間違いだらけのネットワーク作り(405)2005/10/22
記事評「モバイルインフラ徹底検証」(日経パソコン10.24)

先週のこのページでお知らせした、情報化研究会大会「2010年のネットワークを展望する」 は開催までまだ2ヶ月あるにもかかわらず、すでに10人を超える方から申込みがありました。 非会員の方からも早々に申込みがあり、出足の良さに驚いています。 参加する人が多いほど、話す方も皆さんからのフィードバックで勉強できることが増え、楽しめます。 例年を上回る人数になりそうです。

今週は大手メーカー、2社の方とネットワークについて会話する機会がありました。 IP電話は既にネットワーク・ビジネスのメインではなくなっているのですが、やはり話題としては出てきます。 2社のうち1社で聞いたエピソードが面白いのでご紹介します。 この会社はIP電話の導入を検討したのですが見送りました。 もし、導入を決めていたら国内有数の規模になったでしょう。 国内・海外の代表的なメーカーから提案を受けたのですが、「IP電話での生産性向上のコンサルティングが出来ます」などと言うベンダーのアプローチに対して、「時間を何分節約できるから、効果がいくら」などという試算をしても、その時間がどれだけ効果的に使われるかは測定できない。 そんな効果より、ハード的なコスト削減を明確にしたい」と断ったとのこと。 私の主張と同じです。 (ちなみに、この会社の方は7月に私の講演を聴いています) もっと面白かったのは、代表的メーカー2社の電話対応の悪さです。 どちらも営業がフリーアドレスを導入しているのですが、電話をしても誰も出ないのにはアキレたとのこと。 となり同士が仕事上無関係なフリーアドレスでは、となりで鳴っている電話に出ても内容が分からないため、電話を取らなくなるようです。 もともと外資系の企業はこの傾向があるようですね。 他人の電話はそばに居ても取らない、という文化です。

しかし、日本ではそんな文化は顧客に受け入れられません。 さすがに、国産メーカーの営業ではとなりの電話に出るように、という指導が入ったそうです。 フリーアドレスで計測できる効果がどれだけあるか知りませんが、大事な大手の顧客を怒らせたのでは意味がありませんね。 ひょっとしたら、IP電話導入見送りの最大の理由かも知れません。 念のため、電話に出る代わりに留守電にすればいい、などという方は営業感覚がない人です。 
 

記事評「モバイルインフラ徹底検証」(日経パソコン10.24)

最近、ネットワーク専門誌の特集が面白くないですね。 どうしてでしょう?  私は日経コミュニケーション、日経NETWORK、NetworkWorld、日経バイト、日経コンピュータ、日経パソコン、といった雑誌に眼を通しています。 最近、面白そうだなあ、という見出しは日経パソコンや日経コンピュータで見つけることが多くなりました。 ネットワーク屋としてはネットワーク専門誌に面白い、夢のある記事を書いて欲しいのですが残念なことです。 今週ご紹介する日経パソコンの記事は有用かつ、夢があって、モバイルのこれからって楽しみだなあと思わせる内容です。 記者の名前に見覚えがあると思ったら、以前日経コミュニケーションにいた方でした。

この記事では「公衆無線LAN」、「次世代ケータイ」、「デジタル放送」の3つのテーマが書かれています。 それぞれについて、2、3年前から2010年頃までに、どんな通信事業者がどんな技術で、どんなサービスを始めるか、分かり易いロードマップが最初にあり、以降、具体的に技術やサービスが解説されています。 感心するのは「いったいこのサービスでユーザはどんなメリットがあるのか」、「サービスが普及する条件は何か」を明らかにしようとしていることです。 以下、面白いポイントを列挙します。 

「公衆無線LANで面白かった情報」
・2006初頭 WiFi対応のSkype端末が登場、デジカメなどの周辺機器に無線LAN機能搭載の動き
・ライブドアの公衆無線LANサ−ビスはIP電話のインフラにするつもりはない。 APの電波をキャッチできなかった際に1、2分歩くと見つかる、というのがライブドアの面展開の考え方。
Skype端末が登場すれば電話かけ放題という期待は誤解。 →これは本当かなあ、という気がします。 2週前の記事に書いたようにCEATECのライブドアコーナーではSkype搭載のWiFi端末が展示されていたのですから。
・ノ−トパソコン、PDAを使うモバイラーはせいぜい百数十万人。 これを公衆無線LANに取り込んでもビジネスにならない。 魅力あるハードウェア(端末)とアプリケーションの登場が課題。

「次世代ケータイについて知っておきたい事実」
・2005年12月、ウィルコム、次世代PHS技術の実験。 目標は最大20メガ。
・2006年中頃、ドコモ、KDDI通信速度をアップ。 ドコモ3.6メガ、au3.1メガ
・2006年後半、アイピーモバイルなどデータサービスを開始。 アイピーモバイル(5.2メガ)は定額2500−5000円/月の予定。
・2007年前半 BBモバイルなど音声サービス開始
・2010年ドコモ、au次世代技術を導入、最大1ギガ

さて、以下略します。 この記事を読んで、この会社は考えていることがスジがいいなあ、というのが1社ありました。 あくまで私の感覚ですが。 端末などの写真も豊富ですし、用語解説も明解です。 一読をお奨めします。
 

(お知らせ)
HPにも表示していますが、11月1日に下記セミナーで講演します。 講師それぞれが講演内容を紹介していますが、内容の対比が面白いです。 私以外はNTTドコモとNECの方です。 ユーザの立場の私、キャリア、メーカーの立場のお二人。 どの話が面白く役に立つか、聞き比べるのも一興です。 FMCの中でIP/モバイルセントレックスがどうなるか、各スピーカーがそれに触れるか触れないか、触れるとすればどんな意見なのか、私はそこに興味を持っています。 私はFMCに言及します。

IP/モバイルセントレックスの導入と運用の実際

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