間違いだらけのネットワーク作り(379)2005/04/23
「京都研究会模様」

先週金曜日に買った出久根達郎さんの「かわうその祭り」は3日ほどで読みました。 やはりこの人はエッセイがいいです。 この小説も期待ほどではありませんでした。 さして難しいスジではないはずなのに、やたら分かりにくくしている。 途中でなぞを持たせた人物を、なぞのままにして物語を終わらせており、えっ、あの人はどうなったのと聞きたくなる。 カタルシスのない小説でした。 

一緒に購入したピーター・ラッセルの「ホワイトホール・イン・タイム」はまだ3分の1も読んでいませんが、難しい内容を分かりやすく書いています。 しかも、翻訳がすばらしく日本人が書いた本のように文章が自然です。 こちらは正解のようです。

京都研究会の写真を会員ページに掲載しました。 

「京都研究会模様」

京都研究会からはや2週間がたち、桜はすっかり葉桜になりました。 研究会のテーマは「Skype考」と「企業ネットワーク設計の心得」だったのですが、飛び入りで会員のAさんがN900iLのSIPについて短時間の解説をしてくれました。 Skype考はP2Pベースのグループウェア、プロジェクトAを開発しているアリエル社の岩田真一さんにお願いしました。 今週は岩田さんの話と900iLのSIPのさわりについて紹介します。

そもそもP2Pとは何か。岩田さんの定義では「ソフトエアoverネットワーク」あるいは「ハードウェアの抽象化」、ということになります。 ちょっと難しいですが、岩田さんの作成した下図を見るとイメージがわきます。 物理的ネットワークを超えたアプリケーション・レイヤのネットワークなんですね。 物理的ネットワークを超えるとは、ルータやファイウォールの存在を意識しなくていい、ということです。 ネットワーク管理者から見ると、とんでもない存在、と映るかも知れません。


P2Pにはサーバを一切使わないピュアP2P、インデックスサーバを使うハイブリッドP2P、Skypeが使っているスーパーノード型P2Pの3方式があるとのこと。 Skypeについても色々話がありました。 一番興味があったのはP2Pが企業に普及するための条件です。 さて、それは何でしょう。 ちなみに、つい最近までSkypeが使えなかった大企業で、使えるようになったというメールを貰いました。 どうもhttpプロキシをうまく抜けられる方法を身に付けたようです。 Skypeのファイアウォール越えの技術進化はすごいですね。

Aさんの飛び入り講演、N900iLのSIPですが、これはAさんが実際にメッセージのシーケンスと中身を見たものです。 その気になれば900iLのユーザなら誰でも簡単に見ることが出来ます。 ただ、ここにその内容を掲載は出来ません。  Aさんは単純な発着信のシーケンスを説明してくれました。 次図は標準的なシーケンスです。

14個のメッセージがやりとりされています。  N900iLだとちょうど2倍くらいのメッセージがやりとりされます。 細かなことやっているんですね。  SIPサーバ・ベンダーが実装しやすいシンプルなシーケンスであればもっと速く普及すると思うのですが。  サーバと端末間のインタフェースを独自性の高いものにするのはPBXの世界の習性だそうです。 開発者がそういう流れをくむ人なのでしょう。 オープンで軽いSIPを持った無線LAN端末の登場に期待したいです。
 

P2Pについて詳しくは書きませんでした。 実は先週の土日に日経バイト6月号の原稿を書いたのですが、そこで京都研究会とP2Pのことを書いたからです。 テーマは「P2Pの価値とは」です。 興味のある方はお読みください。 数ヵ月後にはITPROに掲載されます。
 
 

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