間違いだらけのネットワーク作り(495)2007/07/21
「NGNの話題」

 ひいきの作家、出久根達郎さんと車谷長吉さんの新刊をこの2週間であいついで買ったのですが、ハズレでした。  特に、車谷さんの「灘の男」は最悪で、読むに耐えず50ページも読まないうちに投げ出しました。 この人はドロドロした私小説が真骨頂で、そこに描かれる人間はたいてい醜いのですが読む者を引き込む力があります。 しかし、「灘の男」は聞き書きがベースの小説なのですが、描かれる人物は風にころがる丸められた紙くずのようで、これが小説に書く価値のある人間なのか、という感じです。 5月に出たばかりなのにAmazonのランキングも12万位程度です。

 出久根さんのエッセイは裏切られた経験がないのですが、今回買った「作家の値段」はつまらない本でした。 司馬遼太郎から始まって、三島由紀夫、永井荷風、漱石など24人の作家の古本の値段にまつわるうんちくを書いたものです。 出久根さんのエッセイはありきたりな日常生活の中から題材をとって、はっとさせたり、ほっとさせる感じ方や考え方を軽妙な文章で書くところがいいのです。 しかし、「作家の値段」はだたの事実を書き並べた部分が多く、しかも大場さんという古書の値段に詳しい人物が頻繁に登場して、その人の言ったことをそのまま引用しているところが多いのです。 やはり、5月末に出たばかりなのにAmazonのランキングは8万位くらいです。

 ここのところ、面白い本に出会えてないのが残念です。 こっちの感度が悪くなっているのかも知れませんね。 
 

「NGNの話題」

 HPの「NGN討論板」は私自身、書き込みをすることがなく盛り上がっていません。  私はコンバインド・コミュニケーションやStartForceを面白がって、NGNの方を向いてないのです。 しかし、今週めずらしく2つの書き込みがあったので、これをネタに使わせてもらいます。

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お名前: Kon   
NTTが加入者電話網やパケット網、ATM網、イーサ網の後継商品としてNGNを捕らえているのであれば、根本から間違っているとしか言えません。以前は、電話機やFAXやISDN端末(20年前にMacを小さくしたような変な端末があったと思います)それ自体がユーザの生活を向上させる商品として成り立っていました。だから、NTTはユーザからお金を徴収する権利がありました。しかし、NGN自体がユーザの生活を向上させるかといったら・・・・?。私自身は、NGNという言葉が商品名のように先行するのではなく、あくまで「バックボーンが光で、IPを使い、それを支えているのがNTTなんです」くらいの気持ちで進んで行った方がNTTの器を感じますが。

[2007年7月18日 16時42分6秒]

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お名前: 某   
>NTTが加入者電話網やパケット網、ATM網、イーサ網の後継商品としてNGNを捕らえて

NGNは、まさに既存網の後継として企画・開発されてますよ。

>以前は、電話機やFAXやISDN端末(20年前にMacを小さくしたような変な端末があったと思います)

そのとおりですね。
結局、エンドユーザにとっては昔から通信網がサービスを買えたのではなく
端末機器や端末がもっているアプリケーションソフトウェアが生活を変えてきたのです。
NGNだからといって何もかわらないのは道理です。

>私自身は、NGNという言葉が商品名のように先行するのではなく、

通信網としては、NGNという言葉が商品名になるのは問題ではないと思います。
ATMにおけるCRAD、N-ISDNにおけるマルチメディア端末のような提案が
NGNにおいては見られないということが話題性に欠けるポイントですね。

インターネットや既存網で既に類似のサービスが提案されてしまっているものがあるため
焼き直しにしかみえない、という所ではないでしょうか。

[2007年7月19日 10時31分50秒]

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*まず思ったのはお二人ともかなりベテランだということ。 20年前のISDN端末のこととか、ATMのCRAD(ただしくはCLADです:cell assembly and disassembly)なんてなつかしすぎです。 Konさんの端末に視点をおいたNGNの見方はいいですね。 たしかに、ネットワーク単体では何の役にもたたず、端末があってはじめて使えるものになります。 1890年に登場した電話機、40年ほど前に登場したFAXはたしかに、端末自体が生活や仕事を便利にする商品でした。 

*某さんのコメントもKonさんと基本的には同じ意見で、NGNが新たな価値を生むにはNGNならではの機能を生かした端末やアプリケーションが登場しなければだめだ、ということだと思います。 そのとおりですね。 インターネットで楽しいもの、便利なものが次々と生まれ、それはケータイ、PCを端末として使っています。  これからもバリエーションは増えても、端末はケータイとPCが主体でしょう。 NGNならではの特別な端末も出てくるでしょうが、それがケータイやPC以上に普及するとは思えません。 

*今週、業界事情に詳しい研究会仲間と、通信事業者の人と3人で会話する機会がありました。 研究会仲間が、以前SMAPの草薙君がコマーシャルをしていたフレッツを使ったテレビ電話端末はとてもいいスペックだったが、価格が高く普及しなかった。 ケータイの販売奨励金みたいな工夫で安く提供すれば売れただろうに、という話をしていました。 そういうものかも知れませんね。 NGNならではの端末も、高価で持っているユーザーが少なければ通信相手がいないので宝の持ち腐れになります。 

*NGNが使われるためには、ケータイ/PCというインターネットと同じ端末を使うが、NGNでしか出来ない、あるいはNGNを使った方が快適/便利なサービスを開発するか、NGNでしか使えない魅力ある端末を開発するか、2つの方向がありそうです。 ここに繰り返し書いたようにNGNならではの端末を作るときには鎖国的やり方は止めて、世界中で使われるインタフェースにして欲しいものです。  国内の家電メーカーや通信機器メーカーとこそこそ開発するのでなく、Appleが喜んでNGNのために端末を作ってやろう、と言うようなグローバルにオープンなやり方をすべきです。

*それとNGNの主役はどう考えても、固定通信ではなくケータイだと思います。 インターネット以外の固定通信のトラフィックはどんどん減っており、新たな固定通信として映像配信をするんだと言っても、地デジがタダで見られるのにわざわざ光ファイバーを使って見るとも思えません。 NGNの中核であるIMSもケータイの世界で生まれたものですし。 光ファイバーだけに注力するのでなく、もっと画期的なアイデアがいりますね。
 

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