間違いだらけのネットワーク作り(461)2006/11/18
「次世代広域イーサネットとは?」

きのう、我が家にもクリスマス・ツリーが飾られ、廊下のカベにはパッチワークで作ったサンタクロースや小さなツリーがかけられて一気にクリスマス・ムードになりました。 なごんだ、ちょっとうきうきするいい感じです。 小さな子供がいなくても、クリスマスの飾りつけはいいものです。

第27回情報化研究会大会「NGN時代のITプロフェッショナル」まで1ヶ月となりました。 昨日までに申し込まれた方の名簿を会員ページに掲載しますので、確認してください。 申込みは12月15日まで受け付けます。
 

「次世代広域イーサネットとは?」

昨日、来年のネットワーク・ビジネスについて検討するため部外の有識者の方と意見交換しました。 雑談の中で一人の方から出た話題は10月のNTT西日本・IP電話トラブルの記者会見でのNTT西日本社長のコメントです。 

NTT西日本がひかり電話障害で謝罪会見,「人知を超える範囲」と森下社長

さて、NGNでは広域イーサネットの信頼性向上や機能向上が図られるようです。 NGNにそのまま適用されるのかどうかは別にしてNTT技術ジャーナル2006年4月号に次世代広域イーサネットの技術が紹介されています。

現在の広域イーサネットの課題は次ぎの4点です。
@現行のスタックドVLAN方式:IEEE802.1adではユーザーを識別するIDが16ビットのため、サービスVLAN数が最大で4094(サポート可能なユーザー数)しかない
A運用管理プロトコルが独自で、ユーザー網を含めたエンド・ツ・エンドの運用管理が出来ない
Bループ障害に弱い
Cマルチキャストが当該ユーザーの全拠点に流れてしまう。(網はユーザーを識別するVLANタグしか見ておらず、ユーザーが定義したユーザー網内のタグは見えないため特定のユーザー網内VLAN向けに送信されたマルチキャスト・フレームでも、全ユーザー網内VLANに送信されてしまう)

これらの課題を次世代広域イーサネットでは次の手段で解決します。
@プロバイダ基幹ブリッジの仕様としてIEEE802.1ahを06年12月までに標準化。 ユーザーを識別する識別子が24ビットに拡張されるため、1000万以上のユーザーが収容可能。
AIEEE802.1agとして標準化されているイーサネットOAMを網羅的な故障検出が可能となるように拡張した、拡張イーサネットOAMによってサポート。
Bユーザー網ループ検出プロトコルにより、ループ障害を早期に防止
CIEEE802.1ahの拡張マルチキャストプルーニングにより、発信側の収容スイッチで転送経路を計算して中継宛先アドレスを特定のマルチキャストアドレスに決定し、必要な経路にだけ転送することでユーザーが定義したVLAN単位でマルチキャストが可能

このように、次世代広域イーサネットでは信頼性の向上と、映像配信などで用途が拡大すると予想されるマルチキャストの効率的な送信が実現されます。 また、NGNトライアル仕様で示されているように速度が最大10Gであることから、これまでとは違った使い方が出てくると思います。 

ちなみに昨日の話の中で、日本のインターネットのバックボーンにはピークアワーで約200Gb/sのトラフィックが流れていることが話題になりました。 NGNのイーサ通信サービスの10Gというスピードはその5%に相当するわけですから、大した容量ですね。 インターネットのピークアワーは夜10−11時だそうです。 昼間のピークは夜の70%程度。 思ったほど夜と差がないのは、夜のトラフィックはネットがパンクしないように抑制されているからだそうです。

高速で、信頼性が高く、マルチキャストが得意な次世代イーサネットをどんな用途に使っていくか、企業ネットワークの新しいテーマです。
 

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