間違いだらけのネットワーク作り(401)2005/09/24
記事評「Skype導入のススメ」(日経パソコン)

日経バイトの10月号が手元に届きました。 間違いだらけのネットワーク作りのテーマは「FMCは新しい発想で」というものです。 このページでも取り上げたFMC、さらには将来の通信サービスでの「電気通信番号」の在り方について書いています。 そのうちネットワーク専門誌でもテーマとして取り上げるのではないでしょうか。 来年3月には総務省のIP時代に電気通信番号のあり方に関する報告書が出るのですが、「間違いだらけ」で「明治の香りがする」と書いたような内容でないことを期待します。

大阪で大規模ネットワークのプロジェクトが始まり、ここのところ頻繁に新幹線に乗っています。 2時間半座っているだけでも大変ですが、ふだんゆっくり読めない雑誌に眼を通すには貴重な時間です。 今週は日経パソコンと日経NETWORKを持参して興味のある記事を読みました。 その中で面白いものにコメントします。
 

記事評「Skype導入のススメ」(日経パソコン)

私がSkypeについて日経バイト(Skyperのススメ)に書いたのが今年の2月でしたが、Skypeは爆発的という勢いはないものの、少しづつ使われ始めているようです。 日経パソコンにも掲題の連載が今回で3回目です。 今回の記事が面白いのは記者が色んな場所でSkypeを使って通話品質を確かめているところ。 その結果のいくつかをピックアップしてみましょう。

○無線LANスポット=快適、音質○、遅延○
東京駅のホットスポットでノートPCを使っての実験。 ログインは数秒。 電波状態は良好で音声だけでなく、相手(日経パソコン編集部)には駅のアナウンスまで明瞭に聞こえたとのこと。 Skypeを終わって携帯でかけてみると音質は明らかにSkypeの方が上とのこと。 

○エアーエッジ128k=音質△、遅延×
渋谷駅前での実験。 ログインは30秒。 音声は聞こえているときはクリアだが、遅延と途切れがヒドイという結果。 「ナローバンドでは遅延が激しい」と書いていますが、これには異議ありです。 「エアーエッジでは遅延が激しい」が正解。 同じPHSのデータ通信でも、私が使っている@Freedは64kでも音質は快適で遅延も感じません。 これは以前にも書いたとおり、@Freedのアクセスがパケットではなく回線交換であるためだと思います。 帯域幅が少なくても遅延が少ないので音質がいいのです。

おそらくエアーエッジはデータ通信を意識してパケット落ちを抑えるために、網内でたっぷりバッファを持っているのでしょう。 その昔、公衆フレームリレー網でも、サービスによっては網内のバッファが大きいせいでVoIPでの遅延が問題になったことがありました。 

○海外通話=音質○、遅延△
海外に携帯を持っていっている記者に固定電話からかけた場合と、Skype同士でかけた場合を比べると前者の方が途切れたり声がこもったりするが、Skypeは途切れもなく音質が良好で相手の疲労感まで伝わってきたとのこと。  これはSkypeが使っているCグローバルIPサウンドのcodecの手柄かも知れません。

上記以外にSkypeから一般の電話にかけるSkypeOUTの結果についても書かれています。 総じて、Skypeは音質という面では優れているという評判どおりの結果です。 小さな囲みで規模は小さいながらSkypeを全面採用している企業も紹介されています。 この連載、何回まで続くか知りませんが、Skypeのセキュリティについて突っ込んだことを書くことを強く期待します。

記事評「WiMAXってそんなにスゴイの?」(日経NETWORK)

WiMAXはこのページでも3週間前に取り上げましたが、この記事は細かく調べて要点を簡潔にまとめてあるのがいいですね。 最初の図で@無線LANとは何が違うの、A伝送速度75M/秒って本当?、Bケータイ向けなのそれともパソコンでも使える技術? Cサービス開始はいつ?すぐ使えるの?と疑問を提示しているのがいい。 これらに対する答えがこの記事の結論であり、要約です。

@違いは大きく3点
・多元接続方式(複数ユーザが無線の伝送路を共有して同時に使う仕組み)  無線LANは単純なCSMA/CAで、他人がキャリアを出してないことを確認して送信する。 モバイル用WiMAXでは端末ごとに割り当てる周波数や変調方式を変えたり、時間的に上り/下りの信号を切り替えるなど、高度な方式を用いている。

・全二重か、半二重か
無線LANは半二重、WiMAXは全二重

・距離
無線LAN100メートル程度まで、モバイルWiMAX 都市部1.5キロまで、都市部周辺5キロまで

A伝送速度75M/秒って本当?
理論上の最大値。 当初のモバイルWiMAXでは一つのエリアでやりとり出来るデータ量は1Hzあたり1.5ビット/秒程度。 周波数帯が10MHz幅なので15Mビット/秒程度になる。 しかも、エリア全体での数字であって、同時に通信する端末が複数ある場合はその数で15Mを割った値となる。

これ以上書くと日経NETWORKを買って読む人がいなくなるので止めて置きます。  こんな事典的に使える記事は取っておくと便利です。
 

(お知らせ)
HPにも表示していますが、11月1日に下記セミナーで講演します。 講師それぞれが講演内容を紹介していますが、内容の対比が面白いです。 私以外はNTTドコモとNECの方です。 ユーザの立場の私、キャリア、メーカーの立場のお二人。 どの話が面白く役に立つか、聞き比べるのも一興です。

IP/モバイルセントレックスの導入と運用の実際

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