間違いだらけのネットワーク作り(257) 2002/11/30
「支線はIP−VPNで、大事なところは広域イーサネットで」

今日で11月も終り。 早いものです。 時間が欲しいと思っている時ほど日が経つのが速い。 12月7日の情報化研究会もまだまだ先と思っていたら、来週のことになりました。 120人あまりの方が参加予定です。 総務省の松井さんやNTTPCの波多さんからどんな話が聞けるか楽しみです。 波多さんは自作のSIPサーバとMSNメッセンジャーのデモをするそうです。 サーバといっても、タバコの箱程度の大きさのLinuxサーバです。 MSNメッセンジャーでどの程度の音質が出るのか、興味深々です。 

優先制御すると遅延が大きくなる?

最近VoIPでトラブル、というのはほとんどなく、逆に品質・価格ともユーザに喜んでいただいています。 ところが、久しぶりにちょっとしたトラブルがありました。 センタから支店へ大量にファイルを送ると、音声が2、3秒消えることがある、というものです。 あまり経験のないトラブルです。

担当したSEは最近他のユーザのVoIPを動かし、成功しているので設計とか設定のミスはあまり考えられません。 環境条件も悪くなく、回線は広域イーサネットで最低でも512Kあり、 優先制御も設定しています。 

しかし、その優先制御の使い方に問題がありました。 音声が絶対優先になっていなかったため、大量のデータが送信されたとき深いバッファで音声が待たされたのです。 ネットワーク内で音声パケットの破棄がなくても、ゲートウェイでの受信が何秒も遅れるとゲートウェイで破棄されますから2、3秒分の音声が消えてしまうことも充分ありうるわけです。

優先制御には遅延を少なくする目的の優先制御と、パケット・ロスを起こさないことを目的とした優先制御があり、音声は前者で扱うべき、という当たり前の話です。

支線はIP−VPNで、大事なところは広域イーサネットで

先ほど届いた日経コミュニケーション12月2日号にIP−VPNと広域イーサネットを組み合わせて使う、という特集がありました。 ちらりとながめましたが、新鮮味が感じられず読む気は起りません。 大手金融機関ではIP−VPNを支線系ネットワークに使い、バックボーンはATM専用線というのが一般的です。 IP−VPNのルーティング・プロトコルや負荷分散の制限のためです。

この記事や三井住友銀行の事例記事だと、このバックボーンを広域イーサネットにする計画の金融機関がけっこうあるようです。 「支線はIP−VPNで、大事なところは広域イーサネットで」というのがこれからのパターンになるのでしょう。 

この記事が反映できなかったのが11月28日にNTTコミュニケーションズがニュースリリースしたIP−VPNでのOSPFや負荷分散のサポート。 さあ、三井住友はじめ金融機関は考えを改めてバックボーンにもIP−VPNを使うのでしょうか? 「支線はIP−VPNで、大事なところは広域イーサネットで」というキャッチフレーズが定着しないよう、バックボーンにもIP−VPNでチャレンジして欲しいものです。

私はスッキリしたネットワークが好きなので、広域イーサネットだけで構築されたローソンさんのネットワークや東京三菱銀行のネットワークの方を好みます。 IP−VPNも、今になってOSPF等を可とするなら、何故最初からサービス提供しなかったのか不思議です。 それとも、今度のサービスにも何か制約があるのでしょうか?
 
 
 

ホームページへ