間違いだらけのネットワーク作り(526)2008/03/01
「激減する電話の扱い方」

 はや3月になりました。 天候も春めいて暖かくなりましたね。  今日はさっさとこのページを書いて出かけようと思います。 
2月27日にNTT東西がNGNの検討状況を 発表しました。 いろいろ事情はあるのでしょうが、サービス開始1ヶ月前で「検討状況」とはまどろっこしいですね。 このページでやり玉にあげたサービス 名称の一貫性のなさはこの発表でフィックスなのでしょうか。  ともあれ、一部をのぞいて料金案も提示されたので、以前よりはNGNについて語れることが 増えます。  3月18日の講演で詳しく触れたいと思います。

第9回京都研究会「商用 NGNを解剖する+非NGNな話」(4月5日京都リサーチパーク)


「激減する電話の扱い方」

 3月18日明治記念館での講演、 「NGN/ワイヤレス・ブロードバンドで進化する企業ネットワークの新展開」の 1番のメインテーマはレジュメから明らかなように「ワイヤレス・ブロードバンド」をどう企業ネットワークに生かすか、です。 2番目がNGNです。 私は NGNはイノベーションではないと思っています。 現在のフレッツ、ひかり電話、映像配信などのサービスが少し良くなる、つまり、「フレッツ´」(ダッ シュ)、「ひかり電話´」的サービスだからです。  ワイヤレスは今後2、3年で速度がメガ単位から100メガ単位へと2桁速くなり、料金は定額で安くな ります。 2桁の高速化というのはイノベーションですね。 使い方が変わってくると思います。 フェムトセルという面白い仕組みも今年からサービスが始ま ります。  ということで、講演の表題ではNGNを前にしていますが、内容はワイヤレス中心にします。

 さらに脇役なのが、電話なのですが、サブテーマとしてその扱い方を話します。 今日はその部分の予告編を書きましょう。 レジュメはこうなっています。
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(2)電話をどう考えるか?
     最近の典型的、対照的な2つの企業事例を元に、利用が激減した電話を
     どう扱うべきか述べます。
     ・主役ではないことを認識すべし
     ・重視すべきCustomerSatisfaction
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 電話、とりわけビジネスにおける電話の利用は激減しています。 下図は情報通信白書から引用したNTT東西の事業所用電話のトラフィック推移です。   2001年の年間9億6000万時間から、2005年には3億6000万時間に減少しています。 (情報通信白書の統計は2年遅れなので、昨年7月に発表 された19年度版白書は2005年の数値なのです。)

 

 つまり、ビジネス通話は4年間で60%以上減少しているのです。  今は2008年なので、さらに減っているのでしょうね。 この単純な統計から言える ことは「通話料を削減するためにIP電話を導入する」とか、「電話の取次ぎや話中によるムダをなくするためにプレゼンスやユニファイド・コミュニケーショ ンを導入する」、などという目的はふつうの企業では成立しないということです。  何もしなくても4年間で通話料は6割減っているし、電話が使われなけれ ばそれに比例して取次ぎ時間も話中も減っているからです。

 5年前なら通話料削減や取次ぎのムダをなくす、といった目的で高価なIP電話サーバや無線LANを使う内線ケータイに投資しても採算が合ったかも知れま せんが、今はほとんどの企業では成立しないでしょう。  成立するとしたら、例外的に電話の利用が多い企業です。

 では激減した電話を企業ネットワークではどう扱うべきか? というのが講演でのサブテーマです。  2つ+αの事例で説明するつもりです。  一つめの 事例はある大企業の本社です。 ここでは社員全員にケータイを持たせ、名刺にはケータイの番号しか記載していません。  03で始まる固定電話を使わない のです。 電話はケータイしか使わないという割り切りです。 これはこれで、スッキリした扱い方です。  お客様からの電話は個人のケータイにかけてもら う。  IP−PBXの固定電話にかけてもらって、高価な無線LANにつながったデュアルモード携帯に内線で着信させる、などというお金のかかることをす る必要はありません。  社員同士の通話は無料なので、内線はかけ放題です。 外部に電話をかけるときは通話料がかかりますが、電話をかけること自体が激 減しているのですから、気にすることはないでしょう。

 しかし、この事例には欠点があります。  電話は激減しているのですが、今残っている通話は緊急を要する用件、あるいはメールでは済ませない用件です。  つまり「電話の利用は激減したけど、残っているのは大事な電話」なのです。 この大事な電話を「大切に扱う」工夫がこの事例にはないのです。 2番目の 事例は一つ目とは対照的な事例で、大切に扱う工夫をしています。

 プラスαの事例はコールセンタ(最近ではコンタクトセンターと呼ぶことが多いですね。 電話だけがお客様とのインタフェースではないので)です。 電話 は全体としては激減していますが、局所的に増えているのがコールセンタです。 営業ウーマンを使わない外資系保険会社や化粧品会社、あるいはネットバンキ ングに力を入れている銀行では、コールセンタこそが「店舗」であり、大事な接客の場です。 Webを使った取引が増えれば増えるほど、Webだけでは完結 しない問い合わせや相談が増え、コールセンタのトラフィックは増えます。  これをどう扱うかはとても重要なテーマです。

 ということで、サブテーマではあるのですが、「激減する電話をどう扱うべきか」、面白おかしく具体的に話したいと思います。 「IP電話でユニファイ ド・コミュニケーションでもやろうか」と考えている企業の方は、そんな決断をする前に講演を聴いていただけたらと思います。

「NGN/ワイヤレス・ブロードバンドで進化する企業ネットワークの新展開」(3月 18日明治記念館)


 

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