間違いだらけのネットワーク作り(420)2006/02/04
「NET&COM講演要旨(1)」 

昨日のNET&COMの講演は演壇の横に補助席が用意されるという満席状態で、たくさんの方に聴いていただき話しがいもあり、楽しくもありました。 正直なところインフルエンザの後、なかなか体調が完全に戻らず、100分間話せるのかなと心配していました。 念のため、すわったまま話せるようイスも用意してもらっていました。 しかし、多くの人を目の前にすると元気が出るもので、結局ほとんどスクリーン近くに立ちっぱなしで、10分超過の110分話しました。  途中、1回休憩を入れようかとも思っていたのですが、110分間、突っ走りました。 無事講演できるかどうか、というのが少々プレッシャーだったので、講演が終わると一気に体調が戻った気がしました。 今年で連続7年目の講演だったのですが、これも毎年多くの方が来てくれるおかげです。 来年はさらに面白いテーマで話せるよう、実務と勉強に励みたいと思います。

講演終了後、研究会仲間の5人が私の会社に立ち寄ってくれ、あれこれと3時間近く話しました。 自分自身で経験できる現場はごく限られますが、研究会仲間の話を聞くと現場の生情報がふんだんに頭に入って、「こんなことが起こり始めているのか」と気づかされることがたくさんありました。 ありがたいことです。

日経コミュニケーションの記者が講演の概要をITPROに書いてくれました。日経NETWORK監修の講演なのに、なぜ日経コミュニケーションの記者が書いたのかは謎です。 記事は70点でしょうか。 私の話した言葉を別の言葉に変換しているところがあり、「ここまでエラそうには言ってない」というところがあります。 例えば「国民の共有財産」なんて言葉話してないです。 「  」に囲まれている言葉が生の私の言葉だと誤解しないでください。

【NET&COM2006速報】企業ユーザーの選択肢を減らすな---NTTデータの松田氏が講演

それと日経コミュニケーションの言う、モバイルセントレックスと、私が言っている「自営FMC」は違います。 違いを表すために言葉を変えているのに、そこを理解して貰えてない。 従来のモバイルセントレックスなんぞ、お客様に奨める気は毛頭ありません。

その辺の説明も含め、今週と来週の2回、NET&COM講演の要旨を書きます。
 

ちょっと前置きが長くなりますが、昨年12月に「テレコミュニケーション」誌が取材に来ました。 それがインタビュー記事として掲載されたので紹介します。 タイトルはセンセーショナルですが、内容はふつうだと思います。 

キーパーソンに聞く(テレコミュニケーション2月号)
 

「NET&COM講演要旨(1)」 

○申し上げたいこと

講演全体のポイントはこのスライドのとおりです。


 

○日本は恵まれたブロードバンド大国になれる

日米のブロードバンド環境を比較すると、稠密な人口分布と電話局分布である日本は、電話局から3キロ以内で70%、5キロ以内で95%のユーザーをカバー出来、光ファイバーを引き易い環境にあります。 アメリカは3キロでたったの15%、5キロでも50%にすぎません。 NGNでNTTに一番期待されるのはどのオフィスにも、家庭にも光が来ている、という環境を作ることだということは、この日米の対比を見れば明らかです。 光がどこにでも来ている環境では、光と端末を屋内で接続する近距離、無料、高速なワイヤレスが重要です。 そうすると企業ネットワークのトラヒックの90%は定額料金の光ネットワークと無料のワイヤレスで済ませられるでしょう。

アメリカでは光ファイバーをどこにでも引く、ということが困難なのでWiMAXがもてはやされるのです。 しかし、半径10キロがカバーでき、最大75Mのスピードが出るWiMAXも半径10キロ以内で1ユーザしか使ってなければ75Mで使えますが、ユーザが増えればどんどん1ユーザあたりの帯域幅は少なくなります。 人口密度の低いアメリカだから広域でも使えるのです。 アメリカでもてはやされているから、日本でも、なんて単純に考えてはダメということです。 丸の内をWiMAXのアンテナ1本でカバーできても、無意味です。 ユーザの密度が高すぎるからです。 すべてのオフィスに光を引くことが安くて速いサービスを可能にします。


 

○従来のモバイルセントレックスと自営FMCの違いはOneNumberと安価な自営IPセントレックス

たとえば900iLを使ったモバイルセントレックスは私の定義ではFMCではありません。 FMCとは端末がどこにあっても、同じ電話番号で着信が受けられ、どこから発信しても同じ番号が相手に通知されるものです。  900iLのように外出先では090番号、社内の無線LAN環境では固定電話番号というのはFMCではありません。 ユーザにとってFMCの目的は高いケータイ網経由の発信を極少化することと、OneNumber等で利便性を高めることです。 「自営」FMCとは、通信業者のお世話にならずに自社でFMCを実現することです。 それは技術的に難しいことではありません。 驚くほど高価なIP−PBXなぞ必要ありません。 手ごろなSIPサーバで実現できるものです。 これからNGNに向けて、キャリア各社が多様で便利なサービスを提供するでしょう。 FMCを1つのキャリアに依存したら、各社のサービスのいいとこ取りは出来ません。 1キャリア丸抱え、1ベンダー丸抱えというのは「選択」や「主張」が出来ない主体性のないユーザです。 これまでも、これからもネットワークの世界はユーザが主役なのですが、主役であるためには「選択」と「主張」が出来なければなりません。 私の仕事は選択や主張、そして組み合わせのお手伝いをすることです。 自営FMCの具体的な実現方法は次週紹介します。
 


 

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