間違いだらけのネットワーク作り(502)2007/09/08
記事評「フレッツ大研究」

 NGNはまったく盛り上がってないのですが、なぜかNGNがらみの講演依頼だけは増えてきて10月は3つの講演をこなすことになりました。  NGNをGoogleと私がNET&COMなどでNGNをテーマに講演しているのが引っかかって声をかけてくれるのです。  NGNについて詳細な情報が NTTからリリースされている訳ではないので、NTTのNGNがどうなるか具体的な話は出来ません。 出来るのは、「ユーザーの立場で考えるとNGNはこ うなって欲しい」、ということと、「NGNなんぞにとらわれずに、もっと楽しいことを考えましょう」ということです。

 来週末には10月25日午後に予定されている講演の詳細を公開できると思いますが、そこでは「NGNなんぞにとらわれずに」を強調します。 今す ぐ出来る楽しいことを話したいと思っています。 StartForceもその一つですが、もうひとつ目玉を提示します。

 10月25日には「情 報化研究 会 HP「間違いだらけのネットワーク作り」連載500回突破記念・講演会&パーティ」をしますが、これと午後の講演とは別です。 午後の講演は3時 から5時までの2時間です。 講演会&パーティでは後半に情報化研究会の若手に5分間のスピーチをして貰うのですが、スピーカーが二人決まりました。  NTTコミュニケーションズとNTT西日本の人です。 もう一人、ユーザー企業の方にお願いしたいのですが、これはまだ決まっていません。 第一線で活躍 している若手が、NGNや将来のネットワークについてどう考えているのか、元気のいい面白い話が聴けるものと楽しみにしています。 
             

記事評「フレッツ大研究」(日経コミュニケーション 2007.9.1)

 
この記事は2号連続というめずらしい企画なのですが、今回コメントするのは後編の「解剖編」です。 確かにフレッツはよく使われているのです が、内部の仕組みが明かされたことはないので興味を引かれる記事です。 @NTT東とNTT西日本のフレッツ網はどこがどう違うのか、ANGNの登場で現 行のフレッツ網はどう変わっていくのか、BFTTHの接続端末台数の制限はいつまで続くのか、C電話網に比べて障害が多いのはなぜか、をテーマにしていま す。 着眼点はいいのですが、もっと突っ込んで詳しく書いて欲しかったというのが第一の感想です。 知っていても書けないことがたくさんあるのでしょう ね。  書いてくれなかったことに苦情を呈する気はさらさらなく、思う存分書けなかった記者に同情します。

 NGNの登場でフレッツがどうなるかが、私に限らず企業ユーザーの気になるところです。 NTT東西のフレッツ網はまったく構成が異なりますが、西日本 のフレッツ・光プレミアムの内部構成図を見て思うのは、よく出来たネットワークだなあということです。 これからもインターネットではニコ動のようなコン シューマー向けの映像サービスがどんどん増えるでしょう。 そうなるとISP接続用のトンネルをユーザ拠点のCTUとISP接続用装置の間で終端させ、収 容局装置に負荷をかけない光プレミアムの方式は理にかなっています。

 日経コミュニケーションが推定して書いた持ち株会社が描くNGNの図ではエッジノードが収容局装置や光電話用装置を統合する形態になっています。 非現 実的ですね。 「ひかり電話用収容局装置」はSIPサーバです。 ビジネス用と家庭用が分かれているのは企業向けは付加的な機能が必要なためです。 昨秋 のIP電話の大トラブルは基本的にはSIPサーバの過負荷が引き金になったと公表されています。 負荷の集中を助長するようなエッジノードへの機能集中が 優れた方式とは思えません。

 NGNでフレッツがどうなるのか、NTTが考えていることは分かりませんが、私ならNTT西日本のフレッツ・光プレミアムはそのままNGNのアクセス網 に使います。 NGNがやろうとしていることはすべて出来ているし、負荷を軽減する仕組みも優れているからです。 固定電話のトラフィックがどんどん減少 しNTT東西が苦戦している状況で、使えるネットワークをわざわざ捨てて新しいネットワークに作り変える必要はないでしょう。 しかも、2010年に光 3000万加入を実現するため、NGNを待たずに東西はBフレッツや光プレミアムを売りまくっているのです。 売ればその設備は増えるのです。 増えた設 備がNGNで無駄にならないように考えるべきです。

 いずれにしても、NGNの商用サービスが半年後にせまっている現在、日経コミュニケーションが推定でしかNGNの網について書けない状況が問題だと思い ます。 いいサービスを安価に提供するには設備投資を出来る限り抑える必要があります。 安価で品質の優れたNGNを実現するために、フレッツをNGNで どう活かすのか、殺すのか、ユーザーは移行をどう考えればいいのか、NTTにはどんどん情報提供をして欲しいものです。

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