間違いだらけのネットワーク作り(260) 2002/12/21
「IP電話のR値」

12月13日の東京ガスIP電話の記事から1週間、問い合わせ対応や訪問しての説明に追われています。
年が明けてもこの状態は続くでしょう。 うれしい限りです。

そういえば大昔、「積滞」という言葉があったことを思い出しました。 私が電電公社に入社した79年頃、
「積滞解消」というのが話題になっていました。 電話を申し込んでも工事が追いつかず、何年も待たされる
のが積滞。 IPセントレックスもちょっとした積滞が起りそうです。
 
東京ガスのIP電話は家庭向けの単純なものではなく、PBXの機能をカバーする共同利用型のソフトスイッチ
=IPセントレックスを使うのがポイントです。 

IP電話のR値

ホームページに「ご意見歓迎」とメールアドレスを掲げたところ、さっそく貴重な情報をいただきましたので
ご紹介します。 IP電話の通話品質について研究しているTさんからのメールです。
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○○のTと申します.
情報化研究会ホームページをいつも楽しく拝見・勉強させて頂いております.

唐突なメールにて不躾とは存知ながら,「間違いだらけのネットワーク作り
(255)2002/11/23 「IP電話のR値」」 に掲載されていた内容につ
いて,一点だけコメントさせて頂きたくメールを送らせていただきました.

記事の中で,「TTC(情報通信技術委員会)が決めた測定方法は遅延だけを
変数として測定し、それ以外のパラメ?タは定数として扱うそうです。」との
記述がありますが,当該仕様書(TS1001)では,評価が必要なパラメータとして
音質・遅延・エコーに関するパラメータを挙げております.

音質については,符号化及びパケット損失による歪を表現するパラメータ(qdu,
  Ie, Bpl, Ppl)が該当し,エコーについてはエコー経路の音量に関するパラメータ
(TELR)が該当します(ここではPSTNとの相互接続に起因するエコーを対象とし
ています).この他にご指摘の遅延に関するパラメータ(T, Ta, Tr)があります.

仕様書で固定的なパラメータ値を用いることとしているのは以下のカテゴリに
含まれるパラメータです:

A)アナログ伝送におけるパラメータなど,現在は影響がないと解釈
 ⇒回線雑音(Nc),誘導雑音(Nfor),受話者エコー(WEPL)
B)適用指針が不明確であり,現時点では適用が不適切
 ⇒利便性要因(A)
C)環境要因であり,制御不可能であるため,特定の環境を想定
 ⇒送受話室内騒音量(Ps/Pr)
D)端末の設計パラメータであり,標準的特性を想定
 ⇒送受話音量(SLR/RLR),側音量(STMR),受話側音量(LSTR),D-ファクタ
  (Ds/Dr:LSTR-STMRで定義),端末に起因するエコー経路の音量(TELR)

また,仕様書TS1001では,R値が考慮していない品質要因がある点,R値と主観
品質の対応関係に関する検証が必ずしも十分でない点を考慮して,「R値を補完
するパラメータ」を規定しています.具体的には,音質・遅延・エコーについて個別
にガイドラインを示しています.

以上,ご参考になれば幸いです.
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*私のR値に関する記事は日経バイトの簡単な記事を参考にしたのですが、実際は複雑なのですね。

*昨日、IP−VPNでVoIPをやっている方と会話する機会がありました。 音質は携帯より悪いとのこと。
すべてのVoIPoverIP−VPNで音質が携帯以下とは思えませんが、意外でした。 広域イーサネットでは
固定電話と携帯の中間程度の音質は出ます。

*以前の記事で紹介しましたが、固定電話のMOSは4.5程度、携帯は3.5程度です。
VoIPとしては4前後の値が出れば合格ではないでしょうか。

*音質は最後は人が判断するものなので、MOSが評価方法としては適切だと思うのですが
効率と客観性が必要なIP電話サービスの音質評価ではR値も必要になるのでしょうね。

*「R値と主観品質の対応関係に関する検証が必ずしも十分でない」ことをTTCも認識しているようなので
安心しました。
 

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