間違いだらけのネットワーク作り(303) 2003/11/01
記事評「ネットワークアセスメント」

今朝、日経バイト12月号の「間違いだらけのネットワーク作り」の原稿を書き上げました。 話のたねは先週のこのページに書いた内容なのですが、4000字書かなきゃいけないのでけっこう大変です。 テーマは「企画・提案のHeartとは」です。 勝つための提案書はどう作ればいいか、というおよそ技術とはかけ離れた内容です。 昨年の今ごろは東京ガス・IP電話ネットワークの受注を題材にした「勝利の黄金比」というのを書いたのですが、毎年この時期にめでたいコラムが書けるのはありがたいことです。 「企画・提案のHeart」もけっこう面白いと思います。 

さて、12月13日の情報化研究会大会は今週もかなりの数の方から申込みがあり、まだ開催1ヵ月半前ですが会場の3分の1が埋まりました。 中には大会に参加するのを機会に研究会に入会した方もいます。 北海道の人なのですが、わざわざ遠くから参加していただき、ありがたいです。
 

記事評「ネットワークアセスメント」(富士写真フィルム、日経コミュニケーション2003.10.27P.102)

アセスメント、とは大上段ですが、内容は中途半端で何が言いたいのか分からない。  肝心なことが書いてないので、CWCのユーザから問い合わせが入り消費しなくていい時間を消費してしまいました。 疑問は大きく2つ。

まず、DA(デジタルアクセス回線)でレスポンスが低下したという記述。 ノーツを使ったシステムのレスポンスが広域イーサネットのアクセス回線として使ったDAの遅延のせいで低下したというもの。 信じられません。 ATM1.5Mでは問題ないのに、DA1500だと極端にレスポンスが悪いとのこと。 最悪な記事です。 数値をきちんと書いてない。

「遅延」と書くだけで、それが何ミリ秒なのか、何秒なのか分からない。 「極端な」レスポンスの低下は極端と言うくらいだから、何10秒という単位なのでしょうが記述がない。 ATMアクセス回線とDAとの遅延時間の差異は調べました。 数ミリ秒しか違いません。 往復で10ミリ秒程度。  この差異でなぜ、「極端」なレスポンス低下が生じるのか日経コミュニケーションが文学書でないなら、きちんと書くべきです。 レスポンスはネットワークだけでなく、端末からサーバまで含めたシステムの作りに大きく左右されるもの。 ノーツというごく一般的なアプリケーションで10ミリ秒の遅延が「極端なレスポンス低下」に結びつく原因が肝心なことなのに、書いていない。 いたずらに広域イーサネット・ユーザの不安をあおるだけの記事です。

私のユーザ事例ではDA1500をふんだんにアクセス回線に使い、拠点数は富士写真フィルムよりはるかに多い100を超える規模で、ノーツサーバはセンタ集中という事例があります。 何の問題もなく、ノーツが色んなアプリケーションのプラットフォームとして使われています。 

2つめの疑問はフレームリレーと広域イーサネットを3年も並行運用して何故、運用負荷の大幅軽減になるのか。 しかも、LAN−TAを全二重に代えたり、DAをATMに代えたり、私だったら逃げ出したくなるような手間をかけている。 

記事全体を読んで、ここに書いてあることが事実なら、外部コンサルタントとか、SIを担当している業者に恵まれてないんじゃないか、と気の毒になりました。 業者は儲かったに違いありません。 サーバやパソコンを高性能なものにしたり、ネットワークの修正を繰り返しているのですから。 アセスメントと、大上段にふりかぶるなら、もっと踏み込んだ分析をし、客観的な数値を示さないと、取材される企業も、記事を読む読者も迷惑だと思います。 
 

ホームページへ