間違いだらけのネットワーク作り(319) 2004/02/28
記事評「UFJ銀行IP電話、保留音が思わぬ課題」

週末、不在にするため1日早くこの記事を書いています。 今週水曜日(25日)に例年行っているネットワーク・セミナーを会社で開催しました。 今年で10年連続の開催です。 東京ガスさんも、このセミナーに2年前に参加いただき、ルータレスネットワークに関心を持っていただいたことがお付き合いの始まりでした。 今回も、初めて参加いただく企業の方がかなりいらっしゃり、講演終了後、名刺交換させていただいた方からは「うちの部長の前で今日の話をしてください」と依頼され、さっそく説明会を設定しました。 東京ガスさんの事例がこれだけ有名になっても、「IP電話」という表面的なものだけが伝わって、肝心のルータレス、PBXレスという考え方は知られていないということが改めて分かりました。 これからも機会あるごとにルータレス・PBXレスをアピールしようと思います。

記事評「UFJ銀行IP電話、保留音が思わぬ課題」(日経コミュニケーション 2004.2.23)

ここで言いたいことはUFJ銀行さんに、CallManagerの先行ユーザとして有名な新生銀行さんや新光証券さんに、保留音のことだけでなく運用やPBXとの併用についてヒアリングをおすすめしたい、ということです。

IP電話システムの設計はUFJ銀行さんご自身ではなく、SI業者がやっているようですが、保留音で帯域が圧迫されるという基本的な問題がIP電話設置直前になって浮上するのはプロジェクト管理という視点で見ると、危険なシグナルだと思います。 問題がそれだけだろうか、と同じようなプロジェクトをやっている私などは心配になります。 広域イーサネットで保留音をマルチキャストする問題は2年前にこのHPでも話題にしました。 よく知られた課題です。 間違いだらけのネットワーク作り(230)2002/05/25 「広域イーサネットでのマルチキャスト」ちなみに、他のIP電話システムでは保留音は電話機に持たせているのが普通なのでそれがWANの帯域を圧迫する心配はありません。 

保留音というのは一つの課題であり、IP電話システムを導入するにはどんな製品を使うにしろ、実際に移行して分かる設計のポイントや移行、運用上の課題があります。 先行ユーザから経験やノウハウを教えて貰うことにより、後に続くユーザは設計や見積もり(機器だけでなく回線を含む)を正確にできます。 先行ユーザにヒアリングをして保留音以外にも、構成設計や移行設計、PBXの併用などについて情報を収集し、設計の確認をされた方が良いのではないでしょうか。 先行ユーザにヒアリングすることで「思わぬ」課題が保留音以外に無いか確認することが出来るはずです。 

IPセントレックスについてはセミナーなどで事あるごとに何が大変か、どこに気をつけるべきか紹介しています。 同じ仕組みを使うユーザ同士、情報を共有し、少しでも後に続くユーザがトラブルなく導入できるようにしたいものです。

なかなか理解されないIPセントレックスの目的

上記のセミナーのアンケートに「当社ではGWを使ったIPセントレックスを導入中です」というコメントが書かれていました。 名前が同じ「IPセントレックス」でも、中身がまったく違うということを理解していただけているのかな、と疑問に思いました。 このページにも繰り返し書いているように、大企業にとってIPセントレックスの目的は「PBXを削減することによる設備コストの削減」が第一です。 内線電話をタダにしたり、外線を3分8円にすることではありません。 大企業では通話料はマイラインで充分安くなっているし、内線も古いVoIPでタダになっているのです。

GWを使ったIPセントレックス(私の定義ではIPセントレックスとは呼べません)は丸々PBXが残るだけでなく、GWが増える分、設備コストは高くなります。 企業がPBXやVoIPサーバを持つ必要がなくなり、設備コストが大幅に削減できるのがIPセントレックスの第一の目的。 そして、これから目指す第二の目的が「安くて便利」の実現です。
 

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