間違いだらけのネットワーク作り(455)2006/10/07
「自分で書く人、コピる人」

昨日は発達した低気圧のせいで、東京は嵐のような雨でした。 四谷で研究会のコアメンバー数人と会うことになっていたのですが、四谷三丁目の駅から店までの3分ほどの道を歩いただけでずいぶん濡れてしまいました。 そんな憂鬱な思いをして集まったのですが、話はじめると濡れた服も気にならなくなり、4時間ほど会話とワインを楽しみました。 

6月に独立してオフィスを構えた人、軽井沢への移住を計画している人、などがいて面白い話が聞けました。 7月に転勤したばかりの人からは新しい部署(研究部門)での人材育成の苦労話が出ました。 その会話の中から出たのが、「最近の人は考えないよねえ」という言葉です。 今日の記事はちょっと趣きを変えて、これをタネにします。

「自分で書く人、コピる人」

「本当に自分で考える人が少ないですね」と私が切り出したのは、提案書作成のエピソードです。  今週プレゼンが終わった提案書を作る過程で、レビューをした際、以前の提案書で私が書いたスライドがほとんどそのまま入っていたのです。 コピったのは1年目の新人ですが、強くしかりました。 「他人が書いたスライドをそのまま使うなんて、情けないと思わないのか。 自分で考えろ」 

私は未だに重要な案件の提案書は、自分で数枚のスライドを書くことはめずらしくありません。 どうしても勝ちたいコンペでは、「煎じ詰めると、我々が提案書でアピールしたいことは何なのか。 どこにポイントを置いて差別化すればコンペティターに勝てるのか。」を考えるのはプロマネの重要な仕事だと思っているからです。 当然ながら、自分の講演スライドもpptにするのは人に頼んでも、元の手書き原稿はすべて自分で書いています。 

20代に提案書作成をはじめた当初、上司から「何故、うちにある過去の提案書を使わないんだ。 その方が早いし手間もかからないのに。」と言われたことがあります。 「他人の書いた提案書なんて、使えるか。 もっといいものを書いてやる。」と心の中では思ったのですが、口には出さず黙っていました。 そして、過去の提案書の引用など決してしませんでした。

「『営業』は何を売るのか?」にも書きましたが、優れた提案書、あるいは面白い講演、レポートの条件は、「独自の視点やアイデアがあること」、「ストーリーがあること」、「裏付け(事例やデータ)があること」の3点だと私は考えています。 中でも最初の「独自性」が一番大事です。 自分で書かず、コピる人はいつまでたってもオリジナリティなど出せるわけがありません。 ましてや新入社員でこれから育ってもらわなきゃいけない人が、最初からコピって、それでよしとしていたのでは、前途は暗澹たるものです。

最近では大学でレポートを書くにも、インターネットで検索して、適当な文章をコピペして作る人が多いとか。 そんな学生生活を送って来たのだとしたら、私のところに配属されたのは大きな不幸かも知れません。 

もう一つ思うのは同じ新人でも、技術的な勉強を熱心にする人と、のほほんと勉強しない人の両極端があるということです。 入社1年目で、超多忙なプロジェクトに配属したのに、あの難しいネットワーク・スペシャリストを1年目にとってしまう人がいると思えば、まったく資格など眼中にない人もいる。  ITも、ネットワークも、しょせん技術の世界の仕事なのですから基本的な技術知識なしに提案書や設計書が書ける訳がありません。 

世の中には自分で考えない、技術も分からない、ヘラヘラした世渡りのうまさだけで生きているサラリーマンもいますが、新人にはそんなツマラナイ人間になって欲しくないものです。
 

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