間違いだらけのネットワーク作り(270) 2003/03/08
記事評「IP電話、コスト削減の条件」(日経コンピュータ)

今週、宮脇俊三さんの訃報が新聞に載りました。 2月に亡くなったとのこと。 実は宮脇さんは私が一番ひいきにしていた紀行作家です。 初めて読んだのが「時刻表2万キロ」(77年)。 当時の国鉄を全線乗車した紀行です。 その後、10年以上宮脇さんの本から遠ざかりました。 ふたたび手にしたのは88年春、「途中下車の味」。 購入したのは阪急梅田駅にある紀伊国屋書店。 当時、私は課長になって大阪に転勤したばかりで、がむしゃらに仕事をしていました。 2年間で5つの銀行ネットワークを受注し、構築したのです。 

しかし、たまに疲れてしまって何か気分転換できるような本はないか、と帰宅途中の紀伊国屋で手にとったのが宮脇さんの本でした。 鉄道紀行なのですが、宮脇さんと、同行している若い編集者とのやりとりにある和みが気に入りました。 以来、宮脇さんの本はすべて読み、多くの本がブックオフ送りとなる中で私の書棚に生き残っています。

ここ2、3年新刊がなく、案じてはいました。 今でも「途中下車の味」はたまに枕元で読むことがあります。 この本を読むと、まだまだ初心というものがあった大阪当時の自分が見えてきます。 いい本というのは力があると思います。 いい本を残してくれた宮脇さんに感謝。

記事評「IP電話、コスト削減の条件」(日経コンピュータ)

NET&COMの講演を取材した日経コンピュータの坂口記者が記事をまとめてくれました。 NET&COMの打ち上げに同席した記者は坂口さんです。 東京ガスさんにも入念なインタビューをしたようで、コスト比較のグラフなどよく出来ています。 私のNET&COMのスライドとそっくりな図(遅延時間を説明した最後の図)もあったりしてご愛嬌です。 95点。

「IP電話、コスト削減の条件」(日経コンピュータ)
 

昨年1月の日経コンピュータ主催のセミナーで私が「VoIPなどやめておけ」と言ったことも書いています。 「止めておけ」といっていたVoIPとどんどんやりましょうと言っているVoIPは意味が違う、ということは以前ここに書きました。 PBXをそのままにして中継部分だけGWでIP化するVoIPはマイラインで電話料が安価になっているから意味がない。 しかし、東京ガスで私がやっているVoIPは高コストなPBXをなくすることが目的なので、まるで意味が違います。

本当は1年前にすでにPBXをなくするVoIPを一生懸命検討していたのです。 それが証拠に昨年1月の日経コンピュータのセミナーでも、昨年2月のNET&COMでもネットワーク・トレンドの図に「PBXレス」という言葉を入れています。 しかし、わざとVoIPなんか止めておけ、といいました。 眼くらましです。 一番ニーズがあり、これからビジネスにしようとしているものですから、こちらが先行するまでは口に出来なかったのです。 

ユニファイド・メッセ−ジングといった計算できない効果を目的としたIP電話もけっこうですが、コスト50%削減を実現するIP電話/IPセントレックスの方が今の企業には魅力ですし、第一分かりやすいと思います。 それにユニファイド・メッセ−ジングは技術的に難しいものでも何でもなく、IPセントレックスでも簡単に実現できます。 必要になればやればいいのです。

話は変わります。 3月に出版される私の新著の表紙が日経バイト4月号の間違いだらけのイラストになりました。

表題は「企業ネットワークの設計・構築技法」なのですが、ご覧のように副題の方が大きいのが面白いところです。 副題の「広域イーサネット/IP電話の高度利用」の方が本題のように見えます。 これは編集していただいている橋爪さんのアイデアで、「企業ネットワークの設計・構築技法」という通しタイトルで何年かに1回改訂し、副題を変えるという意図です。 ウーン、いいですね。 あと20年くらい書きつづけられたら。 橋爪さんに編集していただいた本は今回で3冊目。 3年に1回の周期です。 21年であと7冊。 もう少しサイクルを短くしないと駄目でしょうか。

なお、日経バイト4月号の間違いだらけは「書くことのすすめ」というタイトルです。 テクニカルなことは、一切出てきません。 でも、読んでいただくと「自分も書いてみよう」と思う方が何人も出てくるんじゃないかと期待しています。
 
 
 

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