間違いだらけのネットワーク作り(400)2005/09/17
「アプリケーション・アプライアンス?」

この間違いだらけのネットワーク作りも、今回でちょうど400回になりました。 97年9月から書き始めて8年たったことになります。 ATMメガリンクが登場したときからなのですが、この8年間でネットワークの世界は大きく変わりました。 VoFRを96、97年頃手がけ、98年から2000年はATM、VoIP、2001年ローソン・ルータレスネットワークで広域イーサネット、2002年東京ガス・IPセントレックス、2003年には無線SIP端末、2004年からはフレッツを多用した数千拠点の大規模ネットワーク、とやって来ました。 

実はルータレスという思いつきも、IPセントレックスでPBXをなくしてしまえ、という発想も情報化研究会でのメンバーとの会話が刺激になって閃いたものです。 さて、次は何をやろう、ということは常に考えているのですが、やはり刺激になるのは人との会話ですね。 今週はいくつかのベンダーの方から製品やアイデアを聴き、昨夜は研究会のメンバー11人が集まってああだこうだと話をしました。 今週は400回の節目なので壮大な記事でも書こうかと思いましたが、いつもどおり淡々と昨夜の研究会の話題から2つほど面白いと思ったことを紹介しましょう。

もう一つ前置き。 今週届いたNetworkWorld誌11月号の特集「初公開!これが私の情報源」で、このページが紹介されました。 パワードコムの安達さん(執行役員・広域イーサネット商品企画部長)が書いたものです。 何気なくページをめくっていて発見し、驚き、また嬉しく思いました。 NetworkWorld誌は現場の実務者が書いた記事が主体のため、地に足が着いた内容で実用的なのが特徴です。 ネットワーク専門誌が苦戦する中で創刊4年目を迎え、分厚さは変わらず価格は値下げされています。 

記事を丸ごと引用するのははばかられるので、一部引用させていただきます。 このページ以外にもネットワークのプロの情報源が紹介されているので、書店で手に取ってみてください。

「アプリケーション・アプライアンス?」

一つめの話題はアプリケーション・アプライアンス。 まあ、既に機器ベンダーが発表しているコンセプトですが、簡単に言えばルーターなどのネットワーク機器の中にアプリケーションまで入れてしまえ、というもの。 要するにネットワーク機器だけでは収益の成長が望めなくなった機器ベンダーがアプリケーションまで取り込もうという動きです。 すでにネットワーク・アプライアンス製品は一般化しており、アプリケーション・レイヤをチップ化してハードウェアに取り込むことは新しい発想ではありません。

しかし、業務アプリケーションまで取り込むとなると一つのブレークスルーですね。 成功するかどうかは別として。 ネットワーク機器ベンダーに限らず、通信業者も通信が利益を生まなくなったのでSIerになりたい、という願望を持っています。 通信というレイヤの低いところと、アプリという高いところの違いを本当に認識しているのかな、と疑問に思います。 通信の仕様と比較すると業務仕様はけた違いにバリエーションが多く、ビジネスの変化に伴うメンテナンスも頻繁です。 だから巨額の赤字を生んだ失敗プロジェクトが訴訟沙汰になってニュースになるのです。 

でも、アプリケーション・アプライアンスというアイデアは面白いですね。 ネットワーク機器ベンダーは5年後くらいに実用化を目指しているようです。 ここから先は想像ですが、一つのアプリケーション・アプライアンスは特定業務に特化し、多数のアプライアンス製品がIPネットで連携してシステム全体を構成する。 レガシーなコンピュータシステムでは一つのサーバの上で複数のアプリケーションをOSが制御していましたが、アプリケーション・アプライアンスではOSは不要になり、自立したアプリケーション・アプライアンスが連携してシステムを構成する。 そんなイメージを描いているようです。 見ものですね。 どうなるか。 そんな方式が適した分野もあるかも知れません。

二つめの話題は無線SIP端末への0AB−J番号付与に総務省がOKを出したと言う噂。 確定的な情報ではありません。 本当だったら、いい加減にしてよ、と言いたくなります。 場所が自由に移動できる無線SIP端末(900iLもその一つ)に0AB−J番号を付与すると、大阪から03の番号で発信できることになります。 そのため、構内PHSでも、無線SIP端末でも、0AB−J番号は付与せず、OAB−Jを着信させたい場合は固定IP電話に一度着信させて無条件転送で無線SIP端末に転送する、といった対策を取ってきました。  どんな条件をつけて無線SIP端末への0AB−J番号の付与がOKとなったのか、情報を開示して欲しいですね。 

疑問なのは無線SIP端末に0AB−Jを付与して喜ぶユーザがいるのだろうか、ということです。 大阪で03番号を使った発信が認められる訳がなく、無線SIP端末に0AB−Jを付与しても発信はGWを介して「正しい場所にある」0AB−J番号から発信するのだと思います。 そんなツマラナイ使い方より、最初から050番号のみの付与の方が使い勝手もいいし、設備コストも少なくて済むと思います。 
 

(お知らせ)
HPにも表示していますが、11月1日に下記セミナーで講演します。 講師それぞれが講演内容を紹介していますが、内容の対比が面白いです。 私以外はNTTドコモとNECの方です。 ユーザの立場の私、キャリア、メーカーの立場のお二人。 どの話が面白く役に立つか、聞き比べるのも一興です。

IP/モバイルセントレックスの導入と運用の実際

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