間違いだらけのネットワーク作り(537)2008/05/17
「ユーザーはユニファイドを求めていない」

 今週は月曜日に筑波で2時間半の大プレゼンをやり、  水曜日には六本木・森タワー40Fにあるアカデミーヒルズで講演し、その後、場所を明治記念館に 移して「間 違いだらけのネットワーク作り」の出版記念パーティをやるという、話す時間の多い1週間でした。  どれも楽しく話が出来ましたが、とりわけアカ デミーヒルズでの講演は面白おかしくやれた上に、ユーザー企業3社から引き合いが来るという嬉しいことがありました。

 出版記念パーティは私の大好きな明治記念館でやったのですが、パネルディスカッションが予想以上に盛り上がりました。 19日月曜日にITproの新し いコラム、「『進 捗率』では出来ないプロジェクト管理」が掲載されます。  とても面白いので、読んでください。  出版記念パーティに参加した方の集合写真も掲 載されます。

 
「ユーザーはユニファイドを求めていない」

  今週はアカデミーヒルズでの講演、「テレコミュニケーションからリッチコミュニケーションへ−ワイヤレス・ブロードバンド/NGN時代の企業 ネットワーク」のエッセンスを紹介します。 まずは、この講演を聞いた方からメールで感想をいただいたので紹介しましょう。

大手通信事業者の若手社員の方
”本日は次世代ネットワークシンポジウムのセミナー講演に参加させて頂き、大変刺激的で楽しい内容でありがとうございました。
冒頭で当方ブログのぐるぐるの話題を出して頂きびっくりしました。 ありがとうございました。 購入した他の著書もむさぼるように拝見させて頂きました。

最後にご挨拶させて頂きたかったのですが時間の関係で、他の方が名刺交換に行列になっていましたので断念致しました。
(他の講演も見ましたが列をなしていたのは松田さまだけです)

こんなに楽しい講演は初めてだったので直接お礼を言いたかったので残念です。 メールにて失礼かと思いましたがどうかご容赦ください。”

*この方は新著「間違いだらけのネットワーク作り」を読み、その感想をぐるぐるというブログに書いています。  私はGoogleで自分の名前を検索して このブログを見つけました。
この日はわざわざ大阪から来てくれたのです。 講演の出だしで来ていただいて、とても嬉しいという話をしました。

 この講演は約200人が参加し、名簿を見ると90%がベンダーやキャリアという提供側の人たちでした。 しかし、講演後、名刺交換のために列をなしたの はほとんどがユーザー企業の方でした。 

ユーザー企業でネットワークを担当している方
”5月14日の日経BP社主催のシンポジウムで講演を拝聴致しました。 前半の講演で、あまり信用の置けない会社の製品で固めていくしかな いのかと
暗澹とした気持ちになっておりましたが、松田様のお話を伺って、元気が出てきました。 「間違いだらけのネットワーク作り」も購入させて頂きました。”

*特定のベンダー製品に塗り固められたユニファイド・コミュニケーション(UC)を使うしかないか、と諦めかけていた方が積水化学さんのように、オープン な仕組みでメール/グループウェア、Web会議等を組み合わせて使うコンバインド・コミュニケーション(CC)のメリットを理解して、元気になっていただ いたようです。  

同じくユーザー企業の方
”今日は大変興味深いインパクトのある講演および記念パーティーでのパネルディスカッションいずれも参加させていただきました。
また、指名された際のとりとめのない話をしてしまいお恥ずかしい限りです。
先生の講演はこれで3回目を数えますがいつも新しい情報を取り入れて人の心をわくわくさせるような口調に感銘いたします。”

*先生と呼ばれるのは気恥ずかしいですが、わくわくしていただけたなら講師冥利につきるというものです。 新著「間違いだらけのネットワーク作り」に寄せ られた感想メールにも、読むと元気になると書いた方が何人もいます。  私の本や講演の第一のメリットは元気になり、わくわくする、ということのようで す。

 さて、講演のエッセンスを表すスライドを2つ紹介します。

講演の結論




 今やビジネスにおけるコミュニケーションの主役はメールです。  メールを主体とした情報伝達に加えて、グループウェア、エンタープライズ・サーチ、ス トレージサービス等で情報生産性の向上を実現するのがCCの目的です。  プレゼンスを使って「最適なコミュニケーション手段を選び」、電話の取次ぎや話 中を減らして無駄な時間を減らす、などというUCの目的がナンセンスであることはメール が電話より3倍エライ理由---IP電話の採算を見直そうを読んでください。 

 講演の会場でいかに電話が使われていないかアンケートを取りました。  「1日に5本以上、電話がかかっている人、手をあげてください」と声をかける と、1割程度の人が手をあげました。  電話の利用なんてこの程度なのです。 次に、「1日に50通以上、メールを受信する人、手をあげてください」と言 うと、半数以上 の人が挙手しました。  メールがビジネスマンのコミュニケーションの主役になり、電話は脇役でもない、端役に追いやられたのです。  だから、CCでは 電話はオプションです。   講演の後に名刺交換に来た、大手メー カーの方は「でもどうしても電話をやりたいのです」とおっしゃるので、「では、お金のかからないIP電話の実現方法を教えましょう。 私のオフィスに来て ください。 デモをお見せします。」 ということになり、来社してもらうことになりました。 メーカーの提案する高いだけのIPテレフォニーしか知らない 人なので、たぶんビックリするでしょう。

 ちなみに、私の前のセッションはパネルディスカッションでした。 そのセッションの終了10分くらい前に会場に入ったのですが、セッションの結論はユニ ファイド・コミュニケーションを使って、クールなコミュニケーションを実現すべき、ということだと分かりました。  なので、私は講演の冒頭で、「ユニ ファイド・コミュニケーションでこれ以上ネットワークの世界を寒くするのは止めましょう。 クールなんて、とんでもないことです。  ホットで楽しいコン バインド・コミュニケーションをやりましょう」と言いました。  私の講演を聴いたユーザー企業の方が名刺交換に列をなし、冒頭のような感想を持ったこと を見れば、CCとUCのどちらがユーザーに共感されるかは明白です。



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