間違いだらけのネットワーク作り(297) 2003/09/20
記事評「UFJ銀行IP電話4万台導入の衝撃」

9月に入ってから1日も休んでいなかったのですが、今日は久々の休みです。 先週末の大規模なIP電話移行は成功しました。 これで企業向けIP電話=IPセントレックスは大規模なネットワークでも安定して使えることが理論だけでなく、事実で証明されました。 これまで様子見をしていた企業もIP−PBXやコールマネージャーを使わない「PBXレス」なIPセントレックスの導入に踏み切るでしょう。

この移行工事だけなら、休みを取ることは出来たのですが、もう一件、大きな提案案件が重なったため、3連休もすべてつぶれるという事態になったのです。 その提案も今週プレゼンがおわり、大きな山を一つ越えました。 実は月末にも大きな提案があり、もうひと山残っています。 しかし、久々に休めるのがうれしく、昨夜は古い研究会仲間3人をさそって銀座のワインレストランを2軒はしごするというぜいたくをしました。

2軒目の店でAさんにごちそうになったのがプティムートンロートシルト。 シャトームートンロートシルトのセカンド、とAさんに説明されてもワイン通でも何でもない私には分かりません。 5大シャトーの一つであるムートンの看板商品がロートシルトで、それと同じ畑からとれたワインなんだけど検査ではじかれてロートシルトになれなかったのを「セカンド」というそうです。 セカンドでも、充分おいしく、充分高いのです。 味もさることながら、ラベルが気にいったのでもらってきました。 Rabel Removerというのを使ってAさんが上手にラベルをはがしてくれました。 粘着剤が裏側についた透明のビニールシートをラベルの上に張り、コルクで丁寧にこすってラベルをビニールにくっつかせます。 そしてビニールごとラベルをはがすという仕組みです。 

私にラベルを集める趣味などありませんが、このムートンのラベルの赤いぶどうに一目ぼれしました。 このふっくらした大つぶのふさを見て浮かんだのは、「実りの秋」という言葉。 お互い実り多い秋を迎えられるといいですね。

記事評「UFJ銀行IP電話4万台導入の衝撃」(日経コミュニケーション9.22)

例によってセンセーショナルな日経コミュニケーションの見出しです。 この記事を細かく端から端まで読む気はありません。 ネットワーク構成図も構成図と呼べないほど大雑把なものしかないのでコメントしようもありません。 IP電話を導入する企業の背景や目的はさまざまで、考え方もさまざまですからUFJ銀行のすることを批判する気はまったくありません。 たぶんUFJ銀行とは対極にある私の考え方も「いろいろな考え方」の一つとしてマクロなコメントをします。

私の基本的な企業ネットワーク企画・設計の考え方、企業向けIP電話のあり方についてのポリシーは次のとおりです。
@ネットワーク技術やサービスの変化は激しい、したがってネットワーク構築は短期間で行い短いライフサイクル(3年から5年)で更改すべき
この記事を読んで違和感があるのは2003年10月から2006年度まで3年半かけて移行するという、構築期間の長さ。 他の銀行のIP電話記事でも5年かけて、なんてのがありました。 3年たたないうちにIP電話のサービスや技術、製品は大きく変わるでしょう。 移行に時間をかけたのではそれによって生じる陳腐化のリスクや機会損失のリスクが大きすぎるのではないでしょうか。

どんな大規模なネットワークでも、移行はせいぜい1年か1年半、そしてネットワークのレンタル期間(私はユーザがネットワーク機器を資産として所有することはリスクになるので奨めていません)は3年から5年、がいいと思っていますし、実際そのようにしています。

A企業ネットワークはオープンであるべき
ユーザが良いネットワーク機器、たとえばIP−Phoneやスイッチを自由に選択して使えることは、ベンダーに支配されず「いいものを、より安く」使うという当然の権利を守るために必要なことです。 そのためにはネットワークやIP電話をオープンな技術で構築せねばなりません。 IP−Phoneがベンダー独自のクローズドなプロトコルを使っていたり、スイッチとIP−Phoneのインタフェースがメーカー独自では、そのベンダー以外の機器が価格的、機能的にどんなに優れていても使うことはできません。 しかし、記事を読む限りUFJ銀行のIP電話はCISCO独自の世界で作るようです。

そして私にとっての最大の疑問は何故100億円もかかるんだろう、ということです。 電話機4万台ですから、1台あたり25万円。 金融機関向けに機器の二重化等を徹底しても私のモデルではこの半分にも達しません。 8000円程度の島ハブを使うのと数10万円の給電スイッチを使う違いがあったり、IP−Phoneの価格が違ったり、いろんな要素があるのでしょう。 しかし、この記事はビジネス的にはプラスになりました。 1台あたり25万円を基準に当方の提案価格が高いか安いか判断してもらえるようになったからです。
 
 
 

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