間違いだらけのネットワーク作り(267) 2003/02/15
「NET&COM2003講演要約−その2」

まだ2月ですが、ふと寒さのゆるむ日もあり、陽の光も少し強くなったような気がします。 この頃になると春の京都研究会、今年は何をテーマに誰に話してもらおうか、と考え始めます。 IPセントレックスをテーマにするのもいいんですが、あまりに生々しい商売そのものの話になってしまうのが欠点です。 ちなみに昨年はメガデータネッツの話が主で、私は雑談をしました。 まあ、テーマはもう少し時間をかけて考えるとして日取りは4月12日(土)にしましょう。 京都のしだれ桜、久しぶりに堪能したいです。  情報化研究会京都組の方々、会場の確保お願いします。

さて、IPセントレックス、各社一斉にあわてふためいて「やります、やります」と発表し始めましたね。 本当に革命に火がついたようです。 良いことですね。 皆でいっせいに燃え上がらせるのは。 でも、タコが自分の足を食べるような状況に陥らないのでしょうか、と他人事ながら心配です。 ユーザの立場に身を置く私は一向に自己矛盾の心配はないのですが。

昨日、会社でユーザ向けネットワーク・セミナーを主催しました。 200名あまりの会場に申込みは400名を超え、申し訳なかったのですが230名に絞らせてもらいました。 NET&COMとちがってキャリアやメーカーは招待していませんから、思いっきりノビノビと話せました。 私の出番が来て登壇すると同時に胸の携帯がブルブルと震え、メールが届きました。 何のメールが分かっていたので、その場で見ました。 三男の高校受験、3つめの合格の連絡です。 そのことを言うと、皆さん拍手してくれました。 やれやれ。 しかし、Good Newsで軽快に話を始めることが出来ました。

「IPセントレックスとIP−PBXを比較して説明にくるベンダーがたくさんいるでしょう。 本物のIPセントレックスか、にせ物か見分けるポイントを3つ言うのでメモを取ってください。
@オープンであること(=電話機にライセンス料など不要で、いろんなメーカーの電話機が使えること) AIP電話中継網とセットであること(通話料が安くなる) Bシェアード・サービスであること(共同利用のため、信頼性の高いシステムを安価に使える)  この3点を満たしてないIPセントレックスはにせ物です。」

名だたる大手企業の情報システム部門の方、総務部の方が熱心にメモを取っていました。 特に、総務部の方には「仕組みは分からなくても気にしないで下さい。 私も文科系なので細かな仕組みなんて分かりません。 メリットが何か、デメリットが何かを理解してください。」 と申し上げたところ、アンケートで「あれが良かった」とほめていただきました。

「2003年版VoIP:IP電話/IPセントレックスで企業ネットワークを革新する」要約−その2

さて、要約記事、3回の予定でしたが、2回にします。 

○偶然、新聞で知ったユニデンさんに安価なIP−Phoneの開発を依頼

東京ガスさんのコンサルティングを始めて「コストを現在の50%以下にするには安価なIP−Phoneが不可欠」ということはすぐ分かりました。 何とかならないか、と1ヶ月ほど悩んでいたのです。 そこへ昨年の5月1日日経新聞に「ユニデンが北米向けにSIP−Phoneを開発する」という記事が出ました。 すぐ電話をかけました。 社長以下、10人あまりが来てくれ、打ち合わせをしました。 「IP−Phoneを9000円で作れませんか?」 が話し始めの私の言葉。 そこまで安くはなりませんでしたが、1万円台のIP−Phoneを開発していただけることになりました。  下図がディスプレイのないタイプ、ディスプレイ付だと2万円程度になります。 

ユニデンさんは毎年北米を中心に約1500万台の電話機を製造販売しています。 が、国内では一切売っていませんでした。 PBXを消滅させるIPセントレックスを推進しても、電話機専業のユニデンさんなら自己矛盾がないのも、このプロジェクトには最適でした。


 
 

○IPセントレックスはネットワークの中の1コンポーネントに過ぎない。 
適切な回線サービス・製品の選択、VoIP品質確保のためのLAN/WAN設計が重要
 

さて、この点が大切です。 最近各社が発表しているIPセントレックスは例によって、自社のサービスでユーザを縛ってしまうのが目的のようです。 しかし、下図のようにオープンを旨とするIPセントレックスはネットワーク全体の中では1要素に過ぎません。 

端末として安価なユニデン製を選択し、WAN回線として遅延が少なく安価なC&Wを選択し、END−TO−ENDの遅延を100ミリ秒未満になるように設計する。 これはSIerがやっていることでIPセンレックスのプロバイダーの仕事ではありません。 遅延100ミリ秒未満というのは総務省のIP電話品質基準クラスA(固定電話並、0AB−J番号を使える)を満たすためです。 また、パケット・ロスがWAN、LANで発生しないよう、QoS設計も重要です。 特にLANでは遅延は少ないのですが、パケットロスは起き易いので、コストをかけずに必要充分なQoS制御が出来るよう設計するのが工夫を要するところです。

オープンであれば、WAN回線だけをより良いものに変えたり、新しいIP−Phoneを導入することも容易です。 このように、ネットワークをオープンで階層化された構造にしていれば、ユーザはキャリアやベンダーに対して常に主導権を取ることが出来ます。 

このようなオープンなネットワークの設計には経験とノウハウと保守を含む責任能力が必要なのは言うまでもありません。 
詳しい問い合わせは NTTデータ(info−nw@bs.in.ntdata.co.jp、tel:03−5546−8927)までどうぞ。
 
 


 

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