間違いだらけのネットワーク作り(478)2007/03/24
「インターネットvsNGN@−NGN時代のISPの役割」

 昨日、長男の大学の卒業式(学位記授与式)があり、国立に行ってきました。 私は節目を大切にすると決めているので、息子たちの入学式や卒業式は出来るだけ出席するようにしています。 この大学に来るのは入学式以来4年ぶりです。 今後来ることはひょんなことでもない限りないでしょう。 でも、ひょんなことがあるのが世の中の面白いところなので、あるかも知れません。 いい式でした。 大学通りの桜はまだつぼみでしたが春らしい好天にめぐまれ、明るい日差しが若い人たちを一層輝かせているように見えました。 学長のスピーチがとてもいいものでした。 分かり易く、力強い。 スピーチが終わったとき、思わず拍手していました。 ポイントは2つ。 学びを続けることの大切さと、学んだことを社会への貢献に活かす志の高さを持つこと。 印象に残ったのは幕末の儒学者、佐藤一斎の言葉です。 「少にして学べば、則ち壮にして為すことあり。 壮にして学べば、則ち老いて衰えず。 老いて学べば、則ち死して朽ちず。」 これについてはITproのコラムでちょっと書きたいと思います。 青年(少)だけでなく、壮年である私さえ鼓舞される言葉です。

 「企業ネットワークの設計・構築技法−広域イーサネット/IP電話の高度利用」が増刷されることになりました。 3刷になります。 ベストセラーとは言えませんが、息長く売れているのですね。 購読いただいた方、有難うございます。 私はこの本の後に出した「ネットワークエンジニアの心得帳」の方が好きなのですが、こちらはまだ増刷になっていません。 自分の好みと読者のニーズは違うのですね。 ちなみに今まで一番読んで頂いているのは「フレームリレー/セルリレーによる企業ネットワークの新構築技法」で、4刷まで行っています。

 第8回京都研究会まであと2週間になりました。 今のところ26名から参加申込みが来ています。 26名のうち、実に15名が東京からの参加です。 例年どおりなのですが、京都の魅力が引き付けるのでしょうね。 地元関西の方、これからの申込みをお待ちしています。

  間違いだらけonITproの新しいコラム、「3つで考える習慣」が19日月曜日に掲載されました。 ランキングはいつも通り1位でしたが、フィードバックは予想ほど良くありませんでした。 しかし、9割以上の人がこの長い文章をぜんぶ読んでくれて、70%を超える人が参考になったという評価なので、よしとしましょう。
  

 

「インターネットvsNGN@−NGN時代のISPの役割」
 
 「インターネットvsNGN」は京都研究会でもテーマにしていますが、今、私が一番関心があることです。 ITproのコラムで紹介したように、今年のNET&COMで300人の聴講者の方にインターネットvsNGNの競争でどちらが勝つか挙手してもらったところ、NTTグループの人が50人もいるにもかかわらずNGNに挙手した人はゼロで、ほとんどの人がインターネットに挙手しました。

 ここにも何回か書きましたが、私はインターネットとNGNは初期段階はcompetitionの関係であり、それが収束するとcollaborationの関係になると思います。 ではユーザーにとって両者はどんな関係にあることが理想なのでしょうか? それがこれから勉強して行きたいテーマです。 

 今週、2人の会員の方からこのテーマについてのメールを貰いました。 二人ともNTTグループの社員です。 共通している意見は「ユーザーから見たら、キャリアがISPもやった方が自然」というものです。 言い換えれば、IIJとか、NiftyといったISP専業の会社はいらないという意見です。 

 私の意見はユーザーの選択肢を増やし、キャリアやISPをけん制してユーザーが主導権を保つには、パイプを提供するキャリアとその上でサービスを提供するISPは独立であるべき、というものです。 キャリアはいわゆるトリプルプレイとか、クワドロプレイという言葉が象徴するように、相も変わらず垂直統合モデルでユーザーを縛り、利益を確保しようとしています。 まあ、コンシューマーなら面倒なことはイヤだからと一つのキャリアに身をゆだねて奴隷になるという選択もあるでしょうが、企業ユーザーはそんな安易な選択をしたのでは大きな損失を招きます。 

 固定電話のトラフィックが激減しているのに対し、インターネットのトラフィックはGoogleやYouTubeなどのスタープレーヤーのおかげで増加の一途です。 自由度が高く安価だからこそここまでユーザーに受け入れられているインターネットが、NGN時代になって一層快適に利用できるよう非キャリア系のISPはキャリアに対して働きかけるべきだと思います。

 インターネットとNGNの関係が具体的にどうあるべきかまだ考えはまとまっていませんが、例えて言うならインターネットは高速道路であり、NGNは新幹線のようなものになるべきではないでしょうか。 広い地域をカバーし、どんなクルマ(アプリケーション)でも自由に目的地から目的地へと走れるが、渋滞も起こる高速道路。 ガチガチのダイヤで制御され、自由はないが安全とサービスレベルが保証された新幹線。 NGNが新幹線ほど需要を得られたら大成功ですが、ざっくり言えばこんな関係が落ち着きどころかなと思います。

 ブログ全盛の現在において、昔なつかしい掲示板を復活させます。 「NGN討論板」というNGNテーマ限定の掲示板です。 皆さんの活発な意見交換を期待しています。
 

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