間違いだらけのネットワーク作り(307) 2003/11/29
「落ちない」広域イーサネット

12月13日の情報化研究会大会「ユビキタスとIP電話で日本のネットワークを革新する」の申込み締め切りまで1週間になりました。 会場の明治大学リバティタワーの教室は昨年の大会から使い始めたのですが、新しく、情報機器の設備も整っていて気持ち良く話の出来る会場です。 現在、会場定員の70%の申込みが来ています。 まあ、参加者が少なくて淋しいということはなくなりました。 最終的には例年並の人数になりそうです。

名簿は会員ページにありますが、NTTグループの人が多いですね。 ネットワークの世界で占める人口が多いので当然なのですが、KDDI、日本テレコム、パワードコム、CWCといったキャリアの会員も何10人といるのですが、申込みはゼロです。 NTTの人は遠くは大阪、京都、名古屋といったところから参加します。 しかも、自費で。 NTTの人たちは勉強熱心なのでしょうか? せっかくの土曜日に、高い交通費をかけて勉強に来る。 NTTグループの未来は明るいようです。 NCCの方々、カチンと来たらまだ見込みがあります。 頑張ってくださいね。

記事評「落ちる広域イーサ」からの脱出(日経コミュニケーション11.24)

以前コメントした富士写真フィルムの記事と同様、相変わらずデータ(数値)の裏付けのない、非常識な表題の記事ですね。 ただ、落ちるというだけで障害率や発生件数の推移など数字の裏づけがない。 この記事自体はほとんどパワードコムのことを書いています。 パワードコムの広域イーサだけが広域イーサではありません。

自分の経験している事実だけを先ず書きましょう。 私は広域イーサネットはこれまでCWCしか使っていませんでした。 今年6月からパワードコムも使い始めました。 CWCはローソンさんのルータレスネットワークを始め、多くのお客様で使っており、VoIPもかなり利用しています。  CWCの広域イーサネットは安定して使えています。 「落ちる」などという言葉が当てはまるような大きな障害はありません。 CWCの広域イーサは現在も150拠点を超えるネットワークで移行を進めていますが何の問題もなく、順調です。 要は「落ちない」広域イーサもあると言うことです。

CWCとパワードコムの広域イーサネットは何が違うのでしょう。 先ず、網の構成がまるで違います。 CWCはシンプルなフラット構成。 パワードコムは3階層構成。 キャリアとしてのオペレーションのレベルがどちらが高いかは分かりません。 しかし、CWCを使っていてループ障害に悩まされたことはありません。 網構成がシンプルなだけでなく、ユーザグループを面で分けて運用しやすくするなど、運用上の工夫を積み重ねているからでしょう。 運用のスキルが高いのだと思います。 

パワードコムは使い始めてわずかな期間しか経っていませんが、安定しています。 初期にトラブルは多かったが落ち着いたと聞いて使い始めたのです。 

次に感想。 この記事が全部事実とは思えません。 しかし、パワードコムのコメントは情けない。 現在のパワードコムのユーザに対して失礼です。 この記事に引用されているパワードコムのコメント。

「まさか都市銀行の勘定系データを広域イーサネット網に流すことになるとは予想もしなかった」
「サービス開始当初はトラブルは起こらなかったが、ユーザーとトラフィックの増加で機器がもちこたえられなくなり、2002年の夏から大規模な障害が発生するようになった」
新バックボーンの要求仕様「ダウン率を現状より1けた以上低くすること」

パワードコムの人は自分のサービスに誇りというものを持っていないのでしょうか? これまで獲得したユーザに対して品質を向上させる努力をし、障害率を改善してこなかったのでしょうか?(そんなことはないと思っているので疑問符を付けています) それとも日経コミュニケーションの記者が自分の書きたいトーン「広域イーサは落ちる」に合ったコメントだけを引用したのでしょうか?

二つめのコメントなんか、世評と逆ですね。 「最初はトラブルが多かったけど、落ち着いてきた」というのが世評だと思っていましたが、間違いだったのでしょうか?

パワードコムは新バックボーンを使ったサービスを現在のサービスとは別メニューにするとのこと。 現在のサービスのユーザはパワードコム自体が認める品質の悪さを甘受しろということでしょうか。

パワードコムさん、本当にこの記事に書いてあることは事実なのですか? 現在のサービスは開始当初より大規模な障害が発生しやすくなっており、そのユーザは見捨てて新しいメニューを新バックボーンで提供するんですか? 自分のサービスの品質の悪さを肯定し、それを解消するために新バックボーンを構築する、という記事が自社にとってプラスになったと思いますか? なると思って取材に協力したのでしょうが、この記事に書いてあることが事実ならパワードコムはユーザの信用を損なったと思います。

(追加)パワードコムの方から、この記事について話が聞けました。 事実と違う書き方がされており、社内でも大きな問題となっているとのこと。 事実と記事から受けるイメージとの間には大きなギャップがあるようです。 パワードコムのユーザは私と同様、ショックを受けていると思います。 このまま黙って容認されたのでは困ります。 正確な情報を公開して欲しいです。
 
 

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