間違いだらけのネットワーク作り(530)2008/03/29
「NGNの料金で明確になった電話の地位低下」

 京都研究会まであと1週間となりました。  現時点で34名参加予定です。  出席者の傾向は例年と同じで関西以外の人が多く、19人です。  東京が 多いですが、広島、名古屋、山梨から来る方もいます。  皆さんに会うのを楽しみにしています。

 第9回京都研究会「商用 NGNを解剖する+非NGNな話」4月5日京都リサーチパーク

 月曜日にITproに掲載されたコラム、「メー ルが電話より 3倍エライ理由−IP電話の採算を見直そう」は予想通り、インパクトがあったようです。 いまだにIP電話やユニファイド・コミュニケーションの 販売に力を入れているベンダーにとっては耳の痛い話だったでしょう。   
 
    

 金曜日に日経コンピュータ4月1日号が届きました。 特集 2「新人時代はこれを読め!」 に情報化研究会のコアメンバーである有賀さんと、私が出ています。  有賀さんは本当にたくさん本を読む人なの ですね。 私が1年間に読んだ書籍の数は確定申告で分かります。 書籍を買ったレシートをとってあるからです。 数年前と比べるとずいぶん減って、30冊 程度です。 つまり、月3冊も読んでいないのです。  

 取材に来てくれた記者には新人に一番推薦する本として、自著の「ネッ トワークエンジニアの心得帳」をあげました。  自分で書いた本があるのに、それを推薦できないようでは書かない方がましだからです。 本当は4 月17日に発行される「間 違いだらけのネットワーク作り」にしたかったのですが、まだ表紙が出来てないので無理でした。 実は写真の噴出しにある「変化に対応ではなく、自 ら変化を起こす心意気を持て」というのは、この本のまえがきの内容です。



 まえがきの表題は「あなたは『何人』ですか−まえがきに代えて」です。  書き出しの部分を引用しましょう。
「野球の世界に生きる人のことを『野球人』といい、企業の経営者は『企業人』、三浦知良は自らのことを『サッカー人』と呼ぶ。 自分が誇りを持っている仕 事、大切にしているもの、好きで好きでしょうがないもの、それを冠して『○○人』と称するようだ。 だとすると、この本を手にしてくれたあなたは何人だろ う? あるいは何人を目指しているのだろう?」

 さて、今この文章を読んでくれているあなたは「何人ですか?」と聞かれて、答えられるでしょうか?  答えられる人にとっても、答えられ ない人にとっても、この本のまえがきや本文は面白いので、ぜひお読みください。 すでにAmazonで予約販売が始まっています。

「NGNの料金で明確になった電話の地位低下」

 3月28日午後6時にNTT東西はNGNの商用サービス開始 と、サービス内容・料金の詳細を発表しました。  商用サービスのニュース・リリースやセレモニーがどの程度盛大に行われるか、注目していまし た。  それによって、NTTの自信や力の入れ方が分かるからです。  午後6時の発表というのはどうなのでしょうか。  31日9時からサービスの受付 と提供を始めるとのこと。  あとはセレモニーがあるのか、テレビ等でどの程度大きく取り上げられるのか、ですね。

 発表内容は細かくなったものの、新味はありません。  面白いものではないので、まだよく読んでいません。  ただ、「ADSLを使っている家庭が NGNに乗り換える気になるだろうか?」という興味があるので、簡単に料金を調べました。 細かな割引制度など気にしてないので、いい加減なところもある かも知れませんが、こんな感じです。

フレッツモアV(47M)を使っている家庭の月額基本料金

加入電話(プッシュ) 1600円  屋内配線使用料 80円
フレッツモアV  2520円    ADSLモデム使用料 540円
合計 4720円

フレッツ光ネクスト・ファミリータイプ(戸建)の月額料金

フレッツ光ネクスト 4100円  回線終端装置使用料  900円
屋内配線使用料   200円  ひかり電話基本プラン 500円
合計 5700円

それぞれ、これに加えてインターネット接続サービスの料金が必要です。  

 こう比較してみて、改めて「インターネットの方が電話より価値が高くなったのだなあ」と思いました。 トラフィックから見ると「メールが電話より3倍エ ライ理由」が分かるのですが、料金を見るとインターネットに対して電話の地位が低下しているのが分かります。

 NGNでなくてフレッツにおいても電話に必要な基本料の方がインターネットアクセス回線(+ISP料金)よりはるかに安い。  それがNGNになると電 話の基本料は全体の1割にも満たないのです。 NGNは電話のためのサービスではなく、インターネットを使うためのサービスだと料金に表れています。   たしかに、将来はNGNでしか使えない魅力的なサービスがたくさん出現して、NGNはそれらを使うためのサービスになるかも知れません。 しかし、現時点 でNGN独自のサービスなどなきに等しく、ユーザは電話よりメールを使い、Webでショッピングを楽しみ、YouTubeやニコニコ動画を楽しんでいるの です。 NGNになったからと言って、メールが使われなくなり、電話のトラフィックが増えることはないでしょう。 

 とすれば、NGNならではの魅力的なサービスが出てこない限り、ADSLユーザが月約1000円余分に払ってNGNに移行することはないだろう、という 当たり前の結論が出てきます。 それにしても、インターネット接続というのはNGNにとって当面最大の用途なのに、それがベストエフォートしかないのは何 とも納得いかないですね。  インターネットの中はベストエフォートであっても、NGNのアクセス部分はちゃんと帯域保証をして欲しいものです。 イン ターネットの手前のNGN内で混雑して速度が落ちるようなことがあっては困りものです。 

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