間違いだらけのネットワーク作り(350) 2004/10/02
「IPセントレックスを使うなら電話回線は捨てよう」

 昨日は久しぶりに大阪出張。 何かと大変な1、2週間を過ごしてきたのでまっすぐ帰る気にならず、気の置けない研究会のメンバーと食事でもしようと阪急梅田駅から京都河原町へ出ました。 京都は4月の京都研究会以来です。 先斗町(ぽんとちょう)の入り口にある出雲屋に行ったのですが、さすがに金曜日で満席。 ここは四条大橋のたもとにあり、2階・3階の席から鴨川や向こう岸の祇園の街が見えて好きなのですが、待つのがいやなのであきらめました。 入ったのは「いろは」というすき焼き屋。 外の景色は見えませんが古くて落ち着いた和室が良かったです。

「IPセントレックスを使うなら電話回線は捨てよう」

 さて、大阪ではIP電話について色んな話をしました。 ここには書けないことの方が多いのですが、公開できる話のポイントが2つあります。 一つはIP電話をやるならINSとか、電話回線はバッサリなくした方が良い、二つは無線SIP端末と構内PHSの違い、です。

 IPセントレックスの目的は繰り返し書いたり、講演で言って来たとおり「設備コストの削減」です。 通話料の削減など大企業にとって目的とはなり得ません。 マイラインでとんでもない割引を享受しているし、最近ではまた値引き競争が再燃しています。

 PBXという箱を企業内からなくすことで設備コストを削減するのがIPセントレックスの目的です。 にもかかわらず、大部分のIPセントレックス・サービス業者はINSや電話回線をGWを使って各拠点に残しています。 外部からの着信は残置した電話回線で受け、発信だけIPセントレックスに抜けさせるというやり方です。 これは本来のIPセントレックスではありません。 GWという余分な「箱」が全拠点に入るのですから設備コストの削減は難しい。 発信だけIP電話網に回して通話料を安くするんだ、と言っても先に書いたとおり大企業はIP電話を使わなくても充分安いのです。 電話回線を拠点に残したままのIPセントレックスは大企業にとって、通話料も設備コストも削減できない中途半端な代物と言えるでしょう。

 私の手がけるIPセントレックスは電話回線をきれいサッパリなくすのが原則です。 初期の段階ではIPセントレックスと携帯電話網やPHS網との相互接続が出来ていなかったので拠点にGWと電話回線を数本残して、携帯等への発信はこの電話回線を使っていました。 しかし、昨年末までに携帯網・PHS網との相互接続が終わり、GWも電話回線も不要になりました。 緊急電話は単独電話の1、2台を残しておけばいいのです。

 電話回線をなくし、番号ポータビリティをかけて既存電話番号をIPセントレックスに持っていくことについてはユーザーに抵抗感がありました。 IPセントレックスが大丈夫かという心配です。 大丈夫になりました。 私の手がけるIPセントレックスは本格稼動後1年以上を経過し、安定的に稼動しています。 いわゆる「トラブルが枯れた」状態と言えます。

 拠点に電話回線を残す方が危険です。 何故なら、電話回線を収容するGWの方がIPセントレックスよりはるかに信頼性が低いからです。 電話回線を残しておけば安心というのは幻想です。

 同様のことはIP−PBXやCallManagerでも言えます。 全拠点にGWを置き、さらにサーバまで置く。 IP−Phoneも高い。 これでは設備コストの削減など出来ようはずがない。 フィクションに近い効果でもうたわないと導入する意味がありません。  もう一つの話題、無線SIP端末と構内PHSの違いについては次回とします。

 CEATECが来週に迫りました。 今日書いたことや、無線SIP端末とPHSの違い、なかなか出て来ないドコモのFOMAデュアルモードのことなど、「箱」を売りたいベンダーとは一味も二味も違う、「箱をなくす」話をしたいと思います。 たまには面白い話を聞きたいと思っている方はおいでください。
 

 10月8日CEATEC講演「動かして分かった大規模IPセントレックス成功のポイント」
 

ps:イチローの年間安打数大リーグ新記録はすばらしいですね。 日本人もやるもんだと思います。 この「間違いだらけのネットワーク作り」はふと気づくと350号になっていました。 ちょうど7年経ったのですね。 
 

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