間違いだらけのネットワーク作り(269) 2003/03/01
記事評「IP電話サービス相互接続への壁」

はや3月になりました。 時間が欲しいと思っているときほど、時間は早く過ぎるもの。 もう少しスローライフで行きたいのですが、IPセントレックスのおかげで開発も営業も、おおわらわという状態です。 そんな中、なつかしい人からメールを貰いました。 西田竹志さんです。

西田さんは日本ではじめてTCP/IPのテキストを書いた人です。 1990年にソフト・リサーチ・センターから出版された「TCP/IP」。  当時TCP/IPのテキストはこれしかなかったので、ずいぶん読まれたようです。 もちろん、私も読みました。 奥さんがイラストを書いており、ほほえましいな、と思ったものです。

西田さんは古い会員なのですが、会ったことはありません。 数年前にシリコンバレーに転勤したことは記憶していたのですが、毎週のニュースメールを送信するだけで便りはありませんでした。 今回のメールはアドレスが変わったという連絡でした。 現在はコンサルタントとして活動しているとのこと。 ご活躍を祈ります。 

記事評「IP電話サービス相互接続への壁」(日経コミュニケーション3月3日号)

面白い記事ですね。 通信業者の裏側が見えてくるようで。 面白いとは思うのですが、ていねいに読んではいません。

IP電話卸業者、プロバイダ、アクセス回線業者とIP電話の登場人物を整理。 IP電話サービス同士の相互接続は早晩卸業者間の接続で実現されるだろうが、品質の保証や課金方法に課題がある。  IP電話と固定電話・携帯電話との相互接続では料金設定権の主導権争いがあり、交渉が長引くと固定電話発・IP電話着のサービス時期の遅れにつながる。 といったことが、長々と書かれています。 参考になりました。 

料金設定権と接続料の関係もへえ、こんな関係なのかと初めて知りました。 料金設定権は原則的に発信側。 接続料は設定権を持たない側が持つ側に請求する。
ミクロな話題ではフュージョンがIP電話から携帯への発信を国際電話網を経由させるという抜け道で実現しているというのが「実用的」でいいな、と思いました。

全体的な感想。 現実の混迷を長々と書くのではなく、IP電話サービス・固定電話・携帯電話が相互接続される理想的な形態はどんなものなのか、示して欲しいもんだと思いました。 理想形をまず示し、そこにたどり着くのにどんな問題を解決せねばならないのか、というストーリーだと分かりやすい。

理想形とはどんなものでしょう。 ユーザにとって安く、便利なサービスを享受できる形態。 料金設定権がどうのこうのという問題は上位レイヤの問題として、客観的にインフラのあり方を議論する場が必要だと感じました。

話は変わります。 この号の168ページに日経BP社の新刊・近刊の紹介がひそかに載っています。 「企業ネットワークの設計・構築技法−広域イーサネット/IP電話の高度利用」 著者はいわずと知れた私です。 3年ぶりの新著の出版となります。 あわただしいはずなのに、本を書いてしまったのです。
 

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