間違いだらけのネットワーク作り(448)2006/08/19
「ネットワーク構築とシステム開発」

高田馬場の芳林堂は危険な本屋です。  馬場が通勤経路上の乗り換え駅なので、4月に引っ越して以来本はほとんどここで買うようになりました。  思いつきで立ち寄って本を探すということはほとんどなく、新聞の書評欄や広告欄を読んで気に入った本があると、電話で取り置きを頼んでおいて会社帰りに受け取るのです。 馬場の芳林堂は3階のカウンターで受け取るのですが、ここが危険なのです。 何が危険かというと、取り置きしてもらった本だけでなく予定外の本を買ってしまうからです。 文芸書のコーナーが眼の前にあり、その平台に目立つようにディスプレイされた本をさっとながめると、これは読みたいと思う本が1、2冊は見つかるのです。 

これはどんな本屋でもあることかというとそうではなく、これまでひいきにしていた八重洲ブックセンターや丸の内丸善ではなかったことです。 これらの店ではひいきの作家の新しい本が出てないか、と自分で探して買っていました。 しかし、馬場の芳林堂には読んだことがない書き手(作家と限らない)なのですが、表題を見ただけで読みたいと思わせる本が多いのです。 要は棚の趣味が合っているということです。 おかげで、一冊買うつもりが2冊、3冊となり、本のあふれるペースが速くなるのです。

一昨日も、高校の同級生に奨められたリリー・フランキーさんの「東京タワー」を買いに行って、予定外の日本語についての本を買いました。 この予定外が面白いのです。 「東京タワー」を読んで同級生は泣けたというのですが、私はまだ泣けるところまで読み進んでないようで、一滴の涙も出ていません。 早く泣いてみたいものです。

「ネットワーク構築とシステム開発」

今週火曜日、しばらく会ってなかったISPに勤める人と情報交換とネタ探しのために食事をしました。 たいしたネタはなかったというのが結論です。 いいネタがあるけど、口に出さなかっただけかも知れません。 とはいうものの、「ネットワークだけでは苦しくて、アプリをやっていかないと」と言ったのはかなり本音でしょう。

ここ数年、ネットワーク・ビジネスに行き詰まった通信事業者はいつの間にか、システム・インテグレーターの看板をかかげ、どこまで自分でやっているかは別にして、システム開発に力を入れています。 しかし、ネットワークの仕事とシステム開発の仕事の180度近い隔たりを理解しているのかな、と疑問に思います。

簡単にその隔たりを言えば、ネットワークは論理的に割り切って仕様を決められるが、システム開発では要件定義という仕様のフィックスがあいまいで0か1かといったデジタルな割り切りが出来ないため、仕様が揺れ動くということです。 基本設計で仕様を決めユーザーの了承を得ていても、出来上がって動かしてみると、「こんな画面では使えない」とか、「こんな項目も出力して欲しい」とか、仕様変更の可能性が山ほどあるということです。 ユーザー個々の仕事の仕方に対する考え方の違い、必要と思う情報、デザインや使い勝手の好み、これらは論理だけで割り切れないものです。

ネットワークはつながって必要な通信が出来ればいいのであって、ユーザーの価値観や好みで仕様がぶれることはありません。 私はこれまで、96年に出始めのVoFR(Voice over Framerelay)とG.729を使って銀行のデータ・音声統合網を作ったり、広域イーサで全国規模のルータレス・ネットワークを構築したり、東京ガスさんのIP電話をやったりと、新しいことをどんどんやって来ました。 また、数千箇所という大規模なネットワークも構築しました。 しかし、どのプロジェクトも赤字にしたことがありません。 プロジェクト管理の腕を自慢するのではなく、ネットワークでは仕様のブレがほとんどないのでリスクが少ない、ということを言いたいのです。

システム開発の失敗事例では1割、2割の赤字ではなく、請け負った会社の経営を傾けるくらいの損失が出ます。 ネットワークと比較するとリスクがけた違いに大きいのです。

かく言う私もシステム開発について大きな口はきけません。 プログラムを作ったり、アプリケーションを設計する仕事は社会人になりたての頃、2年ほど経験しただけだからです。 そこで、ずっとネットワークの仕事をしてきて、いきなりシステム開発に回されてしまった人(通信事業者には多いはずです)のために、勉強になるブログを紹介します。

BLOG of WATASE
 

このブログは上場企業の情報システム部長を永く勤められた渡瀬さんのブログです。 情報技術部門の技術士でもあります。 渡瀬さんはもともと私のお客様だったのですが、この6月末で退職されました。 システム開発の達人であるだけでなく、色々とアイデアをお持ちの方なので、お話をうかがうと面白く勉強になりました。 今は毎週土曜日に更新されるこのブログを読ませてもらっています。

第1回にある、システム開発とクルマ作りやビル建設との違い、面白いです。  システム開発は闇夜で鉄砲を撃つようもの、という第二回の例えはちょっと極端かも知れませんが、それに近いものがあるということでしょう。 システム開発を初めて経験する人は、自分の体験で学ぶことも大切ですが、大先輩の経験談と意見からそのイメージをつかんでおくと、余分な失敗を回避したり、勉強のポイントを知るのに役立つと思います。 長文で読み応えのあるブログです。 これを読んでおくと、システム開発経験のない部長や課長に意見できることは間違いありません。
 

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