間違いだらけのネットワーク作り(501)2007/09/01
「NGNの10Gネック」

 今週は朝夕が涼しくなって、一気に秋が近づいた感じでした。 8月27日(月)にIITproに掲載された「戦艦大和とプロ ジェクト管理」はアクセス・ランキングはさほど良くなかったのですが、フィードバックはハイスコアでした。 共感度が高かった、ということでしょ うか。  このコラムでとりあげた呉は、江田島にあったNTTの保養所に行くときに経由したことはあるのですが目的地として訪れたのは初めてでした。   ちなみに江田島の保養所は数年前に閉鎖されました。  丸く、弧を描くプライベートビーチがあり、バンガローやホテル形式の宿泊施設があるいい施設だった のですが、残念なことです。 

  「情報化研究 会 HP「間違いだらけのネットワーク作り」連載500回突破記念・講演会&パーティ」で話していただく、CSKホールディングス・有賀さんと、情報 通信研究機構(NICT)の稲田さんの講演テーマが決まりました。 HPにお二人から送られた講演概要を書いていますので、ご覧ください。  どちらもき ちんとした内容なので、私の「ネットワーク・エンジニアの元気の素」というテーマが浮いた感じです。 しかし、浮いていてバリエーションが出た方が面白い と思うので変えません。 後半で5分間スピーチをしてもらう若手も1名決まりました。 こちらから、この人ならという人に依頼したのです。  情報化研究 会の「若手」で是非、話したいという方がいたらメールでテーマを連絡してください。  あと2名、お願いするつもりです。

 
             


 
「NGNの10Gネック」

  NGNは相変わらず盛り上がりませんね。 困ったものです。 NGNより、ドコモやソフトバンクモバイルが計画しているフェムトセルの方がずっとワクワク します。  特にソフトバンクのフェムトセルは色んな使い方が考えられて楽しいですね。  ドコモのは光ファイバーを固定網のそれとは別に引かなきゃいけ ないという非現実的なものですし、サービスとしての付加価値もつけにくいので感心しません。 今日はフェムトセルの話ではなく、NGNですけど。

 さて、「NGNの10Gネック」の意味です。  私はNGNのサービスとしてイーサ通信機能(次世代広域イーサ)の10Gサービスに注目しています。   価格によりますが、割安感のある料金で提供されれば、いろいろ面白い使い方が出来ると思っています。  しかし、NGNのバックボーンで使われるスイッ チは10Gイーサが最大速度なので、10Gのユーザーに帯域保証しようとするとバックボーンは複数の10Gをたばねて太くするしかありません。  スイッ チから出た光をWDM(波長多重化装置)で束ねたりするのでしょう。  設備コストがえらく高いものになるでしょうね。  それを考えると割安な10G サービスというのは望みうすかも知れません。

 スイッチだけでなく、コアルータもポートの最大速度は10Gです。 NGNのバックボーンで使われるコアのスイッチやルータの最大速度が10G、という のはネックな気がします。 アクセスに10Gを提供するなら、バックボーンは2桁くらい速いリンクがあっていいと思います。 そのような装置がない中で NGNを構築するのは、NGNが先走っているか、あるいは装置が追いついてないか、どちらかで、いずれにしてもバランスが悪いと思います。

 一方で、キャリアの人の中にも10Gもの回線を必要とする企業があるのか、という人もいます。 企業ユーザー全体で見てもバックボーンは10Gいらない んじゃないか、という見方もあるようです。 トラフィックがどんどん伸びているのはあいかわらずインターネットだそうで、10Gイーサ通信サービスのお得 意様は企業ではなく、ISPということになるかも知れません。

 10Gより高速なイーサネットの標準化はIEEE 802.3 HSSG(Higher Speed Study Group、高速化イーサネット検討会)で進められており、2009年11月に完了するようです。 速度は100Gと決定しています。 方式はWDMや複 数の光ファイバーを使う近距離向けのパラレル方式と、変調方式の高度化で高速化をはかるシリアル方式が検討されています。 

 それにしても次世代イーサでさえ、10Gの10倍の容量でしかないのですね。

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