などのサービスを事業の目的とし、ネットワークはそ の手段だということがよく分かります。  加えて、今回のiPhone争奪戦では日本という狭いマーケットでの展開だけでなく、中国を主としたアジアへの 展開を進める力をアピールしたのではないでしょうか。  実現可能性の高さは別にして、ビジネスの発想のスケール、アグレッシブさがアップルがソフトバン クを選んだ理由ではないかと想像します。


199 ドルの「3G iPhone」,日本でも7月11日に発売へ

世 界観が素晴らしい――ソフトバンク孫社長がiPhoneの魅力を熱弁

 実際、3G iPhoneは大きなインパクトがあるのでしょうか?  あると思います。  アップルがiPodとiTuneで作り上げたエコシステム に、モバイル・ブロードバンドと気持ちのいいユーザ・インタフェースを持ったiPhone、誰でもアプリケーションを作れるSDKが加わり、コンシュー マー向けのサービスだけでなく、ビジネス向けのサービスもどんどん充実するのではないでしょうか。  

 iPhoneというハードウェアの価値ではなく、その上で利用可能なアプリケーションやサービスが実現する「リッチコミュニケーション」がiPhone の本当のインパクトです。  ユーザ・インタフェースは似たようなものが既に出現しています。  アップルと携帯事業者、ソフトベンダーが作り出すエコシ ステムが、アップルにとって模倣されにくい武器になるのではないでしょうか。


神楽坂ワンダーランド

 
火曜日の講演会終了後、神楽坂で打ち上げの席がありました。  神楽坂で会食するのは初めてだったのですが、面白いところですね。    その店は毘沙門天の門の道をはさんだ正面にある、人一人がやっと通れるくらいの細い道を100メートルほど入った左側にありました。  韓国薬膳料理の店 で、民家を改造した小さな店でした。 ドラマ渡鬼の料理屋「岡倉」のような感じです。  薬膳もおいしかったのですが、私は油コテコテのカルビの焼肉の方 が好みです。

 その店を出て、Nさんが神楽坂をぐるっと案内してくれました。   すぐ近くに「おいしんぼ」がありました。 京都のおいしんぼは行ったことがあるので すが、神楽坂にはその支店がなんと4つもあるそうです。  起伏が多く、路地も多く、地元にくらす人が多い、入ってみたくなるよさそうな店も多い、いいと ころです。

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