間違いだらけのネットワーク作り(514)2007/12/01
「欧米でデュアル携帯が売れる理由」

 11月26日にITproに掲載された、「あな たに『好きでしょうがない』パワーはありますか?」のアンケート結果は、「ほとんど読んだ」という人は90%なのですが、「参考になった」は 60%強でした。  まったく非技術的な内容なので、半分の人が賛同してくれればいいと思っていました。 自分の仕事が好きでやっている人の割合はそう大 きくはないでしょう。  「好きでしょうがない」人たちの話を読んでも、反発する人が多いと思います。  しかし、「楽しそうだなあ」と共感し、思わずニ コリとした人の方がそれより多いので「参考になった」が6割いたのではないでしょうか? 面白いことに、ここにこんなことを書くと、必ずアンケート結果が 悪い方に動くのです。  アンチな方々も熱心に読んでくれているからでしょうね。  ありがたいことです。

    


「欧米でデュアル携帯が売れる理由」

 火曜日に先月アメリカで開催されたVON(Voice on  the Net:IP電話関連の展示会)に参加した人が来て、いろいろ情報提供してくれました。  4年前は「東京ガス・ショック」という言葉で業界が にぎわっており、VON Japanも盛大に開催されていました。  その後、日本ではIP電話はしぼんでしまい、VON Japanはなくなったと思っ ていたのですが、今週、木金と神田で開催されたようです。 でも、出展社はたったの4社だそうです。  「IP電話はしぼんだ」と書きましたが、「電話が 使われなくなった」のです。  以前にもここに書きましたが、とくにビジネスでの通話は激減しています。  2001年に年間9億6000万時間使われて いたNTT東西の事業所固定電話は3年後の2004年には50%減の4億8000万時間になりました。  今年7月に発表された情報通信白書で2005年 の統計が出ました。 もうずいぶん減少したので底を打ったのではないかと予想していたのですが、2005年は前年比25%減の3億6000万時間でした。   今は2007年なので、もっと減っているのでしょうね。 もう、仕事で電話を使うのはまれで、メールが主役なのです。 ニーズが激減したものの展示会 がしぼむのは当たり前です。

 これも繰り返し、言ったり書いたりしているように、ニーズのないIP電話にお金をかけてはいけないのです。  NGNも同様ですね。  高品質な 音声を売りにしても、電話を使わないのだから意味がない。 高品質にすれば、ビジネス通話が激減モードから激増モードに変わるなら別ですが、そんなことあ りえないでしょう。 電話を使わず、メールで情報伝達したり、Webで情報共有することで生産性が上がっているのですから、それが逆戻りすることは考えら れません。

 さて、肝心のVON USの話です。 いろいろな話を聞きましたが、一番面白かったのは「欧米ではケータイと無線LANの両方が使えるデュアル モード携帯が売れている」というのです。 日本ではちっとも普及しないのに、欧米で売れ行きがいいのはなぜか?  ちょっと考えてください。

 日本のデュアル端末が売れないのは無線LANを通話に使わせるからです。  通話自体のニーズがなくなっている上に、無線LANでは音質が悪い。    欧米のデュアル端末では無線LANを通話になんぞ使わないのです。  内線番号だとか、050に相当する番号がデュアル端末に割り当てられていませ ん。  欧米のデュアル端末の無線LANは「ネットからのダウンロードを快適なスピードでする」ためです。 日本でもケータイはもはや通話の道具ではな く、1日3分しか通話に使っていません。  ネットに接続している時間は1日1時間を超えるというユーザがたくさんいます。 

 ユーザはデュアル端末で無線LANを使った通話が出来てもうれしくも何ともないのです。 無線LANでパケット料を払わずにダウンロードがどんど ん出来た方がうれしいのです。 だから、欧米の「ケータイ端末メーカー」が通話に使わない無線LANを端末に載せたのです。  ケータイ通信事業者が端末 を牛耳っている日本では出来ないことですが、端末メーカーがユーザの求めるものを自由に作れる欧米では可能です。

 ちなみに、無線LANでどうしても通話したいなら、Skypeか、端末メーカーが提供するソフトフォンを使うそうです。 いずれの場合も、090 のような携帯電話番号は使いません。

 ユーザ・ニーズに合ったサービスや端末を提供していく、という当たり前のことが、日本ではなぜ出来ないのでしょうね。  


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