間違いだらけのネットワーク作り(375)2005/03/26
「他人の電話は取るな、が無線LAN端末の思想?」

早いもので、京都研究会まであと2週間になりました。 現時点での参加者は27名です。 例年どおり参加者の半数が東京からです。 ちょうどしだれ桜がさく頃なので、観光をかねてと考える方が多いのでしょう。 会場定員は30名ですが、バッファがありますので35名まで受け付けます。 申込みは4月6日まで受け付けます。

第6回京都研究会(第24回情報化研究会)のお知らせ

「他人の電話は取るな、が無線LAN端末の思想?」

無線LAN携帯の導入状況は思ったほど進んでいませんね。 面白いのは無線LAN携帯が発表されて1年近く経っているのに、PHSをIP電話の端末として導入する企業がいまだに多いことです。 かく言う私のところでも、PHSは大規模IPセントレックス導入当初から端末として使っています。 しかも、最近導入している企業は1000台とか、数1000台という単位で導入しているのです。

PHSのインタフェースをSIPに変換するサーバは既に複数のメーカーから提供されているため、IPセントレックスの端末としてPHSを使うのは難しいことではありません。 802.11bと比較して簡単に盗聴は出来ませんし、端末の仕様は「自営標準」という名前で標準化されており、置局設計やインストールのノウハウも確立しています。 なにより、音質がいい。 まだ802.11bを使った無線LAN携帯には課題が多いと考える大企業が1000台規模でPHSを導入するのも現実的な選択肢だと納得できる面があります。

3月15日号の日経コミュニケーションにはモバイルに走るSIという表題の記事があり、その中に無線LAN携帯をサポートしているサービスやSIPサーバが一覧表になっています。 しかし、この表はサービスやSIPサーバを選択するには役に立ちません。 「サポートしている」と言っている内容がサービスやサーバによってまったく違うのに、それが分からないからです。 あきれてしまうのは、着信転送さえ出来ないものでも、「サポートしている」ことになっていることです。

着信転送が出来ない、ということは「他人の電話を取ってはいけない」と言っているのと同じです。 たとえば、営業一課という部署あって、そこにグループ代表の親として固定IP−Phoneを1台と、課員全員に、無線LAN携帯端末を電話機として持たせたとします。 グループ代表にかかって来た電話を課員の山田さんが自分の端末で取ったところ、鈴木さんあての電話でした。 ふつうの電話機なら鈴木さんに転送しておわりですが、これが出来ないのです。 着信転送が出来ない端末は代表グループに入れてはいけない、ということです。

しかし、電話はグループを組まないで個々人が使うもの、同僚の電話が鳴っていてもピックアップで取ってはいけない、などという使い方は日本の企業の大部分では出来ません。 
ベンダーが「ワークスタイルを変革するためにIP電話を導入しましょう」と言うとき、「ワークスタイルを変えないと使いものにならない仕様だから、そう言っているのではないか」と疑ってチェックする必要があります。 つまり、「こんな仕様のIP電話を導入するために、ワークスタイルを変えましょう」が正しい言い方かも知れないのです。 本末転倒に注意、ということです。
 

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