間違いだらけのネットワーク作り(374)2005/03/19
「自営IPセントレックスでは無線LAN携帯に050を付与できない」

以前は八重洲ブックセンターで本を買うことが多かったのですが、最近では読みたい本が見つからなくなりました。 かといって丸の内Oazoの丸善で見つかるかというとそんなこともありません。 ここのところ一番よく本を買うのは新浦安の有麟堂になっています。 ここの文芸書の棚が自分の好みに一番合っているようです。 1月、3月とここで同じ表題の本を買いました。 大岡信さんの「ことばの力」と日本民間放送連盟ラジオ委員会編「コトバのチカラ」です。 大岡信さんは文化勲章を受章した言葉の大家ですが、「百人百句」というたいへん面白い本を読んでファンになりました。 「ことばの力」は表題だけ見て買いました。 表題だけ見て買うのは私の常で、失敗することも多いのですが大岡さんの本ですから間違いはありません。 この人の本を読むと言葉の意味を感じ取る感受性と、それをはっとする言葉で表す表現力がすごくて感心します。 たとえば、「つまり言葉というものは、長い時間を一瞬にしてとびこえ、われわれの心に飛び込んでくるという意味で、一種のタイムマシーンだともいえるのではないだろうか。」と言う文章があります。 メソポタミアの諺が現代人にとっても新鮮なものだという話の後に出てくる文章です。

「コトバのチカラ」は民放ラジオが行ったコトバのチカラキャンペーンに寄せられた、一般の人たちが大切にしているコトバとそれにまつわるエピソードを集めたものです。 たとえば、「赤い花は赤く咲け 白い花は白く咲け」  これは当時中学生だった女性が卒業の時に先生から贈られた言葉です。 優秀な姉と比較されて無理をして来た女性が、その姉を担任していた先生から突然呼びとめられて、色紙に書いてくれた言葉だそうです。 もらった瞬間、職員室でボロボロ泣いてしまったとのこと。 ふつうの生活の中で、ふつうの人がすごい力のある言葉を創れるのですね。 2冊ともお奨めです。

京都研究会まであと3週間ですが、現時点で参加者は20名ほどになっています。 会場定員の30人まであと10人です。 参加を希望される方は早めに申し込んでください。

第6回京都研究会(第24回情報化研究会)のお知らせ


 

「自営IPセントレックスでは無線LAN携帯に050を付与できない」

さて、ワナと誤解を解くシリーズ、2回目です。 SV7000やCallManagerのようなサーバを社内に置いて使う、「自営IPセントレックス」(矛盾を含む用語ですが)では、無線LAN携帯端末に050番号は付与できません。  私は昨年のNET&COMでも、今年のそれでも「050番号を主体に使いましょう」ということを主張しました。 特に無線SIP端末やモバイル用のノートPCに050を付与して使うのは便利な使い方です。

最近では社員全員に050番号を持たせる、といった使い方をはじめる企業が出てきています。 しかし、知っておかねばならないのは自営IPセントレックスでは無線LAN携帯電話や自営の無線SIP端末に050番号を付与することは制度的に出来ない、ということです。 技術的に出来ないことももちろんあります。

まずは復習しておきましょう。 私の推奨する「本来の」IPセントレックスはサーバもゲートウェイも不要な、安くて、便利で、簡単な仕組みです。 サーバやGWが不要ですから、それらのリース料や保守料が不要です。 なので、確実に「設備コストが削減」できるのです。 IP−Phoneも多機能型で2万円を切り、シンプルなものだと1万円程度ですから、レガシーな電話機より安くなります。 おまけに無線LAN携帯電話や無線SIP端末に050番号が付与できますから、外部のNTT東西の電話機から050番号をダイヤルすると、無線LAN端末を持った人が本社や支社のどこに移動しても、直接電話を受けることが出来ます。 これを示したのが次の図です。

企業の拠点にはサーバもIP電話回線やISDN、アナログ電話回線を収容するGWも不要です。 イントラネットの回線で内線、外線とも発着信できるからです。 もちろん、イントラネットはコンピュータデータも流れます。 この図では単純化のためにパソコンやサーバを書いていないだけです。

PSTNにつながっているNTT東西の電話機と無線SIP端末あるいは無線LAN携帯電話機の間にはピア・ツ・ピアで1セッションで音声が流れます。(実線の矢印)  点線は単に、無線携帯端末を持った人が東京のオフィスから大阪のオフィスへ移動したことを表しているだけです。 東京の無線携帯端末がが大阪に移動すれば着信は東京を経由することなく、直接大阪に移動した端末で受けられます。

図には表現されていませんが、無線SIP端末には050番号を付与できますから、ホットスポットにいてもNTT電話機からの着信を直接、受けることが出来ますし、発信も出来ます。
対して、自営IPセントレックスでは次図のようになります。


 

自営IPセントレックスでは高価なサーバが必要で、各拠点にはIP電話回線やISDNを収容するGWが必要です。 おまけにIP−Phoneが高い。 設備コストが削減できる訳がありません。 ですから、「生産性向上」とか「ワークスタイルの変革」といった計数できない「あいまいな」目的を謳うしかないのです。

自営IPセントレックス・サーバが端末の制御をしているため、端末がサーバと無関係に勝手にIP電話網経由で外線発信したりは出来ません。 そのため、IP電話回線はGWで終端されます。 つまり、自営IPセントレックスでは050番号は端末に付与されているのではなく、GWに付与されるのです。  携帯端末には内線番号を付与します。 携帯端末1台に1個の050番号、たとえば050−7890−××××を対応させ、そこに着信すると固定的に内線3210に転送する、という設定をすると「あたかも」携帯端末に050を付与したように見えます。 しかし、あくまで「あたかも」であって、本来のIPセントレックスと違って大きな無駄が生じます。

それは無駄なGW資源と無駄なネットワーク資源を消費するということです。 図に示したとおり、無線携帯端末が大阪に移動しても、IP電話網から大阪の無線携帯端末に直接着信は出来ず、わざわざ東京のGWに着信し、そこからイントラネット上を大阪へ転送されます。 本来のIPセントレックスなら使わなくていいGWと、イントラネットとは別のIP電話回線、そして東京−大阪間のイントラネットを使用することになります。

また、図には表現していませんが、仮にホットスポットで無線携帯端末を使おうとすると、NTT東西の電話機との通話の流れは、NTT固定電話機→PSTN→IP電話網→GW→イントラネット→インターネットVPN(ホットスポット)→無線携帯端末となります。  本来のIPセントレックスではNTT固定電話機→PSTN→IP電話網→ホットスポット→無線携帯端末となります。 無駄なGWやイントラネットを経由する必要がありません。 

GWでIP電話回線を終端した場合制度的に無線携帯端末に050番号が付与できないのは、キャリアが端末まで含めた通信品質に責任を持てないからです。 キャリア網からGWまでのセッションと、GWから端末までのセッションに分かれるため、キャリアにはGW−端末間のセッションは見えません。 品質(クラスC)の保証のしようがないのです。 内線番号なら、それはユーザが勝手に使うものですし、企業内での通話品質がどうあろうと企業の責任ですから問題ないということです。

端末の制御を自営IPセントレックスで行うという自営サーバ側の理由、制度的な理由の両面から、自営IPセントレックスでは無線携帯端末に050番号は付与できず、無駄が生じてしまう、ということを述べました。
 

設備コストが確実に削減でき、無線LAN携帯端末に050番号が付与できるIPセントレックスの見積もりや問い合わせは下記へお願いします。(ユーザ企業の方に限ります)
 

NTTデータ法人ビジネス事業本部NW企画ビジネスユニット:電話050−5513−0456
メールinfo-nw@kits.nttdata.co.jp
 
 
 
 
 

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