間違いだらけのネットワーク作り(499)2007/08/18
「Skypeの大トラブル」

 この間違いだらけのコラムも、次回でちょうど500回となります。 97年9月から書き始め、10年たったことになります。  この10年はネットワークの進化が激しく、大変面白い時代でした。 連載500回突破を記念して、これからのネットワークの10年に思いをはせ、ネットワーク業界を盛り上げるため、情報化研究会創立時からのメンバーであるCSKの有賀さん、情報通信研究機構の稲田さんに講演をお願いして、「情報化研究会HP「間違いだらけのネットワーク作り」連載500回突破記念・講演会&パーティ」を開催することにしました。 元気の出る話を聴き、楽しく語らい、ネットワークの世界を盛り上げましょう。
 
「Skypeの大トラブル」

 Skypeはふだんまったく使っていません。 2年余り前に興味を持って、研究会の人たちと実験的に使ったことがあるのですが、Skypeを使う相手が増えないので自然に使わなくなりました。 しかし、Skypeはパソコンに入ったままなので、朝、PCを立ち上げるとSkypeがすぐオンラインになり、それを「終了」させる、という無駄なことを毎日やっています。
 ところが、17日金曜日の朝はSkypeがオンラインにならないので、てっきりネットワークの障害かと思いました。 しかし、Skype以外は正常に使えるのでSkypeの障害だと分かりました。 SkypeのHPを見てみると障害情報が出ていました。 サインオンが出来ないというトラブルが8月16日から発生していたのです。
 主な書き込みをピックアップしました。
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UPDATED 17 August, 2007 05:30 GMT
Skype is currently working on resolving the sign-on issue. We’re fixing our networking software and monitoring the clients getting online with increased success.
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Where we are at 1100 GMT
By  Villu Arak on August 17, 2007.

Hello all,
As Europe has woken up to a new day and Asia is entering the evening hours, here’s the latest on the sign-on problem. We’re on the road to recovery. Skype is stabilizing, but this process may continue throughout the day.

An encouraging number of users can now use Skype once again. We know we’re not out of the woods yet, but we are in better shape now than we were yesterday.
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Update at midnight GMT
By  Villu Arak on August 18, 2007.(Posted at 00.02 AM GMT)
We are pleased to announce that the situation continues to improve. The sign-on problems have been resolved. Skype presence and chat may still take a few more hours to be fully operational. We know what our faithful users have been going through and we thank you for your patience and kind support.

If you are one of the minority who may still be experiencing problems, please be patient. You do not need to adjust or restart your computer. Skype will start working for you very soon.
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 Skypeを開くと右下に「オンラインのユーザー数」が表示されます。 最近では700万とか、800万になっていたと思います。 ダウンロード数が数億といっても、実際に利用しているユーザー数はさほどでもないということです。 17日金曜日の夜にSkypeを試してみると数分でオンラインにはなりましたが、オンラインのユーザー数は200万台でした。 この時点ではオンラインになるユーザーはまだ一部だったのでしょうね。 18日朝にはオンラインになるのが速くなっていました。 ユーザー数は400万人台。 GMT18日0時、つまり、日本の18日午前8時に書かれたコメントはあながちウソではないようです。

 それにしても、16日に発生したトラブルの対処に24時間を超える時間がかかっているのは困りものですね。 タダなので、誰にも文句を言う権利はありませんが。 P2Pに対して持つ先入観はサーバに頼ってないので、ネットワークの一部に障害があっても全体にはさほど大きな影響が出ないのではないか、というイメージです。 しかし、今回のトラブルでP2Pにもネットワーク全体に大きな影響のある障害が発生し、その収束には長時間がかかる、ということが分かりました。

 興味があるのはSkypeがこのトラブルの原因や再発防止策をどこまで公開するかです。 Skypeユーザの名前解決やセッション制御をするスーパーノードを勝手に選んで、自己増殖するSkypeの仕組みは秘密のベールに包まれています。 しかし、今回のような大トラブルが再発しないという確信をユーザーに与えないと、Skypeの行き詰まり状態はさらにひどくなるでしょう。

 私の想像はSkypeのScalabilityが限界に来ているのではないか、ということです。 スーパーノードをユーザーの中から一定割合選択し、オンライン・ユーザーのセッション接続要求等の処理をするというモデルにも限界はあるはずです。 スーパーノードの比率は一定でも、絶対数がどんどん増えればスーパーノードが持ち合う情報も増えるでしょうし、処理負荷も増えるでしょう。  その限界はどこにあるのか公開されていませんが、今回のトラブルの原因と再発防止策、スケーラビリティに対する疑問の払拭ということをしないとSkypeは信用されないでしょう。

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