間違いだらけのネットワーク作り(395)2005/08/13
「FMCでの電話番号」

ITProに掲載された「失敗できない移行――間違いだらけのネットワーク作り」の「皆様の評価を見る」をクリックするとこんなコメントが書いてあります。 (書いてくれた方、無断引用してすみません。)
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[2005/08/08]
いつもHP拝見しています。通信技術の変化を高所大所から見られていて、大変参考になります。私も以前はSI会社に在席していましたが、今はシンクタンクという立場から、通信業界を見ています。 SI会社を離れて3年経ちますが、PS、FRなど細い回線をなんとかしようという技術開発欲求がなくなって最近はおもしろいトピックがないように感じています。
(30代,その他,コンサルタント )
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いつも見ていただいているようで嬉しいかぎりです。 確かに、WANだけ見るとネットワークのトピックはなきに等しいですね。 NET&COM2005の講演で述べたとおり、「専用線の消滅」が進んでいることが大きな変化と言えば言えるでしょうか。 経済学の言葉に「悪貨は良貨を駆逐する」というのがあります。 多少品質が悪くても、速くて安い回線がいい、というのが今のトレンドですね。 フレッツが悪貨とは言いませんが、少なくともWANの世界でデフレ要因になっているのは間違いありません。

しかし、目を転じるとネットワークの多様化と高度化はどんどん進んでいます。 企業ネットワークを企画・設計するためにカバーすべき技術要素やサービスはこの数年で大幅に増えました。 結果、WANの占めるウェイトは10年前の半分以下になっています。 WANだけ見るとおもしろくありませんが、全体をながめれば新しいネタはいくらでもあります。 WANなんて見てないで、もっと楽しいものに眼を向けましょう。
 

「FMCでの電話番号」
先週、FMCの電話番号について書いたら、追っかけるようにITPROにそれに関する記事が出ました。

総務省が新サービスの電話番号を検討、Skype着信なども議論

そのうち日経コミュニケーションでも特集になるのでしょうね。 よくあるパターンです。 それにしても総務省の規制はつまらないですね。 先週、「ユーザの利便性や通信事業者のすばやい動きを阻害しないルールにして欲しいものです。」と書きましたが、もう阻害しているようです。 フュージョンの050を使ったSkypeINは秋に始まるということでしたが、総務省が「固定電話と携帯電話を融合させたFMC(fixed mobile cpnvergence)など新たな電話サービスにおける番号の使い方や割り当て方針を検討する」のに来年3月までかかるため、その結論が出るまでサービス出来ないとのこと。 「電話サービスからインターネット電話への転送について検討する」ことも含まれているからです。 

「電話サービスからインターネット電話への転送」。 おかしなコンセプトだと思いませんか? インターネット電話も電話サービスの一つです。 ALL IP化の時代に電話サービスとインターネット電話の区別をすること自体が古い考え方だと思います。 「新サービスの電話番号を検討」もおかしい。 固定電話サービス、携帯電話サービス、IP電話サービス。 「サービスごとに」電話番号を考えること自体がFMC時代にはナンセンスです。 固定、携帯、IP電話の区別がなくなるのがFMCなのですから。

OAB−Jは歴史的に位置とくくりつけられていますから、固定電話用に限定されるのは仕方ありません。 しかし、090、080、050は固定、携帯、IP電話の区別なく自由に使えるのが一番合理的なのではないでしょうか? 900iLがわざわざ090と050の二つの番号を持たなくても、090だけ持っており、無線LANエリアにいる時は090番号をダイヤルするとキャリア網あるいはインターネットから無線LAN経由で900iLに着信する。 これがFMCというものです。 

さらに、電話番号には品質による規制もありますが、090だって充分品質が悪いし、好きにさせておけばと思います。 データ通信だってベストエフォートがあるのですから、電話サービスにベストエフォートがあったっていいと思います。 実際、ベストエフォートなSkypeはほとんどの環境でいい音質で使えます。 帯域が狭く品質確保が困難だった時代ならともかく、ブロードバンドの時代に品質をうるさく言う必要はありません。 

電話番号の規制があまりにうるさいと、Skypeのようなサービスがデータ通信のふりをした電話サービスとして流行るでしょうね。 Skypeネームという「電話番号」はすでにFMCの電話番号と言えます。 机上のPCでも、ノートPCや携帯端末でも使える。 信頼のおけるオペレータが現れれば一気に広がるでしょう。 いろいろ理屈をつけて規制することは可能でしょうが、小さな政府を目指す(?)ためにも小さな規制を心がけて欲しいものです。
 

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