間違いだらけのネットワーク作り(383)2005/05/21
記事評「大阪ガスのモバイル・セントレックス始動−その2」

テレビドラマの新しいクールが始まって1ヶ月あまりたちました。 このクールではフジテレビの月9、木村拓哉主演の「エンジン」が面白いですね。 これまでの弁護士とか、パイロットといった登場したときからヒーローという路線ではなく、ピークを過ぎたレーサーが実家が営む孤児院で子供たちに起こる様々なトラブルを人情味豊かに解決しつつ、レーサーとして表彰台への復帰を目指す、という設定です。 その他、火曜日の「離婚弁護士2」は1に比べて余分なエピソードに割く時間が多く、スッキリ感が薄れました。 しかし、天海祐希のさっそうぶりは相変わらずです。 木曜日の草薙主演「恋に落ちたら」は金の亡者的なIT企業社長と、その部下で草薙ふんする人情派の鈴木島男が絡み合うドラマです。 僕生きのようなインパクトはありません。

ということで、なるべくこれらのドラマはリアルタイムで見たい、と思っているのですがドタバタした毎日でなかなか思うようにはなりません。
 

記事評「大阪ガスのモバイル・セントレックス始動」(日経コミュニケーション 5.15)−その2

N900iLをサポートしているSIPサーバには着信転送すら出来ないものがけっこうある、ということは以前にも書きました。 転送に関するこの記事の内容が面白いのでミクロな話題として取り上げます。 こんな記述です。

「社員を混乱させずに転送問題を解決するため、大阪ガスは従来と変わらない簡易転送を実装。 N900iLで保留後、転送相手に保留元番号を伝える運用にした。 特番の後に保留元番号(たとえば1)を押し、相手に「電話だよ。 1番。」と告げるだけでよい。 これなら通常のビジネスフォンと同じ操作で転送ができる。」

これは電話の世界では「転送」とは呼びません。 「パーク保留」です。  もし、これしか出来ないのなら富士通のSIPサーバでは900iLでの着信転送は出来ないことになりますが、実際どうなのでしょう。 

転送には応答後転送と、簡易転送があります。 上記の記事中の「簡易転送」はまったく誤用です。 応答後転送は、電話を受ける(この人が転送元)→転送ボタンあるいはフックを押す→転送先の内線番号をダイヤルする→呼び出し音が聞こえる→相手が出たら(応答したら)「○○から電話です」と言って転送元は抜ける(受話器を下ろす)→発信元と転送先の通話が始まる、という流れです。

簡易転送は、電話を受ける→転送ボタンあるいはフックを押す→転送先の内線番号をダイヤルする→呼び出し音が聞こえる→転送元は抜ける(受話器を下ろす)→転送先が出ると発信元と転送先との通話が始まる、という流れです。

従来のPBXは利用される現場のことを考えて、この2つの転送方法を備えています。 10メートルも離れたところにいる人に「電話だよ。 1番」などと声をあげるとまわりに迷惑です。 席の位置によっては転送相手が在席なのかどうか見えないこともあります。 こんな時には応答後転送を使うのです。 これだとフロアが違う別の部署にも転送できます。 相手が出なかったら、フックをもう一度押すと発信元と転送元の通話が再開でき、「△△は離席しています。 こちらから電話させましょうか」といった丁寧な応対ができます。 パーク保留だけではフロアの違う別の部署の人に出てもらうことなど不可能です。

簡易転送は自分のすぐ近くの人に転送するときに使います。 電話で「電話だよ」と言わなくても、目の前にいるので生の声をかけた方が早いからです。

応答後転送と、簡易転送はどちらがSIPサーバや端末に実装しやすいでしょうか?  名前からすると簡易転送の方が簡単そうですが、実はSIPへの実装は簡易転送の方が難しいのです。 この辺に詳しい、Aさんによると簡易転送の実装が難しいのは「転送元と転送先の状態確認をどうやって行うかを考えないといけないからです。 通常の応答後転送であれば、転送元、転送先の端末の振る舞いを見ていればすみますが、簡易転送では、転送先の状態と発信元の状態、転送元の状態と転送元が抜けてからの時間的経過も見ないといけないからです。」

転送は電話の基本機能であり、営業部門など電話のヘビーユーザであるほど使い勝手にこだわります。 PBXを使っていたときはお客様からの電話を関連部署に応答後転送できたのに、モバイルセントレックスにしたら出来なくなった、は通常許容されません。
 

ホームページへ