間違いだらけのネットワーク作り(240) 2002/08/03
「ENUM」

先週の土日は研究会のコアメンバー8人と京都へ行ってきました。 初日は嵐山でレンタサイクルを借り、大覚寺とニ尊院へ。 大覚寺ではお説教を聞きました。 お盆と正月の起源は仏教伝来以前からあった先祖への収穫感謝の祭だとのこと。 正月はお米の収穫、さて、お盆は? という質問に誰も答えられませんでした。 正解は麦。 

「我慢」という言葉の意味が仏教の世界では我々がふだん使う「忍耐」という意味とはまったく違うというのも意外でした。 我慢とは自分が慢心したり、増長していることを言うとの事。 良い行いをしても、「自分はいい行いをした」と思った瞬間、我慢になってしまうという。 厳しいですね。 ちょっと思い上がったり、はしゃいだりする時もあったほうが人生楽しいと思うのですが、慢心しやすい私としては気をつけなきゃな、と思いました。

説教してくれたのは、30歳くらいの若いお坊さんだったのですが、仏教というまったく違う世界で生きている人の話は面白いものだと思いました。 寺のそこここでは高校生くらいの若い僧侶が掃除をしており、「こんにちわ」と明るく挨拶をしてくれます。 感心したのは皆、顔と声がきれいなこと。 二枚目ということではなく、さわやかな顔という意味です。 

ニ尊院は百人一首で有名な小倉山の山すそにあります。 約1200年前に開山。 釈迦如来と阿弥陀如来を本尊とすることからニ尊院というとのこと。 小倉山の細い山道を10分ほど分け入っていくと、藤原定家が百人一首を選んだという時雨亭跡があります。 猫の額のように狭く、暗い山中。 たしかにここなら都から遠く、雑音にじゃまされることがなかったろうと思いました。 百人一首に選ばれれば名が永遠に残るのですから、その選句というのは大変な圧力があったのではないでしょうか。

二日目は夏でもすずしい比叡山延暦寺へ。 根本中堂から5分ほどのところにある会館の広間で精進料理。 ビールとおいしい料理とすずしい部屋。 誰からともなく、昼寝をはじめ小一時間寝ました。 至福というのは大げさですが、気持ちよかったです。

「ENUM」

ENUMとはTelephone Number Mappingの略称。 電話番号とIPアドレスを対応づける方式でITUとIETFが協同で開発・導入の検討をしています。 これからのVoIP、というかIP電話サービスでキーワードの一つになるでしょう。 発信側でダイヤルされた着信側電話番号から、それに対応する着信側IPアドレスを特定し、発着信端末間での通信を可能にするものです。 原理は簡単で次のような流れになります。

@E.164にもとづく電話番号 +81−3−1234−5678(E.164番号とは要するに我々がふだん使っている電話番号。 国番号を含む15桁以内の数字でグローバルな電話番号)

Aこの番号を順序を反対に並べてドメイン名に変換する
8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa  ICANNが用意したトップレベルドメイン
arpaとはaddress and routing parameters area top revel domain の略で、ENUMで使用されるDNSドメインとして提案されている。

BDNSによりドメイン名を着信側が予め登録したURIに変換
ex) sip:yamada@abc.co.jp    mailto:yamada@abc.co.jp   tel+81-1234-7890

CURIから再度DNSでIPアドレスに変換
192.168.10.2(実際にはグローバルアドレス)

発信側がレガシーな電話機、着信側がIP電話とすると、DNSを引いてIPアドレスを見つけるのはレガシーな電話網とIP電話網を接続するGW(ゲートウェイ)の役割になります。 発着信ともにIP電話なら、電話端末が直接アドレス解決することになるでしょう。 そうです。 それが可能になれば、IP電話機とIPネットワークとDNSさえあれば、電話交換機が一切不要になります。

ENUMはVoIPの意味を根本から変えてしまう技術、と言えます。 さあ、これが企業ネットワークにどうインパクトを与えるのか? ここ2、3年でスゴク面白いことが起るでしょう。
 

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