間違いだらけのネットワーク作り(338) 2004/07/10
「アナログ電話の価値」

日経バイト4月号の「間違いだらけのネットワーク作り−「出来ない」の意味」が5日月曜日にITPROに掲載されました。  記事の下にある「皆様の評価を見る」というのをクリックすると、ほとんど読んだか、参考になったかという投票結果と、書き込まれたコメントを見ることが出来ます。  面白いのは技術的なテーマの時よりも、今回のような文学的なテーマの時の方が書き込みが多いことです。 以前の「何のために仕事してるんですか」も、結構多かったです。  コメントを読むと色んな考えの方がいて、確かにそうだなと思うコメントもあります。  来週末には次の原稿を書かないといけないのですが、いいテーマを考え出してまた多くのコメントを頂きたいものです。
 

「アナログ電話の価値」

昨日は1日、幕張にある雇用能力開発機構の高度ポリテクセンターで「企業ネットワーク構築技法」の講義をしました。  98年以来、毎年2回引き受けており、今年で7年目になりました。 2日間あるのですが、2日連続で仕事を離れることは不可能なため、1日目を他の講師に頼み、2日目を私がやるというパターンです。  昨年から1日目は情報化研究会の会員でもある、NTTPCコミュニケーションの波多さんにお願いしています。 1日目がTCP/IPの講義、2日目は応用編として企業ネットワークの設計・構築の講義です。 2日目のテキストは「企業ネットワークの設計・構築技法−広域イーサネット/IP電話の高度利用」です。 ちなみに、今年の2回目は12月9、10日ですので、じっくり話を聞きたい方は参加してください。 なにしろ、6時間の講義ですからじっくりです。 

http://www.apc.ehdo.go.jp/seminar/jyohousub_out/seminaannai/iaw02a06.asp?GSS=2-25

ここのセミナーは少人数なので、毎回、講義を始める前に参加者全員に受講目的や現在の仕事の内容を聞き、こちらからもいろいろ質問しながらゼミナール的に話を進めています。 毎回何人か積極的に質問や意見を述べてくれる方がいて、こちらも勉強になることがあります。 

今回はお一人だけ、積極的な方がいました。 現在のイントラネットはIP−VPNを使っており、VoIPは一部にインターネットVPNを使って入れているとのこと。  IPセントレックスのようにPBXをなくしてしまうIP電話ではなく、PBX間の中継部分をGWでIP化したものです。  本社では全社員の端末をPHSにしたそうです。 もちろんPHSはPBXに接続されています。

面白いと思ったのは全員PHSにしたのだが、ユーザからの要望でアナログ電話回線を引いたという話。 理由は外国からのお客様がダイヤルアップでインターネットに接続するためだそうです。 

何が面白いか? 二つの感想が浮かびました。 世界を見渡したときに、現在でも一番普及しているインタフェースはアナログ電話のインタフェースなんだな、ということ。 この会社を訪れる客はおそらく、中国やインドなどさまざまな国を訪問するのでしょう。 どの国の、どんなホテルや企業でも必ず持っているネットワーク・インタフェースはアナログ電話ということです。

もう一つの感想は93年に自分の言ったコメントは今でも生きているな、ということです。 93年に日経コミュニケーションの「私の視点」というコラムのインタビューを受け、「新旧にとらわれない通信方式の選択を」という趣旨のことを言いました。 当時、X.25やSDLCからフレームリレー、ATMへと変化しようとしていたのですが、博多まで運転を始めた新幹線「のぞみ」を引き合いに出して、「のぞみが博多まで延びて日本が縮んでも、自転車や徒歩という原始的な交通手段はそれを必要とする用途がある限りなくならない」というコメントで締めくくりました。

いまだに、細々とではあれSDLCは残っていますし、X.25はパケット通信としてまだまだ健在です。 アナログ電話もまだ10年、20年残るでしょう。 もちろん、主流はIP電話になるでしょうが。
 

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