間違いだらけのネットワーク作り(336) 2004/06/26
「IP電話普及の鍵」

先週は日経バイト7月号の記事を取り上げました。 実は日経バイトが自宅に来る頃が、次の号の原稿の締め切り数日前なのです。 なので毎月自宅に届くと原稿を書くことにしています。 今回は日曜日に書いて編集部にメールで送りました。 8月号のテーマは「IP電話普及の鍵」。 毎回構成は決めていて、プロローグ、本編、エピローグ、という流れです。 プロローグは紀行的な文章やワインを飲んだ話など、エピローグはその結末、というのがパターンです。

8月号は先週ここに書いた四谷三丁目のワインレストランでの会話がプロローグ。 編集部からイラストはワインレストランに入る路地がいいのでは、と提案があり、火曜日にまたくだんのレストランに行って携帯で写真を撮って来ました。 すぐ編集部にメール。 レストランのマスターは金曜日に来たばかりなのにまた来たの、という顔でしたが、編集部からは「速攻ですね!」と喜ばれました。 

話はがらっと変わって、最近のこのHPへのアクセス、どこからが多いのだろう、と今週月曜日の接続元ドメインの上位を見てみました。 Biglobeのホームページ分析パックというサービスで簡単に調べられるのです。 nttグループが多いですが、大手ユーザ企業が2、3入っているのが目立ちます。

最近の情報化研究会HPへの接続元ドメイン上位
ntt.co.jp   nec.co.jp  fujitsu.co.jp
hitachi.co.jp  oki.co.jp  aqstage.jp  nttdata.co.jp
ntt-east.co.jp nttcom.co.jp melco.co.jp mei.co.jp   netone.co.jp  nttpc.ne.jp
poweredcom.net  japan-telecom.co.jp  bit-drive.ne.jp  fusioncom.co.jp  usen.ad.jp
toshiba.co.jp fujixerox.co.jp  nttpc.co.jp ctc-g.co.jp   k-solutions.co.jp   ctc.co.jp  index.or.jp
hitachijoho.com  otsuka-shokai.co.jp   cisco.com  nttdatacs.co.jp  nikkeibp.co.jp  iwatsuact.co.jp

 
「IP電話普及の鍵」

さて、日経バイト8月号の原稿をここに引用する訳にはいかないのですが、今週はそれに関連することを書きましょう。
ポイントはIP電話の移行の複雑さは何で決まるか。

IP電話移行の複雑さを決める要因は次のようなものです。
・電話機の台数
・既存の内線電話網があるかどうか
・番号ポータビリティをするかどうか
・単純にPBXを捨てられるか

当然ですが、電話機台数が数1000台程度の規模の移行と万台単位の規模では移行の複雑さはまったく違います。 数1000台程度なら一度に全拠点を切り替えることも考えられます。 万台単位となると段階的に移行せざるを得ません。 移行完了した拠点と未完了の拠点が混在する期間、それらの間の内線通話をいかに品質よく確保するかがポイントです。 移行の進み具合でネットワークの構成が変わるので、設定変更やレベル調整が不可欠です。

上の文章も既存の内線網があることを前提に書きましたが、既存内線網がない企業のIP電話網への移行はごく単純です。 IP電話になった拠点と未完了の拠点間の内線通話など必要ないからです。 内線網がある場合、内線電話の番号体系は変えないのが移行の原則です。 これを同番移行と言いますが、切り替えの直前までは既存内線網側にあった内線番号が切り替えと同時にIP−Phoneの内線番号になるのです。 1000台を超える電話機があるオフィスを移行するとした時、リスクなく効率的に切り替えるには工夫が必要です。

番号ポータビリティはNTT地域会社の局内工事を伴うので、NTT側と仕様の調整や確認をし、切り替え作業もNTTの局内工事と同期を取ってタイムスケジュールを組む必要があります。 万一移行に失敗した場合の切り戻しの判断ポイントやそのスケジュールも考慮せねばなりません。 番号ポータビリティを使わず電話回線をそのまま残し、ただ内線だけをIP化した「IP電話」と外線も含めてIP化するIP電話ではほとんど次元が違っていると言えるでしょう。

大企業では単純にPBXを捨てられないことがままあります。 償却が進んでないといった単純な理由だけでなく、コールセンタでよく使われているAVAYAのPBXのようにIP電話ではカバー出来ないプレディクティブ・ダイヤリングや高度なACD機能が必要な場合、そのPBXは捨てられません。 お客様からコールセンタにかかった電話を担当の部署に転送するのはよくある通話パターンですが、そのためにはコールセンタのPBX配下の電話機からIP−Phoneへ音質を損なわずに転送が出来なければいけません。

業界誌でよく紹介される数1000台程度で、既存の内線網もなく、番号ポータビリティもない、PBXもあっさり捨てる、といったIP電話移行はごく単純です。 

私のところでは最も複雑なパターンの移行をIPセントレックスでやって来たわけですが、他に1年先駆けて経験を積んだことがこれからの大きな武器になると思っています。
 
 

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