間違いだらけのネットワーク作り(341) 2004/07/31
「デュアルモード携帯端末と発信者番号通知(後編)」

明日(土曜日)、明後日は博多研究会。 あいにく台風が一緒に行ってくれるようです。 しかし、土曜日の日中は雨が降らないという予報なので決行です。 という訳で1日早くこの記事を書いています。

昨日、八重洲ブックセンターに立ち寄り、めずらしいことに入り口にあるベストセラー書の棚にあった本を買いました。 吉本隆明氏の「漱石の巨(おおきな)な旅」(NHK出版)です。 買った理由はこの本が絶対ベストセラーにならないと思ったのと、値段が単行本で1200円と安かったからです。 さて、面白い本だかどうか。 いつも中身は読まずに表題だけで買うので半分ははずれです。

「デュアルモード携帯端末と発信者番号通知(後編)」

さて、先週の最後の部分から再スタートします。
無線SIP端末(デュアルモード携帯端末含む)にユーザが期待するのは次のような使い方でしょう。
@社内のどこにいても、同じ番号で内線の着信が受けられる(ローミング)
Aダイヤルイン的に外部に知らせてある電話番号で社内のどこにいても、電話が受けられる。(ダイヤルイン+ローミング)
B社内から外部への発信はIP電話の料金、発信者番号は外部に知らせてある番号
 

@は内線番号で使う限り、何の制約もありません。 Aは「外部に知らせてある電話番号」が050の場合と0AB−Jの場合で違います。
端末に050番号を付与しクラスCの品質を満たせばPeeer−To−Peerモデルで可能です。 Peer−To−Peerモデルは図1が典型です。
SIPのセッションが端末に直接設定され、SIPサーバへのRegistrationも端末が直接IPセントレックスに対して行います。

P−Pモデルでモビリティのある無線SIP端末に0AB−J番号は付与できません。 0AB−Jで無線SIP端末に着信させたければいったん固定的なノード(GWなど)に着信させ、そこから無線SIP端末に転送させる必要があります。 

Peer−To−Peerモデルに対して、GWでセッションを終端してしまうのがBack−To−Backモデル(図2)です。 GWやSIPサーバといった「箱」がいっぱい売れるのでベンダーには魅力的な方式です。 ちなみに米国ではSIPはPeer−To−Peer指向、日本ではBack−To−Back指向のようです。 B−BモデルではIP電話回線のセッションはGWで終端され、内線番号を使って端末との間に別セッションを張ります。 要はいままでのPBXがGW+サーバに置き換わっただけです。  セッションがGWで終端されるので、0AB−Jも、050も使えます。 キャリアから見て端末はGWであり、それは固定された場所で使われるからです。 

P−Pモデルでは当然BはOKで、発信者番号は050が通知されます。 B−BモデルでBはどうなるか。 東京のGWが0AB−Jの回線を終端していて03××番号を持っていおり、それと対応づけられた無線SIP端末が大阪から外部に発信すると発信者番号通知は03××となります。 それでOK、のようです。 くどいですが03を使ったセッションはGWで終端されており、GWと端末間は内線番号を使った別セッションだからです。 逆方向の着信も同じですね。 03××にかけたら、大阪にいる無線SIP端末に着信します。 結果だけ見ると、無線SIP端末に0AB−Jを付与したのと同じになるのに、セッションが終端されていれば良い、となるとこうなります。 もちろん、0AB−JがIP電話のそれであれば、料金はIP電話の料金になります。 では、P−PモデルとB−Bモデル、どちらが発展性があるでしょう。

無線SIP端末は「050」番号を端末に付与したPeer−To−Peerモデルで真価を発揮

結論は見出しのとおりです。 B−Bモデルの欠点は箱がたくさん必要なことと、無線SIP端末、デュアルモード携帯端末、あるいはノートPC上のソフトフォンに付与される番号が企業独自の内線番号であることです。 050や0AB−Jのようなユニーク性や一般性はありませんから、端末がインターネット上のどこにいてもその番号をダイヤルしてもらって着信を受けることは不可能です。

P−Pモデルの良さは端末さえあれば、余分な箱を企業内に持たなくていいこと。  050を付与された無線SIP端末やノートPCはホットスポットであれ、ホテルの一室であれ、インターネットにつながればIPセントレックスにRegistrationすることで発信も出来れば、企業外のレガシーな電話からの着信も受けられるようになります。 クラスCなどという品質の縛りをどうクリアするかという課題はありますが、050を持った無線SIP端末はそのままIP携帯電話です。

デュアルモード携帯電話、話題だけでなく、いろんな摩擦も起こしそうです。 電気通信番号の制度的な規制はまだまだグレーなところがあるようです。 いずれにしても、ユーザの利便性を一番に考えて欲しいものです。
 
 

(図1)

(図2)


 
 
 

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