間違いだらけのネットワーク作り(407)2005/11/05
「オフィスの生産性と電話」

文化の日の午後、嫁さんと大学祭に出かけ、管弦楽団の演奏を聴きました。 次男が団員として演奏しているのです。 キャンパスはすごい人の多さで若い人の熱気に圧倒されましたが、演奏のある教室は親やおじいちゃん、おばあちゃんもいてホッとしました。 演奏もしっかりしていましたが、受け付けの人たちの対応も、司会進行も、演奏している人もさわやかで楽しそうにやっており、こちらも気持ち良く楽しめました。

演奏会が終わって、今度は下北沢へ。 ここでは若い社会人のジャズダンスの発表会を見ました。 下北沢も狭い道に若い人があふれており、違和感を感じつつ会場のタウンホールへ行きました。 私の部下が出演していたのですが、なかなか様になっていました。 10数人の人が1時間半で10曲ほど踊りました。 衣装を次々替えながら流れるように進行し、退屈しているヒマがないテンポのいい公演でした。 会社の仕事をしながら、ここまでの完成度にするのは大変だったろうと思いました。

情報化研究会大会「2010年のネットワークを展望する」 (12月17日)は今日までで24名の方が参加予定です。 

「オフィスの生産性と電話」

11月1日午後、新宿で「IP/モバイルセントレックスの導入と運用の実際」というセミナーの講演をしました。 この日は私だけで、2日にNTTドコモの方とNECの方が講演しました。 私の話はこれまでと大きく変わりはしませんが、FMCについて少し詳しく話しました。 キャリアの方から「ユーザにとってFMCのメリットはあるか」という質問をいただいたので、「あまりない」とハッキリ答えました。 FMCの最大の受益者はモバイルのトラフィックを奪える固定通信業者です。 しかし、ユーザにとって同じ電話番号で携帯でも、固定でも着信が出来るというのは見た目上のメリットはありません。 ユーザにとっては携帯網を通じて着信しようが、固定網を通じて着信しようがどうでもいいことです。 発信するときに固定網経由にすると通話料が多少安くなる可能性があること、企業では携帯が内線電話機として使える可能性があること、がしいて挙げればメリットです。

以前、このページにも書きましたが携帯電話1端末あたりの年間通話時間は23時間でここ数年一定です。 1日あたりだと4分弱。 これだけしか使ってないのですから、FMCのインパクト、推して知るべしです。

ドコモの方とNECの方の講演を聴く事は出来ませんでしたが、資料をもらいました。 興味を引いたのはドコモさんが900iLの導入実績を公表していたことです。 「約250社程度が運用、そのうち100社程度が実運用、その他は部分導入およびテスト導入」と明記されています。

話は変わります。 11月1日の午後6時から、丸ビルで日経デジタルコア主催の「フューチャーワーク研究会」がありました。 京都工芸繊維大学の仲助教授が「新ワークスタイル実現に向けた研究開発」というテーマで講演、日本IBMの永野さんが事例紹介をしました。  意外だったのは参加者が30名程度と少なかったこと。 無料だし、関心の高いテーマなのでいっぱいの人かと思ったのですが、自分の関心が高くても世の中の人が関心を持つ訳ではない、ということでしょうか。

仲助教授の話は創造的な仕事の生産性を高めるためにワークデザインという考え方を紹介し、そのポイントとして「相互作用の活性化」、「活動、能力、プロジェクトの可視化」、「発想支援」、「知識の資源化」をあげていました。 欧米の実験的というか、前衛的というか、そんなオフィスの事例をスライドで次々紹介していました。 結局のところの感想は、たしかに創造性を高めるためにワークデザインは効果があるだろうが、数値化(効果を金額で表す)は先ず無理だろうということです。

IBMの方の話はビデオによる紹介もあり、具体性のある内容でした。 さすがにプレゼンが上手ですね。 具体的なだけに質問も集中しました。 印象に残ったこと。 IP電話の「ア」の字も出ないし、モバイルセントレックスの「モ」の字も出なかったこと。 印象に残った一言。 「内線電話はほとんど使っていない。 NotesのSameTimeというチャットを使っている。」

オフィスの生産性は電話を使わないことで向上した、というのがNET&COM2005での私の主張でしたが、それと符合しますね。 Skypeなり、MSメッセンジャーを使ったことがある人ならチャットの便利さは分かると思いますが、ここまでハッキリ「内線電話を使わず、チャット」と言うのを聞いたのは初めてです。 企業は、「仕事なのか、遊びなのか分からない」、「何を会話しているか、電話なら聞こえるがチャットでは分からない。」といった理由にならない理由でチャットを嫌がります。 チャットを遊びで使う人ならメールも遊びに使うので、メールも禁止しなきゃいけません。 何を言っているか分からない点はメールも同様です。 

IBMさんはNotesを売っている会社ですから、いくらか割引して話を聞かなきゃいけませんが、コラボレーション・ツールとしてのチャットは試す価値があると思います。 チャットは別にNotesを使わなくても、Skypeならタダで出来ます。 Skypeのチャットは相手がオフラインでもチャットを投げておくと、オンラインになったときに自動配信されます。 これは意外と便利です。 1対1のチャットからチャット会議にしたり、音声会議にするのも簡単です。 

オフィスの生産性向上というのは興味あるテーマでこれからも勉強しようとは思うのですが、体系化や数値化はまだまだの段階だと感じました。 実験的、前衛的オフィスは余裕のある企業でないと当分作れないでしょう。
 

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